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呪里
2025-03-10 21:40:56
4141文字
Public
Code_Abyss 小話
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〈何歳になっても怖いから〉
呪里と類の二人が遊園地に行った時の小話です。
1
2
3
「すごかったね。コーヒーカップって本気でやるとあんなにぐるぐる回るんだ」
『ね!調子に乗って回しすぎちゃった
…
もう髪がぐちゃぐちゃだよ♪』
ある週の土曜日。呪里と類は隣県にある遊園地に来ていた。
事の発端は今から三日程前の事。呪里は妹の
憐
れん
から今いる遊園地のペアチケットをもらっていた。
姉妹水入らずで行こうと呪里は提案したが、残念なことにチケットが使える土曜日に憐はある番組のロケ撮影が入ってしまっていた。
せっかくのペアチケットなのだから、Abyssの誰かを誘おうと、たまたまその日が非番だった類に声をかけたのだった。
「しっかりセットしたのに、類の髪すごいことになってるね。特に前髪」
『や、やっぱりそうだよね?!うぅ
…
』
二人とも初めて乗ったコーヒーカップで、どれくらいの速さで乗るのが正解か分からず、全力でハンドルを回したようだ。
普段から呪里の髪はぴょんぴょんと色々なところが跳ねているが、今はボサボサというレベルにまでなっている。
類も右目を隠すように前髪が長く伸びているが、乱れたり跳ねたりして左目に刺さってしまいそうだった。
『さすがにみっともないよね。ちょっと
御手洗
おてあらい
に行って整えてくるね』
「うん。じゃあそこのベンチで座って待ってるから、行っといで」
類は駆け足で御手洗に向かって行った。
(
…
ふぅ、ちょっと休憩)
呪里は通りから外れたベンチに座り、一呼吸ついた。
じーっと前を見つめていると、子連れの家族やカップル、何人かの友人同士で来ている子達など、色々な人が笑顔で自分の前を通り過ぎていく。
みんな楽しそうだった。
(いいねぇ
…
みんな幸せそうな顔してる。いいことだ)
呪里は周りに気付かれないくらい小さくうんうんと頷くような仕草をした。
すると
「すみませんお姉さん!ちょっとお時間いいですか?」
ピエロの格好をした一人のキャストが声をかけてきた。
「
…
はい?なんでしょうか」
「今新アトラクションの特別キャンペーンをやっていまして、お姉さんにこれを差し上げます!」
そう言って、小さなしおりサイズの紙を二枚呪里に渡した。
「
…
二枚?」
「はい、もう一枚は先程まで一緒にいたお兄さんの分です」
「なるほど、ありがとうございます」
「そちら新アトラクションの優先券となってまして、ランダムでゲストの皆さんにお配りしてるんです。アトラクション前に控えているキャストにお渡ししてくださったら、すぐにご案内できますので!では、私は失礼します!引き続き楽しんでいってくださいね!」
キャストは足早に去っていった。
(
…
で、なんのアトラクションだろう)
呪里は裏返しになっていた優先券をめくってみた。
――――――――――――――――――――
『お待たせボス!御手洗の水道の所すごい人で時間かかっちゃった
…
!』
「大丈夫、遅いなって思ってないから」
キャストが去った数分後、類が帰ってきた。
『あれ、その紙なぁに?』
「あぁこれ?類がいない間にキャストのお兄さんがくれたの。新しいアトラクションの優先券だって」
『へぇ!ラッキーだねボス!ねぇ、せっかくだし、次はこの券のやつ行こうよ!』
「え」
『ほらほらー、行こ!』
「
…
そうだね、行こうか」
呪里はあえて類に優先券を渡さずに、新アトラクションの場所に向かった。
『どんなアトラクションなんだろー?ジェットコースターかなぁ?メリーゴーランドかなぁ?』
類は呪里と手を繋ぎながら、満面の笑顔で次に行くアトラクションの予想をしていた。
呪里のどこか気まずい表情に気付かずに
(ごめんね
…
類)
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