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沁月
Public
ウ教×ハ♀ 相思相愛 読み切り
集う光に虹の記憶を
MHRウ教×ハ♀。相思相愛。
ウ視点。
愛弟子の手を引いてどこかへ連れて行くウ教。
2025年クリスマスネタ。
1
2
3
「わあ
……
! これ
……
!」
箱の中から、そっとキミが取り出したもの。七色の煌めきを放つ、スクエアカットが施されたビスマス光石の
填
は
められた、白銀の指輪。
「すごい
……
!すごく、きれい
……
!」
指輪を持ったキミの手に、星明かりでも十分すぎるほどの存在感のあるビスマス光石。角度によって表情を変え、鮮やかに、七色に輝く。
「虹を掴んだみたい
……
! ありがとうございます、ウツシ教官!」
「どういたしまして! 喜んでもらえて俺も嬉しいよ! キミさえ良かったら、俺に着けさせてほしいな」
「えっ
……
! あ、ありがとうございます! お願い、します
……
!」
「ありがとう、愛弟子」
俺はキミの手から、片手でそっと指輪を
摘
つま
み取る。するとキミは慌てた様子ながら、とても律儀に「ち、ちょっと待って下さいね」と指輪の入っていた小箱を、俺と同じように腰に着けた革鞄の中へ、大切そうにしまってくれた。箱も大切にしてくれるキミの想いに、胸がぽかぽかしてくる。
やがてキミは「ふうっ」と自分を整えるように白息を吐いてから軽く腰を上げてその場に座り直し、ほんのり赤く染まった顔を俺に向け直してくれた。
「お、お待たせしましたっ、ウツシ教官っ」
「ふふっ
……
待ってないよ。ありがとう、愛弟子。じゃあ
……
失礼するね?」
可愛いキミの左手を
掬
すく
い取るように持ち上げ──可愛い薬指に、そっと指輪を近付けていく。
これはキミに贈るため、ハモンさんに加工技術を習い、ほぼ手伝ってもらいながら俺が作ったもの。素材になるビスマス光石も俺が特に綺麗なものを厳選して、溶岩洞から採って来たものだ。
愛しいキミの薬指に、俺の作った指輪はするすると入っていった。キミの薬指で、星の光を受けた指輪がまた、虹色の輝きを放つ。
ハモンさんの「少し大きめに作るべき」との助言のおかげで、小さすぎることはなく、運良く大きすぎることもなかったようで、俺は密かに胸を撫で下ろした。
ちらりとキミの顔を見やれば、キミは星など比べ物にならないほど無垢な瞳を輝かせ、指輪を見つめてくれている。
「──すてき
……
!ありがとう、ございます
……
ウツシ教官
……
!」
「良かった、ぴったり
……
と言うには微妙かもしれないけど、大丈夫そう、かな?」
「はい! すっごく、すごく嬉しいです
……
!ありがとうございます!」
冬の寒さも吹き飛ぶような、おひさまのようなキミの笑顔を見て、俺の表情にも自然と笑顔が浮かんだ。不思議と、体の芯から全身が温かい。
可愛いキミは自分の顔の前で指輪を
翳
かざ
し、次に空に翳し──柔らかに目を細めて「えへへ
……
!」と囁くような声量だが楽しげな声を
溢
こぼ
している。
正直なところ、俺の手の上からキミの左手が離れてしまったことは少し名残惜しかった。けれど、在りし日の頃を思い出させるような愛らしい様子を見ることができた幸せにますます目尻が蕩けて、しかも、ちょうどその時だ。
「あっ
……
!」
驚いたような、キミの声が響く。その声に確信して、俺は目線をゆっくりと前方、大きなモミの木の方へと向けた。
(そろそろ、かな
……
)
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