Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
さとうみず
Public
gndm
Clear cache
【シャアム】Road Trip!
シャア×アムロ。現パロ。ふたりで運転して旅行に行く話の詰め合わせ。今後もっと増やしたい。シャアムwebオンリーにて書かせてもらいました。
1
2
3
1.
「次は?」
「ふたつ目の信号を左だ」
「ん」
アムロは小さく頷いてバックミラー、サイドミラーに目をやった。後続車はいない。ウィンカーを出して車線変更し、赤信号で車を止めた。青になれば左折。平日の昼下がり、この田舎道には車はほとんど見かけない。
彼の運転する車は白のステップワゴンだ。
後部座席やトランクは、ずぼらな彼の工具や用途の分からない部品が散らばっている。何度か整理整頓を促したり、私が片付けようとしたが素気なく断られた。彼曰く、置き場所には秩序があるらしい。ここまでエントロピーが低くてそれはないだろう。
「ガムちょーだい」
「もうない」
「は? さっき買っただろ」
ゴミ袋に捨てたガムの茶色い包み紙。甘いコーヒー味のガムで、口寂しかった私は満足するまで食べてしまっていた。甘い物は嫌いではない。
アムロは怒るかと思ったが、大きく息を吐いて呆れていた。少しだけ笑みを浮かべた彼の顔は穏やかで思わず見惚れた。
「あなたが気に入ったんならいい」
信号が青に変わり、パーキングからサードへギアを滑らかに上げて、道幅が狭い国道に入っていく。
今日の宿泊宿は山間の隠れ家と呼ばれている宿だ。私が車を出す気でいたが、「あなたの車は山向きじゃないだろ」と目を輝かせたアムロが車を出すことになった。
日が傾き始めている。早めに目的地に到着しないと、真っ暗になるだろう。電灯はない。
「ナビだとそこを右だそうだ」
細い坂道に滑落防止用のささやかなガードレールが添えられていた。アムロは目を一瞬瞠ってから本当かよ、とハンドルを握り締めた。右の道を見ると鬱蒼とした茂みで道の先がまるで分からない。道が続いているのか途切れているのか、それともそこまで到達できないのか。
「まあ、駄目だったら引き返せばいいしな」
先程とはうって変わり、声を弾ませている。ウインカーを出して右にハンドルを切った。その顔は悪ガキのように無鉄砲で無邪気で、勇敢だった。元来の彼はそうであったかもしれない。己が無くしたものかもしれないそれはひどく眩しかった。
見ていられなくてカップホルダーに転がる飴玉の化石に視線を逃がした。
「バックする時は私が変わってもいい」
「嫌だよ、俺がする」
勇敢な彼は今にも崩れそうな橋をゆっくりと渡り始める。
1
2
3
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内