『私たちの思い出を。夢を叶えた瞬間を。辿ってくれてありがとう』
「
……」
『あなたと一緒に滑れて、とても楽しかった!』
「
……ああ。オレもだ」
ネモフィラの意識は、無情で冷たい終わりの光景から、希望溢れる夜の世界に戻ってきていた。
「お前らの最期も、幸せな思い出も、絶対忘れない」
そう口に出して、スケーターと向かい合い、同時にお辞儀する。
二人が零した光の涙が、氷の上に落ちる。
その響きは、円形劇場を満たす大歓声と花火の音で掻き消えた。
《了》
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