もち粉
2025-10-02 21:58:56
21200文字
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伝説のロマンス(捏造)


カブミス
メリニ誤解事件簿 カブミスに寄せて
※名前のあるモブがいます

「〈さとり〉の庭」のその後のふたり


8.

メリニの街は朝からざわついていた。
港に優美な帆船が入り、淡い金髪を背中に流した一人のエルフがタラップを降りてきたのだ。

観光客にしてはきっちりした服装で、立ち居振る舞いも役人そのもの。おそらく西方エルフ大使館の関係者だろう。
とはいえ、多民族国家メリニではエルフの来訪は珍しくない──街がざわめいたのは、彼を迎えに来たのが、今話題のミスルン外交官だったからだ。

​金髪の青年は、ミスルンの手の甲に口づけを送ると、立ち上がって親しげに笑いかける。ミスルンのすぐ後ろに控えていたパッタドルと共に馬車に乗り込み、三人は港を去っていった。

馬車を見送ると、息を潜めて見守っていた民衆たちがどっと沸き立った。興奮と熱気に包まれ、周囲と今見た光景について口々に語り合う。

​彼の名はオーリス。エルフ本国より派遣されてきたメリニ駐在員たちの仕事ぶりを査定する査察官であり、ミスルンは彼の滞在中の案内役を務めることになっていた。

​だが、そんな事情を知らぬ民衆は、翌日からメリニ各地で見られるようになったミスルンと金髪の青年エルフが連れ立って歩く光景に、色めき立つのだった。


​「ほら見て、あの二人! 息ぴったりじゃない?」
「ミスルン外交官、新恋人か!?」
「いやいや、あの距離感……旅路で芽生えた恋ってやつだな!」
「二人の世界って感じね!」

​街の人々の声が、興奮した空気と共に、パッタドルの耳にも届く。ちなみに、この査察には彼女も常に随行していた。方向音痴のミスルンだけでは、査察官をどこに案内するか分かったものではないからだ。

​しかし、民衆の妄想フィルターには、どうやらパッタドルの姿は存在しないらしい。彼女は背景扱い、時には風景の一部。パッタドルは何度か、心の中で静かに呟いた。

​(……私もいるのだが)



​数日後。
​城下のタブロイド紙の一面に、再び太い見出しが踊った。

『ミスルン外交官に新恋人? 密着視察! 恋の香り漂う旅路』

​さらに、記者の突撃インタビューでミスルンについて聞かれたオーリスがこう答えている。

​「大変魅力的な方ですね」

​この一言が火に油を注いだ。市民の間では「三角関係だ!」「カブルー殿に宣戦布告?」「本国に残してきた恋人では!?」と、根拠なき推理合戦が始まった。

実際のところ、オーリスは外交官が現地で好印象を持たれるのは本国にとって利益だと考え、意図的に褒めただけだ。しかもエルフ語で答えたので、「鍛えて逞しい」と言った部分は、翻訳の際に「ほっそりしたミスルンさんが、逞しいなんて」とトールマンの校正者が首を傾げ、勝手に削られていた。



「へーぇぇ」
カブルーは記事を読みながら、面白くなさそうに頬杖をついた。

見出しの下には、ミスルンとオーリスとやらが寄り添うように立つ絵姿が描かれているが、タブロイド紙の絵姿が信用ならないことは身を持って知っている。

記事の中では、オーリスがミスルンについて美しい銀の髪やら、夜空のような黒い瞳だのと甘い言葉たっぷりに語っているがこれだって怪しいものだ。
エルフは男女の性差が少なく、褒め言葉も性別を問わない──それが共通語に訳されると、恋人への台詞のようになってしまうのはあるあるだ。

儀礼的な手の甲への口づけも同じ。相手の立場や年齢が上であれば、男女を問わず行う礼節にすぎない。

​(だから、きっと恋人というのは誤解だ)

