さつま
2025-07-08 19:21:05
3862文字
Public 🍶🟦
 

【こばなし】🍶🟦

みじかいの
子供の頃に🥈さんに鍛えられ、まだ若い🍶をぶち負かして船に乗せられた年下女。男として振舞ってたから、色々育つまで男だって思われてたってそんな定番な。🎤ちゃんは生きているよ。

シャと主と赤子ut

船内に響く泣き声に、男たちは「どうしたどうした」と集まり始めた。
厳つい男ばかりのこの船の中には、似つかわしくない赤子の甲高い声。実に異様である。

「あー、ほらほら、泣くな泣くな……なんだァ?腹減ったか?眠いのか?……まさか、おしめじゃねェだろうな」

体を小さく上下に揺らし、腕の中の赤子を泣き止ませようと奮闘するその人物は、この船の船長である。威厳なんてものが感じられぬその姿に、集った男たちは口を綻ばせた。
見てないで助けろと睨むお頭に、周りは肩を竦めるばかりである。

「飯はさっき済ませたし、その前には寝てた、おしめも交換したってなりゃ、俺らじゃどうにもできねぇよ」

前に立ち寄った街で買った、育児の本に目を通す船医は、どうしたものかと首を傾ける。

「そういや、あいつはどうした?」

「ウタの飯の前に寝たところだ」

「あー……」と一同は肩を落とす。
彼女には子守りの経験があった分、随分と頼ってしまっている自覚は、この船に乗る全員にある。故に折角休めたのを起こすのは、余りに酷だろう。できるはずも無い。
しかし、一番懐いている船長がダメとなれば、もうお手上げだ。どうしたものかと赤子の泣き声をBGMにしていれば、扉の開く音がした。

……なに、どした」

そこに居たのは、つい先程眠ったばかりと聞いていた、この船唯一……だった女が一人。
目をしょぼつかせたまま、覚醒しきっていない重い足取りで、赤子の側までやって来た。

「どうした?今は親父の気分じゃないか?」

びゃあびゃあと叫ぶ小さな海王類……とも呼べそうな荒ぶり方に、女は困ったように笑う。仕方ないなぁと、男の腕から渡して貰い、その背を優しく叩きながら、体を揺らす。
少しずつ小さくなっていく泣き声に、赤髪はホッと息を吐いた。

「悪いな、折角休めたのに」

「いいさ……でも、ウチが寝落ちて落としたら困るから、ウタが寝付くまで誰か近くにいて欲しい」

くありと大きく欠伸を零した女の言葉に、男連中の視線が船長に集まる。
言われなくとも、と露骨に嬉しそうな顔をした我らが船長に全てを任せ、各々は自らの仕事へと戻るのだった。