もん
2025-12-07 22:45:08
5482文字
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経年劣化

VOIDのHO4秘匿内容あり



木陰に集まって昼寝をしている子供たちが寒くないように、ブランケットをかけてまわっていたら、眠るくおの手に手袋越しの腕を掴まれてしまったので、振り払うこともできずに大人しく眠るくおの隣に腰掛ける。

ふと、1人だけ眠っていなかったらしいココロが起き上がって声をかけられる。

「レオは、いつもみんなの人気者だね」

「そうですか?ココロも人気じゃないですか」

本当に、子供たちに囲まれるココロを何度か見たことがあるのに、自覚がないのだろうか。
もしかしたら、彼女は自己肯定感というものが低いのかもしれない。
あんなに好かれているのに、自信がないのだろうか。

「え~そうかなぁ」

「私もココロのこと、好きですし」

「本当?嬉しいな」

「ふふ、ココロも私が好きですか?」

「勿論!大好きだよ」

「やった。嬉しいです」

本当に嬉しくて、ココロに貰った言葉を噛み締めて、大事に記録に残そうとしているとココロの頰が少し赤らんでいることに気づいた。
照れているのだろうか?目線も少しだけ泳いでから、真っ直ぐ私の目に合わせられて、内心で首を傾げる。

「あのね、レオにだけ話すんだけど、私好きな人がいるんだ。その人みたいになりたかったから、レオがそう言ってくれると、その人に近づけたみたいで嬉しいな」

これは、恋バナというものだろうか。
ココロからそんな相手の話が出てきたのは初めてのことなので、少し驚く。
ココロが目標にする人間なのであれば、その相手も優しい善人なのだろうなと推測する。
その人間の話をするココロの表情は、本当に好きなのだろうなと分かるほどに柔らかく綻んでいて、成程人間のはにかみとはそうするのだなと新たな学びを1つ得る。
それに、私の言葉でココロが嬉しいと思ってくれるのは、私もとても嬉しい。

「そうなんですか?では、その人も人気者だったんですね。ココロが嬉しいなら、私も嬉しいです」

……。その人には、もう、会えないかもしれないんだけどね」

「そうなんですか?何故?」

ココロは何も答えずに寂しそうに笑った。
そんなココロの顔が記録に色濃く残っている。

そしてその時の私には一つ、不思議なことがあった。
ある日を境に子ども達が減っていったのだ。
子ども達はどこに行ってしまったんだろうか。

私を置いて、どこに行ってしまったのだろうか。

私のことが、嫌いになったのだろうか?