呪里
2025-09-25 21:42:18
3455文字
Public Code_Abyss 本編
 

episode:4 第一幕 〈不穏な空気〉



 数分後

 「そろそろ予鈴鳴るから戻るぞ」

 「うん!」

 先程までの悲しそうな表情が嘘のように、憐は満面の笑みで返事をした。

 「じゃあ、俺が先に教室戻るから、憐は少し遅れて来いよ?」

 「はぁ〜い」

 少し不貞腐ふてくされる憐の姿を後に、狂牙は屋上のドアを開け、教室に向かって歩きだした。

 (自分でも思った以上に多く喋っちまったな)

 脳裏によぎるのは、先程の会話。

 (あんなに話して良かったのか?俺と違って、憐は姐さんの所の構成員じゃないのに)

 狂牙は兄をおさとする組織〈災の眼〉に所属しているが、憐は違う。

 妹の身の安全の為に、呪里が憐の所属をこばんだからだ。

 (まぁ、これ以上を言わなきゃいいだけの話か)

 一歩一歩、歩く速度が上がっていく。

 表情は強ばり、周囲の学生達は、その圧に恐怖を覚えた。

 (俺は俺に出来る事をすればいい。全力で憐を支えて、守る。それだけだ)
































 彼は、二人は、まだ知らない

 兄から届く一通のメッセージ

 そこに書かれた内容を

 それは、憐だけでなく、狂牙にも

 危険が迫る事を知らせた事を