【#深淵覗きの断章】夢叶えし者の、終わりの話

“交信”の能力を持つ星の子『ネモフィラ』と、夢見の町のスケーターの、不穏寄りな短いお話。
ふせったーに掲載していたものの加筆修正版となっております。

⚠原作の諸要素に対する独自解釈・捏造・オリジナル設定あり⚠

Fanmade by チーバオ(QiBao)
#sky創作 #sky二次創作


 峡谷にて、夢見の町と隠者の峠が見いだされた頃。
 ネモフィラは、町に遺された『若きスケーター』の物語を辿るにつれて、その姿に既視感を抱くようになっていた。
「アイツとよく似た思念ヤツ……どこかで、見た気がするが……

 最後の物語が明かされた日、究極の贈り物の由来を知ったネモフィラは、急ぎ峡谷の交流広場に戻って不死鳥のケープを身にまとった。





 かの子は再び夢見の町へと駆け出し、ダイヤ仕掛けのリフトを使って円形劇場へ向かう。
「オレが着てるこのケープが、スケーターの衣装の“模造”であったとしても……オレ達星の子は、アイツをずっと見守ってきた案内人から、アイツと同じようにこれを授かっている」



 祭壇の蝋燭に火を灯した後、ネモフィラはスケーター像を見上げた。
「もしそうなら……案内人の思念やアイツの思念が、少しでも宿ってるかもしれねえぞ」

 瞑想後にたどり着いたのは、小さな町のスケーターが夢を叶えた日の、思い出の世界だった。
 遥か昔の月夜の下、無数のライトや花火に彩られ、観客たちの歓声を浴びて。
 ネモフィラとスケーターは共に滑り、リハーサルの記憶を思い出しながら演舞を楽しんだ。

 そして、夢幻の共演を終える寸前。
 ネモフィラは不死鳥のケープに宿る思念と“交信”し、那由多の光景ヴィジョンの奔流へ飛び込んだ。