kanaco
2025-08-23 00:09:28
10116文字
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【四信/A信】信仔と信信の四仔アタック大作戦

《四信/A信》四仔に恋している信仔(映画ンヤ)が、魔法の耳飾りの力で出会った信信(原作ンヤ)に励まされて四仔に告白しようとするおはなし。主役は映画ンヤ。AVは登場せず、原作ストーリーについて言及ゼロにつきネタバレはないかと思いますが、キャラクターには触れているのでご注意ください。


陳洛軍は目の前で繰り広げられた展開に戸惑い、心底困ったように眉を下げた。

それは正に突風であった。恥じらう風は一気に吹き抜けてその場所を荒らし、逃げるように去ってしまった。そんなあっという間の出来事。その場に残されてしまった洛軍はどうしてよいか分からず、同室に残された他の2人の男を交互に見る。

「十二。なんだったんだろう、あれは。新手のピンポンダッシュだろうか」

洛軍は一部始終を見て息ができないほどに笑い、抱腹絶倒を経て床に転がった十二に話しかけた。というのも、信一の奇襲(にしか洛軍には思えなかった)を受けて、完全に機能を停止してしまった棒立ちの四仔よりは、まだ返事をしてくれそうだったからだ。

十二はヒィヒィと苦し気に呼吸をしながら顔を上げた。笑うというよりもはや泣いている洛軍の友人は、それでも洛軍が至極真面目に心配しているだろうことを理解して、自分も顔と精神を整えて真面目に返そうとして直ぐに失敗した。この状況でどうしてそんな真面目な顔ができるんだ、お前もお前でマジか、と言わんばかりに笑い続けている。

十二もダメだと見限った洛軍はもう一人の友人を見たが、いつも落ち着いてる大人な友人は今だ全てを固まらせたままだ。やはり十二以上に正気に戻る希望が見いだせなかった。二進も三進もいかない。洛軍が「ムムム」と口を尖らせた辺りで、ようやく落ち着いた十二が話しかける。

「何を思って信一が奇行に走ったか知らねぇけど、片足を深く踏み込んだ勇気は称賛してやってもいいんじゃねぇの」
1時間前まではアイツ普通だったんだけどなぁ、と十二がニヤニヤした。
「っていうか信一のヤツ、あんなことして四仔がこの場で盛ったらどうするつもりだったんだろうな」
「もしかして俺たちが目に入ってなかったか?」
「この狭い診療所で?まぁ、随分と切羽詰まってたみたいだったからな」
十二の肯定に洛軍はウンウンと頷いて、もう1人の友人の心配をする。
「四仔は大丈夫なのか。固まったまま動かないが」
「大丈夫だろ。見ろ洛軍。男の悲しい性を感じる、あの満更ではない顔をよぉ」


好きなヤツに迫られて見惚れていたら、斜め後ろからぶん殴られたもんだから宇宙熊になってるだけだろ。なんせ、両方が揃って足踏みしている万年両片思い野郎どもだからさ。これくらい破天荒な方がいい。このまま信一の奇行が四仔をKO負けさせるか、四仔の鬼のような理性が防衛勝ちするか見ものじゃん。


「超おもしれーから手は出さねぇでおこうぜ、洛軍」と他人事のようにケラケラ笑う十二を見て、呆れたような顔をしながらも自分も少しだけワクワクしている洛軍であった。