​カブルーは自分にそう言い聞かせた。

しかし、いかに『ダル族』大流行中の城下といえども、そこまで知っているものは少ない。
お陰でカブルーは、城の人たちにしょっちゅう「ミスルンさんと、どうなってるの?」と心配されたり「おい、まだ勝負はついてないんだろ? 男なら取り返しにいけよ!」とはっぱを掛けられたりしている。

(なんか俺が振られたみたいになってるし……

面白くない。
カブルーはまだ、オーリスの実際の顔も、何のためにメリニに来ているのかも知らない。ミスルンに尋ねようにも、彼は今ほとんど全ての時間をオーリスと共に過ごしているらしい。

(会えたとしても、また避けられるだけだろうけどさ……

しかも先ほど、ミスルンが噂の相手と一緒に朝食を取っていたのを目撃したと警邏の兵から聞いてしまい、さすがに心にダメージを負った。

(朝食を一緒に取る間柄ってなんだよ!?)

そりゃ、あの店は朝食が有名だけど?
いつか俺があなたと共に朝を迎えるような関係になったら一緒に行きたいとチェックしてた店なんですけど!?
付き合ってもいないのに、朝食を一緒ってどんな距離感だよ。

……付き合ってないよな?

そいつは、あなたのパンにバターを塗ってくれるんですか。
あなたが舌をやけどしないように、紅茶の適温を見極めてくれるんですか。

ぐるぐると考えていたら、「元気出せよ、飲みに行くか?」と肩を叩かれたのがまたいらただしい。

(いやだから、振られてないから!)

まともな情報がない今、下手に動けば周囲の好奇心を煽るだけだ。
何より、むこうでマルシルが「だめだめ! 外野が首を突っ込んじゃだめよ! ここは見守らなきゃ!」と、両手を前に出して芝居がかったポーズを取っているのが目に入る。絶対に燃料は投下できない。

​「いまは、余計なことはしない方がいい」

カブルーはそう結論付けて、ひとまず静観することにした。
噂には踊らされない。自分の目で見たものだけを信じろと言い聞かせて。


9.

自らの目で噂を確かめる機会は案外早く巡ってきた。

​数日後、アカデミーに書類を届けに行ったカブルーは、廊下で思いがけない光景に行きあった。
​前方には、ミスルンとオーリス、そして教師らしきエルフの三人。教師とオーリスは旧知のようで、笑いながら楽しげに会話をしている。ミスルンは横でただ立っているだけだが、その場の空気に溶け込んでいた。

​(あれがオーリスか)

​他種族の年齢は一般にわかりにくい。他のトールマンから見れば、並んで立てば多少ミスルンの方が年上か、という程度にしか見えないだろう。しかし、エルフの国で育ったカブルーには、彼らのおおよその年齢が検討できる。オーリスは、ずいぶんと若い。百歳ぐらいか? パッタドルよりは上だろう。

(なんか、傲慢そうな顔のやつだな、絶対、他人に世話させるタイプのやつだろ。あんなやつがミスルンさんの世話とかできるとは思えない)

ミスルンがふと振り向いてカブルーに気づく。その時彼の見せた表情に、カブルーはショックを受けた。
​ミスルンは、カブルーを見てどことなく気まずげな顔をしたのだ。

​自分が彼を口説こうとしていると思われている状態で、新恋人と噂されている相手といるところを見られて気まずげにする?
どうせ何かの誤解だろうと思っていたのに、本当にそいつが恋人なのか? ​そんな若い、気の利かなそうな男と?――いや、待て。カブルーははっと我に返った。三十歳にも満たない俺の方が、ミスルンにとってはよっぽど「若い男」ではないか。
――でも俺は、あなたの分のパンだって切ってあげるし、食後のオレンジだって剥いてあげますし!

