ろころころ
2025-06-02 17:46:28
12413文字
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pk擬/小話詰め②

自宅単品もうちよそ要素も混じってます



ピンクの悪魔/ザシキオ+‪α


「あれもぴんくこれもぴんくみんなみんなぴーんく」


カツン、カツン──────


「せかいぴんくうちゅうぴんくぴんくぴんく
──────ぴんくばん!!!」



べちょお



「いやぁぁぁぁああ!!!」
「うわ、なんですか騒がしい」
「うっう」

グロリアは飛び起きた。それはもうミミッキュのかげぬいぐらいの勢いで。

「はぁっはぁっ…………ゆ、夢………いえ、悪夢よ。これは悪夢ね。ダークライの仕業でしょう。許しません」
「完全にとばっちりな気がしますね」
「うっう」

今日の夢は、今までグロリアが見てきた夢の中でも飛び抜けて悪夢ポイントが高かったと言えよう。

歌いながら迫り来るピンクの悪魔マホイップ
グロリアは彼女に追いつかれまいと必死で足を動かすが、夢特有の謎現象でいくら足を動かしても思ったように前に進めない。

カツン、カツンとヒールなんぞ履いてないはずなのに聞こえるのは迫り来る足音。

──────そして遂に、悪魔はグロリアに追いついた。

鼻を擽る甘ったるい匂いに後ろを振り返ったその時──────


「クリームが叩きつけられてそこから先は言えない。言えないわ。くっザシアンのプライドに掛けて腹立つほどにセンスのないデコレーションをされただなんて言えるわけないでしょう!?」
「全部出てますよ。とびだすなかみに特性変えてはどうです」
「うっう」

マホイップ。それはガラル地方を代表するフェアリーポケモン。可愛らしく美味しそうな外見は多くの人々に愛されるが……グロリア達のよく知るマホイップはそんな可愛らしい存在ではなかった。

彼女の名はルチェ。
かわいいものをこよなく愛す彼女が最も好んでいるのがピンクだ。そう、ジムリーダーにもピンクをこよなく愛すBBAがいた気もするがあれの後継者かと言わんばかりにピンクを推してくる。そして──────

彼女は、ピンクとは反対の色合いとも言える"青"を嫌っている。それはもう異常な程に。
青信号を見れば「寒色如きが私に命令するな」とブチ切れ、青系のポケモンを見れば怒涛のウールーの如く追い回す。

それが"ルチェ"という女だった。


「あの悪魔が来週には上陸してしまうなんて本っ当に恐ろしい青を代表する伝説ポケモンの私もそうですが、何よりも心配なのは……そう、キオンのことです。彼女はあの悪魔の邪悪さを知らない。きっと彼女が差し出すスイーツの甘い匂いに誘われ近寄り、襲われるに違いないわ!」
「貴方達、はがねタイプですよね?」
「うっう。うっううっう」

キオンが襲われないようにするためには、やはりグロリアが彼女を守るしか無かった。とはいえ下手に近寄れば殺られる。ここには庇ってくれた赤い伝説代表の弟もいない。

「そこで、ガラルのリーダーとして貴方に命令します。あの悪魔を遠隔から仕留めるのです」
「いやリーダーなんですからそこは自分で行ってくださいよ。そもそもここに集まってる面々は"ガラル地方の青いポケモン"ですよ?戦力外です」
「ガラルの問題はガラルで解決すべきでしょう?ガラル地方の選手でポークと言えば貴方以外に誰がいるって言うの?ステルスだって使えるでしょう?」
「そのポークはヒーラーに強く出れないんですよ!相性勉強し直してきてください!そんなんだから今期の勝率5割切るんですよ貴方は!」
「うっう?」

そんな中、ウッウが何かを加えて差し出す。

「なんですかウッウ先輩…………こ、これは!」
「何よ?」
「ホロウェアエフェクトスプレーですよ、ザシアンさん。これをホロウェアにかけるとピンク色に光り輝くようになるんです」

ホロウェアエフェクトスプレーは、言ってしまえばただのお飾りだ。しかしそんなスプレーがこのように戦力になる日がくるとは。

「流石はウッウ先輩、目の付け所が違いますね」
「うっう」
「なるほどね……ならばこれを掛けて行きなさい」
「ちょっと待ってください、なんで私が行く流れになってるんですか。私がかけたって姿見せないんですから意味無いでしょう。ザシアンさんが掛けて行ってください」
「嫌よ。私は万が一の不意打ちのためにキオンの傍にいなきゃいけないもの。それに貴方と悪魔にはあって私には無いものがあるでしょう?」
「品性ですか?」
「キョダイマックスよ」

キョダイマックスマホイップ。ああなってしまえば最悪だ。青い存在を見つければ無差別にクリームという名のデコレーションを投げつける化け物と化す。その姿はもはやスナイパーだ。

「キョダイマックスした彼女は、貴方よりもスナイパーよ」
「嘘でしょう?それなら私よりスナイパーっぽい名前なのに私よりスナイパー要素が無いジュナイパーさんはどうなっちゃうんですか?」
「うっう
「いいかしら。キョダイマックスを切れば貴方は彼女よりも大きくなれるでしょう?彼女がクリームを飛ばせるのは自分の下にいる相手だけよ。だから、自分より上の位置にいる貴方には飛ばせない」
「大分暴論じゃないですか?」
「つべこべ言わずキョダイマックスを吐きなさい!!!つべこべ言わず!!!」
「ぐえっ、ちょっ胸ぐらを掴まれて強烈なパンチはやめてください!ぱ、パワハラですってこんなの!」
「うっう」


結局、マホイップ対策は特に進展しなかった。
その日の夜、愛するキオンが食べていたデザートを見て発狂したグロリアがいたとかいなかったとか。

Fin