うおっ、はつさき全国統一模試の2024年度過去問じゃん
…
◇◇◇
「そうだね、お正月だったら『初売り』とか...」
と、普通に会話を続けようとして、はたと気付く。
……好きな人の名前の、頭文字。
それで私の名前が出る、って。それって──
弾かれたように隣を見る。さきちゃんはしばらく不思議そうに私を見つめていたけれど、やがて何かに気付いたのか、「あ、」と小さく声を上げて。
「
……。そういえば、ゴミ出しがまだでしたわね。行ってきますわ」
ごまかすようにそう言うと、玄関に続く廊下へと消えていった。
リビングにはひとり、私だけが残される。
……いま、私には二つの選択肢がある。ひとつは、このまま何も気付かなかったふりをして、さきちゃんの帰りを待つこと。そうして、今まで通りの私達の関係を続けること。
もうひとつは──
「さきちゃんっ」
さきちゃんを追って、廊下に出る。視線の先、靴を履いたさきちゃんが、今まさに玄関の扉を開けようとしている。
髪の隙間から覗く耳が、遠目でも分かるくらい、赤く色付いているのが見えた。
付けっぱなしのテレビが、リビングで鳴る。
星座占いの続きが、遠くで聞こえる。
……誰かが言っていた。幸運とは、自分の手で掴むものなのだと。
なら、いま、さきちゃんに向かって手を伸ばす私のことを
……間違いだって、誰が言えるだろう。
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