能「隅田川」
人買いに我が子をさらわれたために心乱れた母は、我が子・梅若丸を尋ね求めて隅田川まで辿り着くが、渡守より梅若丸の死を聞かされる。嘆き悲しむ母が、塚の前で念仏供養をしていると、梅若丸の亡霊が現れるが、抱きしめようとしても触れることも出来ないまま、夜明けと共に姿を消す。(公演チラシより)
今回のお目当ての「隅田川」。前回観たのは金春流の「角田川」で、それはそれは素晴らしく涙を堪えるので必死だったので、今回もメンタル大丈夫かしら?とは思ったけど、結果的には大丈夫でした😅
⬇️金春流「角田川」の感想⬇️
https://privatter.me/page/686a9bd10909a
(金春流の方が直情的で、観世流は上品さがあるのかもしれない🤔)
でも文藏先生は、やはり素晴らしいシテ方でした。流石、人間国宝。流派の違いもあるとは思うけど、同じ演目でも全く同じ印象にならないのが、能の面白さ。
逆に言えば、初見で下手な先生(滅多に居ないとは思いますけど)に当たってしまうと、こんなもんか
…🥺となりかねないので、初心者さんにこそ名人の芸を観ていただきたいところ(我が推し様も上手い人の能を観て、と言っています)。
話を戻して
…
始まる時、能楽堂の雰囲気がこれまでに感じたことのないくらい重く、重く感じました。これは私の「隅田川」に対する思い入れが強すぎるからなのだとは思いますが、悲劇ですからね。徹底的に悲劇。これから悲劇が描かれる重さ
…。
それでも、ワキの欣哉さんが登場した時は、長袴を履いていても、摺り足が美しいのが伝わって来たので流石だ🥹✨と、うっとりしておりました。
そして、こちらもお囃子の御三方の技術力の高さには痺れました。先ほどの重い空気が緩和され、霧がうっすらと晴れていくような感じがしました。
そんな中、揚げ幕の向こうから「おまーく(意外と普通のトーンでした)」の声が聞こえてきて、文藏先生が登場する訳ですが、出てきた瞬間、オーラがまさに心ここにあらずな儚さで包まれていて、子を失った母親そのものでした。
てか、どのシテ方さんもココまでは同様なのですが、、、
文藏先生の場合は、風が吹いたら、そのままタンポポの綿毛のように飛び散って消えてしまいそうな存在感でして
…🥺
こうなると文藏先生から目が離せなくなります。てか、いつもこうです。その役に合わせた存在感の凄さに心奪われてしまうのです。ついでに眠気も吹き飛びます(前の席の人は寝てたけど😂苦笑)
後半、狂女が亡くなった子どもの話を聞いて涙した瞬間、感情を表したことで、それまで虚ろだった狂女の中に血が通い、彼女の心が現実に帰ってきたのを感じました。
そして嘆き悲しむ姿は、奇跡はそう簡単には起こらないのだという無慈悲な現実を突き付けられた気がして、そのリアリティさにこの曲の奥深さを感じました。
それでも、泣きの型「しおり」を行う姿は美しかった
…。
能楽の様式美も忘れてはいなかった
…。
能面が涙で濡れているように見えました
…😢
そして橋掛かり側から見ていたので、最後の去り際を見送る時は、このお母さんは、これからどうやって生きていくんだろう、どうやって生きていけば良いんだろうと、それだけが気になりました😢
一方、欣哉さん演じる渡守も、最初は圧が強い態度だったけど、狂女が亡くなった子どもの母親だと分かってからの寄り添い方が慈悲深くて凄く良かったです🥲
更には宗家が地頭を務める地謡の、シテに寄り添うようなしっとりとした「南無阿弥陀仏」の謡も胸がキュッとなりました🥺
子方も、今まではより幼い子が演じていた為か、出番が来る直前に切戸口から塚にこっそり移動していたパターンが多かったのですけど、今回は最初から塚に入って待機して、しっかりと自分の務めを果たしていて立派でした🥹
今回はまさにドリームチームな隅田川でございました✨
観に来て良かった😭
てか益々、文藏先生のファンになってしまって、次に文藏先生の舞台を観れるのはいつの日か
…と思ったら、当分無さそうなので、私はそっちを嘆きたいよ、おおん😭苦笑
(更に次頁へ続く)
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