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呪里
2025-09-25 21:42:18
3455文字
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Code_Abyss 本編
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episode:4 第一幕 〈不穏な空気〉
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〈立てば
芍薬
しゃくやく
座れば
牡丹
ぼたん
歩く姿は百合の花〉
なんて言葉が世の中にあるが、それはきっと、彼女の為に作られたと言っても過言ではない。
「みんな、おっはよー!!」
元気良く発せられたその一声は、暗い雰囲気だった教室内を一気に明るくした。
「おはよう
葛城
くずしろ
さん!」
「おはよー!
憐
れん
ちゃん今日も超元気じゃん!」
クラスメイトからの返事を受け、葛城 憐もとい
魔島
まじま
憐は満面の笑みになった。
愛嬌
あいきょう
たっぷりの振る舞いや、誰にでも優しく笑顔で接する器の大きさ、更には文武両道と誰もが羨むスペックを持つ彼女は、学校一のマドンナとしての地位を確立していた。
わらわらと憐の周囲にクラスメイトの女子が集まっていく。
そんな光景を眺めながら、教室のドア付近には数名の男子が
群
むら
がっていた。
「はぁー
…
。葛城さん、今日も可愛いな
…
」
「な。まじで癒しだわ。天使
…
」
他の女子生徒には目もくれず、皆が憐に視線を向けていた。
そんな中
「おい、そこ邪魔」
低く重たい声が廊下から聞こえた。
男子達が振り返ると、そこには不機嫌そうにこちらを睨む一人の男が立っていた。
「げっ、
狂牙
きょうが
………
」
「げってなんだよ。ドアん所いられると入れねぇんだけど」
キッと目を細める狂牙に恐怖を感じた男子達は、一斉にドアの前から離れていった。
周囲の視線を全く気にせず、狂牙は自身の机の方へと歩きだす。
「うわぁ
…
。怖
……
」
憐の近くにいた女子の一人が呟いた。
「ねー。
煤臥彋嫘
すすがくれ
君って、誰とも関わらない一匹狼って感じするよね
…
」
一人、また一人と狂牙の事をヒソヒソと話す者が増えていく。
だが、そんな状況を憐は許すはずがなかった。
「
…
憐ちゃん、どうしたの?」
憐は無言で立ち上がり、周囲の女子達を丁寧に払いのけて、狂牙の所へ歩いていく。
狂牙の目の前に立つと、憐は先程と同じような笑顔で声をかける。
「狂牙くん、おはよう!」
狂牙は一瞬目を丸くしたが、すぐにフイっと視線を感じ逸らしてしまった。
「
……………
はよ」
狂牙から小さくではあるが返事が返ってきた。
憐の表情は更に明るくなり、あふれんばかりの笑顔で狂牙の机の前にしゃがみこんだ。
「ねぇねぇ、何見てるのー?」
「ちょっなんだよ
…
。何見てようが俺の勝手だろ
…
」
憐からの積極的なコミュニケーションにたじたじになる狂牙を、クラスメイト達は少し離れて見ていた。
「さすがだよなー憐ちゃん。あの狂牙も子犬みたいになっちまってる」
「煤臥彋嫘君も憐ちゃんには
敵
かな
わないんだねー」
狂牙は少し顔を赤くしながら、テレパシーで憐に話かける。
『憐
……
学校ではあまり話しかけないでくれって前々から言ってるだろ?』
『えー?そんなのつまんないじゃん』
『つまんないって
…
。俺と話してると、憐も変な目で見られるぞ』
『ほっとけばいいじゃん。私は狂ちゃんといたいからこうしてるだけだもん』
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる憐の顔は、狂牙以外には分からなかった。
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