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usagipai
2025-10-03 14:44:44
2039文字
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夜の街路は湿った空気を孕み、遠くで鐘の音が鳴っている、ラフィーネは人目を避け、古びた石畳の上をゆっくり歩いていた。
「
……
ねぇ」
不意に、影の中から幼い声
振り返ると、まだ十にも満たないような少年が立っていた、薄紫に大きな目と耳がある
…
恐らくはエーフィだろう
「お兄さん、助けて
……
追われてるんだ」
細い腕、怯えた瞳
ラフィーネの胸の奥に、かつての自分の姿が蘇る、助けて、と縋りついたあの日、誰にも救われなかった記憶
「
……
」
心が疼く
だが同時に、「裏切られるぞ」という声が囁く
結局、いつだって助けた先で待っていたのは裏切りと依存の鎖だった
それでも
――
ラフィーネは無言で少年の肩に手を置いた
「
……
走れ、後ろは俺がやる」
少年の顔に安堵が浮かび、路地を駆け出す
ラフィーネは背後から迫る気配に矢を番え、夜闇に放った
悲鳴。倒れる影、次の矢で追手を一掃する
「
……
終わったぞ」
振り返れば、そこにいたのはさっきの少年ではなく、屈強な密売業者の男だった。
少年の姿は消え、代わりに乾いた笑みだけが残っていた。
「やっぱりな
……
」
ラフィーネの心が軋む。
信じた瞬間に、やはり裏切られる。
ならば最初から、誰も信じなければよかったのだ。
それでも
――
矢は決して少年に向かなかった。
狙ったのは背後の業者だけ。
「裏切るのは構わん。だが
……
子供を利用する奴は許さん」
低く呟き、ラフィーネは再び矢をつがえる
夜風が羽を揺らし、彼の影は闇に溶けていった
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