MN*B
2025-12-24 03:39:06
14655文字
Public 宗おに:二次創作
 
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生贄寸前! 走って祈って救出劇スペシャル ~Xmasディナー in 因習村~

「恐怖!マッチョ宗教勧誘おにいさん」×「村の祠全部食う‼」×「耕せ!因習村」三作品クロスオーバー二次創作小説開幕!
推奨:Privatter+ダークモード、パソコン・スマホなら横画面かも(AndroidOSは明朝体の導入※Privatter+のサイト設定適応不可・なくても読めはする)
注意! なんでも許せる方向け !



 咄嗟だった。は身体を持ち上げて身を乗り出し、おにいさんの頭を庇うように抱きしめた。

 ――衝撃。
 目の前が真っ暗になる。

「嗚呼! なんて勿体ない!!」

 村人の中から、そう悲鳴があがった。
 は世界が回るような感覚に酔いながら、「今日、を案内してくれた人の声だな」と気づく。

伊鶴さん!? どうして!!」

 あ、おにいさんの手だ。の肩に。
 それにほっとして、力が抜けていく。おにいさん、無事みたい。

「俺達に構わないで! クソッ、どけ――!!」

 おにいさんのこんなに荒れた口調を聞いたのは、初めてかもなぁ。なんて……


・・・

・・






 息を乱し、周囲を見回す。動くものは俺以外ない。
 木々すらも息を潜めているみたいに、何も聞こえない。俺の呼吸だけが響いていた。

伊鶴さん、もう大丈夫です」

 安心させるため? 違う。俺が安心したかった。そのために声をかけていた。
 たった今、先程までの間に仕出かしてしまったこと。それに引きずられ、汚泥の如くこびりついた記憶トラウマが蘇ってきて、二重に吐き気がこみ上げる。
 しょうがなかった、正当防衛だ、相手が、だって、仕方ない、…………わからない。なにも。答えなんて。

 吐き気と痛みと疲労を引きずりながら、腕の中の大切な人を抱え直す。片腕がほとんど動かなくて役立たずでも、この人は俺の片腕で十分なくらい軽くて。軽くて……

伊鶴さん……?」

 くったりとして、目を閉じている。流れていた血は止まっていた。
 顔色が悪いのは、きっと血を流し過ぎたせいだろう。

「寝てるだけですよね。伊鶴さん、朝からずっとツイてなくて大変でしたもんね。こんなことになって、疲れちゃいましたよね」

 そうですよね。……閉じたままの瞼に囁いて、応えないことに堪えた。
 傷を触らないように、痛まないように、そっと頭を撫でる。

……疲れたな」

 言葉にした途端、身体が重くなった。俺は泥になったみたいに足から崩れ落ちて、それでも伊鶴さんを潰してしまわないように仰向けに倒れる。
 眠ったままの伊鶴さんを胸に抱いて、空を見上げた。冬なのに木々の葉が生い茂っていて、大して空も見えない。
 ここには月明りも届かないみたいだ。どうりで、暗い……

 ……俺も、もう……眠たい。
 さむくないですか、伊鶴……




 最後の一人がたおれた。
 それを待ちわびていたとばかりに、森が騒めき出す。
 血と争いを貪った二柱の巨木が、歓喜にその身を震わせていた。









 あーあ
 どうせ、これが見たくて選んだんだろ





 次は間違えるなよ





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