会話が終わると、立ち尽くすカブルーを尻目に、ミスルンは一刻も早くこの場を離れたいとばかりに、オーリスの背中に手を添えて踵を返した。
パッタドルが「隊長」と呼び止めかけた時――するり、とオーリスの手がミスルンの肩を包むように置かれ、軽く押して進路を変えさせた。

「どちらに行かれるんですか? 出口はこちらですよ」
ごく自然な誘導だった。ミスルンの方向音痴は、すでに把握されているらしい。

その様子が妙に親密そうに見えてしまい、カブルーは視線を逸らす。
(やっぱり、あいつに、ジャムと蜂蜜どっちがいいかとか聞かれたりしてるんですか……俺ならパンを半分に切って片方ずつ塗るけどな。サラダだってつけるし)

見たくない光景を振り切って、カブルーは足早にその場を立ち去った。その背中を、ミスルンがちらりと振り返る。
カブルーに気づいて挨拶しようかと手を挙げかけたパッタドルの姿は、視界に入っていなかったらしい。

​(おい、私もちゃんといるぞ……


数時間後、アカデミーの生徒たちから事の顛末を聞き出したマルシルが、机を叩いてくやしがった。

​「呼んでよ、私を!!」


10.

査察最終日の夜、パッタドルはオーリスに労いの言葉をかけた。

​「いよいよ明日帰国ですね。メリニはいかがでしたか?」

​オーリスはワインを傾けながら答える。
​「短命種の王が治める多民族国家……どんなものかと思っていたが、意外と発展していて驚いたよ」
​だが、続けて放たれた言葉は辛辣だった。
​「全体的には下品で猥雑だな。銀の都のような洗練にはほど遠い」

​そして、ふと疑問を口にする。
​「ところで、この地の人々は、やたらと私とミスルン殿の関係を詮索してくるが、どういうことなんだ?」

​パッタドルは眉をひそめ、事の経緯を説明する。
​「この国の役人の若者が、先日、ミスルン隊長に公衆の面前で花を贈りまして。それで民衆が盛り上がり……くだらない噂です」

「ああ、それでか」

オーリスは軽く笑い、続けた。

「胸の一輪を贈って告白するのはエルフの国ではよくあるのか?とも聞かれたよ。今どきそんなものは誰も気にしないと答えておいたが」

──そのやりとりを聞いて、パッタドルはやっと噂の「宣戦布告説」の真相を理解した。

​「そういえば、君はミスルン殿のことを『隊長』と呼ぶね」
​「あ、申し訳ありません。迷宮調査隊の時の癖で、つい今でも」

​「ああ、君たちはカナリアだったね」
​オーリスの口元が、少し意地悪く歪む。

​「いかに元カナリアいえど、ケレンシルの血を継ぐ方だ。そのような方が――短命種などをまともに相手などしないだろうに」

​パッタドルは静かに、しかしきっぱりと返す。

​「――そんなことはありません。私もこの地で様々な人種と親しく関わるうちに、彼らが、時に私たちよりずっと深く物事を考えていると知りました」

​「おや、感化されてしまったか」
​オーリスは、皮肉を込めた笑みを浮かべ、わざとらしく肩をすくめた。
​「短命種と深く関わった者は、大抵そうやって感化されていく。私も染まらぬうちに帰らなくてはな」

​ハハッと、まるで最高のジョークでも言ったかのように笑うオーリスのグラスに、パッタドルは無表情のままお代わりを注いだ。こめかみが引きつるのを感じる。

​「だが、君たちがこの地で現地の民衆と良好な関係を築き、我が国の印象を良くしたことは評価しよう。私も低俗なインタビューに快く答えてやって協力できたことを嬉しく思うよ」

(なら、共通語くらい使ったらどうだ)

「西方織の販路を開き、代わりにバロメッツウールの輸入を取り付けたことも大きい。――本当に、あの方向音痴を除けば、優秀な方だ」

(それはちょっと否定できない)

「本国には、良い報告ができると思うよ」

​「ありがとうございます」

――早く帰れ!


11.

