さつま
2025-07-08 19:21:05
3862文字
Public 🍶🟦
 

【こばなし】🍶🟦

みじかいの
子供の頃に🥈さんに鍛えられ、まだ若い🍶をぶち負かして船に乗せられた年下女。男として振舞ってたから、色々育つまで男だって思われてたってそんな定番な。🎤ちゃんは生きているよ。



随分近くに落ちたな。シャンクスがそう思ったと同時に、船内に繋がる扉が勢いよく開かれた。
それが誰かだなんて気配で分かっていた為、受け止めてやろうと振り返り、手を広げ……るより先に、飛びついてきた女性に甲板へと叩きつけられる。
雷が怖いとは言え、ここまでの勢いは初めてだ。余程怖かったのだろうと、抱き返し宥めてやる為に右腕を細い背に添えた。

(しかしこれは)

シャンクスの頭を覆うように回された腕、顔に押し付けられている柔らかな感覚に、役得と一瞬思った自分を頭の中で殴った。この右腕が震える背を撫でていなければ、実際に殴っていたことだろう。

(守られている)

いつぞやに聞かせてもらったが、彼女の親は雷に打たれて亡くなったのだと。弱々しい声で話してくれたのが印象強く、今でも鮮明に思い出す。
だから雷が怖いと話してくれたというのに。それなのに、失いたくないと思ってくれているのだと、恐怖に勝るほどに想われているのだと。

(そうか、守ってくれるのか……

ぎゅうと胸が締め付けられる感覚を、一旦隣に置いておき、既にお互い雨でびしょ濡れではあるが、シャンクスは己のマントを掴んで引き寄せ、女の体を包むように抱きしめ、雨を遮る。

「ありがとうなァ。悪かった、もう中に入る。大丈夫だ……大丈夫」

優しく声を掛ければ、抱きつく腕の力が弱まった。そうして腹の力だけで体を起き上がらせれば、合わせて彼女の体も重力に従って落ち、胡座をかいた男の足の間にすぽりと収まった。
はだけさせているシャツに触れる細い指先が冷えているのは、雨だけのせいではないことをシャンクスは理解していて、眉を下げる。
二発目の雷が落ちてこないうちにさっさと船内に戻ろうと、腕の中の存在を抱えあげ早足で開きっぱなしの扉を潜った。

「スネイク、早めにここを抜けてくれ」

「既に進めてるぜ」

「流石だ」

風呂場へと向かう途中で出会ったスネイクに、この海域を早く抜けるよう頼めば、返ってきたのは満点以上の答え。で、あれば不安要素はもう無い。後はひたすら腕の中の愛しい存在を、落ち着かせることに集中すればいい。

「もう安心だ。直ぐにここから離れよう」

撫でてやる手が塞がっている為、唯一マントに包まれていない頭に頬を擦り寄せる。ついでに鼻先で髪を掻き分け、見えた額にあやすようにキスをする。少しづつではあるが震えが落ち着いてきた彼女は、小さく頷きいよいよマントに全てを隠すよう頭を下げた。
それを手伝うように、マントの端を噛んで引き上げたシャンクスは、一言二言スネイクに再度声を掛け、本来の目的地である風呂場へと足を進めた。