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沁月
Public
ウ教×ハ♀ 両片想い 読み切り
揃いの恋紐は密やかに
MHRウ教×ハ♀。
両片想い。
紐は恋と想いの象徴。
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2
3
いつもと同じ
碧天
へきてん
と、お日様。里のみんなの、元気な声。
視線を交わせば「おはよう!」と清々しい、いつもと同じ挨拶。
良かった、気付かれてない、と私はほっと息を吐く。
今、私の後ろに並ぶオトモたちさえ分からなかったのだから、当然といえば当然か。
今日、装備品に結び直して取り替えたばかりの
真朱色
しんしゅいろ
の
組紐
くみひも
と
下緒
さげお
に、少しだけ触れて、思わず笑みが溢れた。
大切な想いを込めた、大好きなあなたとお揃いの色、結び方をした組紐。
あなたには毎朝、集会所の同じ場所で会える。
私にとって、それは本当に楽しみで。
「おはようございます、ウツシ教官!」
「おはよう、愛弟子! 今日も良い天気で狩猟日和だね!」
あなたの笑顔と元気な挨拶に、私の目元も口角も甘く蕩ける。今日は何処の、何の狩猟にとか、ありふれた愛しい世間話の時間。
その狭間で、私は密かに胸を撫で下ろしていた。気付かれていない、と確信した刹那、大好きなあなたの屈強な指が、私の装備品に向けて伸びてくる。
強くて優しい指先が、取り替えたばかりの、真新しい真朱色の組紐に触れた。
「──この色、俺と、同じだ。ふふふ、嬉しいなぁ
……
」
まさか。
誰も気付かなかったのに。
愛しいあなたの低声は、私の心臓を甘く、激しく震わせる。
「き、気付、い
……
!?」
情けなく呟く私は、驚喜と、愛しさで、はちきれてしまいそう。
あなたの双眸は、とても優しい三日月を描き、私を優しく見つめてくれて。
「組紐を取り替えるほど、長く狩猟して
……
強くなったね、愛弟子! さあ、今日も頑張っておいで!俺はいつでも、キミを見守っているよ!」
あなたの声は、言葉は、眼差しは、気付きは、私の命の炎を猛らせ、恋に震える心を包み込んでくれる。
「──行って来ます! ウツシ教官っ!」
あなたは、何でも気付いて、お見通し。
だから、もしかしたら、この気持ちもいつかは筒抜けに。
──そうなる前に、伝えられますように。
恋色をした組紐に、そっと触れながら。
私は今日も狩場へ駆ける、炎色した
恋風
こいかぜ
となった。
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@acadine
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