​翌日、オーリスは帰国の途についた。大使館の庭には、久々の静けさが戻る。

​見送りはパッタドルに任せたミスルンは、庭の大岩の上に腰を下ろし、片手に押し花にした栞を持って眺めていた。
それは、カブルーから最初にもらった花だ。捨てることも、魔法で色を留めることもせず──ただ、時間を閉じ込めるように押し花にした。

​〈さとり〉に言われた自分の本心。《私を、愛して》──その気持ちは、今も自分の中に確かにある。

​(カブルーは、私を愛するだろうか?)

あの日、彼が真剣な顔で「お話があります」と言ったとき、もし本気で告白されたらきちんと断らなければと思った。
それが怖くて、逃げたかった。
断ってしまえば、彼はもう自分と過ごしてはくれないだろう。《失いたくない》。
あの心地よい時間までなくしてしまうのは……。​


だが先日、アカデミーの廊下で、彼は自分を見ないふりをして去っていった。

​(オーリスは、過去の私と同じような、典型的なエルフだ。短命種のカブルーにきっと何か余計なことを言う。彼を傷つけるような言葉は聞きたくなかった)

​だから二人が顔を合わせる前に、オーリスを立ち去らせようとした。なのに、カブルーはまるでミスルンなど目に入らなかったかのようにふるまった。

(私が、噂されているオーリスといたからか? 査察官の耳に、〈さとり〉の件が入らないよう、目を光らせていなくてはならなかったのだから仕方ないだろう。あの件は本国にも報告していないのだから)​

あんな若造一人のせいで、私はお前との時間を失わなくてはならないのか? その程度の気持ちだったのか?
苛立ちとさびしさが入り混じり、胸の奥がじりじりと焼けるようだった。

「私に花を贈ったくせに……なぜ来ない?」

独り言のつもりが、背後から声がした。

……今、なんと?」

振り返ると、オーリスを港まで見送って戻ってきたのだろう、大岩の下に薄い外套を着たパッタドルが立っていた。

そしてパッタドルは、それなりに付き合いの長くなってきた上司が口を開けたまま赤面して固まる姿というものを初めて目にした。


12.

すでに初夏の気配が漂い始めた午後。マルシルはアカデミー前でパッタドルを見つけると、まるで獲物を見つけた猫のように駆け寄った。

​「ねぇねぇ、パッタドルさん、何か知らない? ちょっと! ちょっとだけでいいから、話して!」

​マルシルがパッタドルの腕をとって、ずいっと身を乗り出す。瞳は好奇心にきらめき、耳はぴんと立っていた。

​「……何のことです?」
​「決まってるでしょ、ミスルンさんとカブルーのことよ! あのオーリスとかいう人が来てる間、あなたずっと同行してたんでしょ? 貴重な生の目撃者じゃない!」

​自分の存在がきちんと認識されていたことに喜びも感じるが、パッタドルはあえて眉を寄せた。

​「……隊長に無礼な妄想をしないでください」
​「妄想じゃないわ、ロマンよ! あの二人、絶対両片思いなんだから!」
​「絶対などと軽々しく……それに種族差を差し引いても、結構な年の差……
パッタドルが言いかけたのを、マルシルが手をバタバタと振って遮った。
「年齢差! ロマンよね!? 『ダル族』でも、主人公の叔母のウラネスの密かに想う相手が二百三十一歳年上なんだけど、せつなくて!!」

彼女の脳内では、すでに年齢差ロマンスというジャンルに分類されていたらしく、現実的な壁など最初から存在していないようだった。

​「それにほら、あのふたりの会議中に目が合ったときのあの間とか!」
​「目は合います。会議ですから」

​「あと、廊下ですれ違ったときの最近の微妙な距離感! あれ、絶対ライバル登場でぎくしゃくしてるんでしょ!?」
​「距離を取るのは礼儀です」

​マルシルの妄想は止まらない。
​「ほら、あの式典の花だって、あれ完全に告白の合図でしょ!」

​「それは……
(『……聞かなかったことにしてくれ』)
赤くなった顔を、広げた片手で隠した先日のミスルンの姿が脳裏を過って、​パッタドルは口ごもる。

​「偶然ですよ。胸の花を贈って告白なんて、だいぶ古い習慣で、今では聞きません。おそらくトールマンなら、そうですね……『君の作ったスープを、毎朝飲みたい』みたいなものです」

