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万丈
2025-09-03 14:07:55
5297文字
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小説
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好敵手
【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
インドラ×ミトラ【第1話】
もう完全に捏造オンリーな、神将候補生時代のインドラ様とミトラ様BL時空ですよ!
今までの話と矛盾してても気してはいけない。このシリーズしばらく続きます。
次の話→
雨宿りと、触れたい衝動
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第三章:幻帝の弱さ
十二羅帝としての務めは、多忙を極めた。
特に、知略と幻術を駆使するミトラの元には、大規模な結界の構築や、広範囲にわたる索敵任務など、精神力を要求される高度な依頼がひっきりなしに舞い込んでいた。
彼はいつものように、涼しい顔でそれらを完璧にこなしていく。その姿は、あまりに頼もしく、揺るぎないものに見えた。
だから、私、インドラは気づいてやれなかったのだ。彼の繊細な精神が、静かに限界を迎えつつあったことに。
その日、ミトラは朝から顔色が悪かった。私が声をかけても、「少し考え事をしていただけだ」と笑うだけだった。
夕刻、任務の報告のために彼の私室を訪ねた私は、信じられない光景を目にした。
部屋の床に、ミトラが倒れていたのだ。
「ミトラ!」
駆け寄りその身体を抱き起こすと、尋常ではない熱が伝わってきた。呼吸は浅く、苦しげに眉を寄せ、閉じられた瞼が微かに震えている。
すぐに医務室へと運び込むと、診断は「幻術の連続行使による、極度の精神疲労」というものだった。肉体そのものは傷ついていないが、精神が肉体との連携を拒絶している状態。回復には、ただ安静にするしかない、と。
私は、自室の寝台にミトラを運び、看病を始めた。
濡れた手ぬぐいで熱い額を冷やし、乾いた唇を湿らせる。公務は全て他の者に代わってもらい、ただひたすらに、彼の傍に付き添った。
夜が更け、月明かりが部屋に差し込む。
眠るミトラは、いつも私を支えてくれる冷静沈着な智将の面影はなく、ひどく無防備で、弱々しく見えた。
時折、悪夢にうなされるのか、苦しげな呻き声を漏らし、子供のように私の名を呼んだ。
「
……
インドラ
……
」
そのか細い声を聞くたびに、私の胸は締め付けられるような痛みを覚えた。
私は、彼の冷たくなった手を、両手で包み込むように握りしめた。
こいつは、いつもそうだ。自分の限界を隠し、涼しい顔で私の隣に立つ。私が前だけを見て突き進めるように、全ての障害をその知略で取り除き、全ての重圧をその繊細な肩で受け止めてくれていた。
私は、それに甘えていたのだ。
「
……
私が、こいつを守らなければ」
その想いは、相棒としての責任感を超えていた。
もっと個人的で、切実で、腹の底から湧き上がってくる、どうしようもなく強い感情。
この男を、失いたくない。この穏やかな寝顔を、私が守り抜かなければならない。
数日が過ぎた朝、ミトラがようやく意識を取り戻した。
ゆっくりと開かれた紫の瞳が、ぼんやりと私を捉える。
「
……
インドラ?」
「気がついたか」
安堵のあまり、自分でも驚くほど優しい声が出た。
ミトラは、自分が倒れていた間のことをおぼろげに覚えているのか、気まずそうに視線を逸らした。
「
……
すまない、迷惑を、かけたな
……
」
「馬鹿を言え」
私は、起き上がろうとする彼の身体をそっと支え、枕元に用意していた水を飲ませてやる。
ミトラはこくりと水を飲むと、私の顔をじっと見つめ、そして、無防備な、子供のような笑顔で呟いた。
「
……
お前がいてくれて、よかった」
その一言が、雷鳴のように、私の心の奥深くに突き刺さった。
胸を満たす、この温かく、切ないほどの感情は、一体何なのだろう。
ミトラが回復した後も、私は何かと彼を気にかけるようになった。
訓練で無理をしていないか。顔色が悪くないか。書物に没頭しすぎて、また眠るのを忘れていないか。
「少し過保護すぎるぞ、インドラ」
ミトラは苦笑するが、私のその変化を、どこか嬉しそうに受け入れていた。
私自身も、自分のこの過剰なまでの執着が、ただの友情とは少し違うものであることに、気づき始めていた。
その感情の正体に名前をつけるのが怖くて、私はまだ、気づかないふりをしている。
だが、ミトラの隣が、私の唯一の居場所なのだということだけは、もう疑いようのない事実だった。
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