​マルシルはトールマンの中で育ったというから、トールマンの文化で例えたほうがいいだろう。パッタドルも他種族の文化に詳しいわけではないが、なんとかそれらしき例えを記憶の底から掘り起こす。

​「ええー、そうかなー。『ダル族』みたいでロマンチックだったのにー」

​「あと、オーリスはもう帰国しました。彼は本国から私たちの仕事を査定しに来た査察官なので、ミスルンと私が色々と案内しましたが、個人的な関わりがあったわけではありません」

​「え、じゃあミスルンさんの昔の婚約者が追いかけてきた説は?」
​「ありえません。むしろ、査察官には親しい人間は選ばれないのが慣例です」
​「ええー、なんだぁー」

​大げさに耳を下げるマルシルに、パッタドルはため息をついた。このハーフエルフの娘は、優秀で人が良く、素直で可愛らしい。パッタドルもどこか妹のように思っている。しかし、恋バナとなると目の色が変わってしまうのが玉にキズだった。

​「でもさぁ、少なくともカブルーは絶対ミスルンさんのこと好きだと思うのよね。カブルーって相手に合わせて、うまく距離をとるタイプなのに、ミスルンさんにだけ異様に近いじゃない!」

本当に、人は見たいものしか見ない。
最近では大使館の職員たちですら、「あのトールマンとミスルン様、どうなってるんだ?」と、ワクワクした目で話しかけてくる始末だ。――本国の者たちだったら、噂自体に眉を顰めただろう。でも皆この地で、短命種と深く関わった者たちだ。
聞かれる度に「種族の差を超えて、信頼関係を築いておられます」と返していたパッタドルだが、熱弁するマルシルを前にしていると、だんだん自信がなくなってきた。​

​(……もしかして、本当に両片思い……?)

​偶然聞いてしまった隊長の小さな呟き。
「私に花を贈ったくせに……なぜ来ない?」庭の大岩の上で、さみしそうだった。​あれは──間違いなく、彼の心の奥からこぼれた言葉だった。

​「……まあ、世間の人には、あまり勝手な想像を押し付けてほしくはありません」
​「勝手じゃないわよ、ちゃんと根拠が……
​「隊長が、本当に望むようになってほしいので」

​唇をとがらせていたマルシルは、一転して優しげに微笑んだ。

​「ん、そうね」

緑の瞳を金色のまつ毛がふわりと覆う。
​欲を失ったミスルンが、何かを本当に望むことがあるならば、そうなってほしい。
一時的にとはいえ、ミスルンと同じく迷宮の主になり、「髪の手入れをしたい」という欲を失ったマルシルは、あんなに毎日丁寧に手入れをして、凝ったアレンジをしていた自分の髪を、どうやって結っていたのか全く分からなくなった。
その喪失感が、人生全般に渡っているなら、それがどれほど大変なことかは想像に余りある。

​彼が、迷宮の主になりかけていた自分を止めようと言った言葉を思い出す。

(『それがどんなに空虚なことかお前にはわからないか?』)

​あの人は、あの時どんな気持ちで自分にあの言葉を言ったのだろう。
彼の空虚が、あの頃と比べて、ほんの少しでも埋まっているといい。

――そのためには、やっぱり恋愛するのが一番だと思うんだけど!

両拳をにぎって虚空を見つめ、​独り言のように呟くマルシルの様子を見て、パッタドルは決意を固めた。
隊長のあの言葉は、カブルーだけにそっと教えてやろう。

そうすれば、きっと何かが動き出す。