超せかちゅ2025の新刊の話など

2025/5/3(土)スパコミday1内超世界中のchu‼2025にて発行した新刊の話

1p 氷旅行手記(オリジナル扱い)の感想と書式設定
2p 新刊の裏話や設定
3p 書式設定





*氷旅行手記

※本体に書き忘れてましたが、「無断転載・複製・オークション等への出品を禁止します。」

旅行前から旅行記を書こうと思って準備していたものです。
私は家族に同人誌を隠してない(というか同類)のですが、さすがに読まれるのは恥ずかしいので中身は見せてなかったのです。たまには読ませてもいい文章を書くかと……。あと、あとがきにも書いたように以前の旅行の記録はすっかりさっぱり失くしてしまったので、ちゃんと残しておこうと思ったのです。
本文は旅行中のメモ書き(これで二万字ほどあった)を文章に起こして、一か月半で書いています。10万字ははるかに超えているので、どうかしているとは自分でも思いました。

自分自身はたいして面白いヒトではないと思っているのと、エッセイ的な文章は初めてだったので、書きながら悩みはつきませんでした。ふつうに恥ずかしいです。世の作家というのは、とくに私小説に分類される話は「自分自身を解剖している」というように語られることがありますが、まさにそれを直に感じています。小説はどれだけ非道で残虐でも、常識はずれであっても、「フィクション」で押し通すことができますが、エッセイは作者自身なので、もし作品の出来を否定されたら自分の人格否定に感じられるでしょう。まさに「頭の中を覗かれている」気分です。自分で読むぶんには楽しいですが、他人に見せられるものかどうかは常に迷いっぱなしでしたし、いまもおびえています。
とはいえ、私の考えごとは私の人格だけでなく旅行中の行動原理にもとづくので、避けて通ることができないものでした。とくに歴史、政治、観光事業の盛り上がりと弊害、あまり触れてはいませんが人種について、どれも解釈に正解がないもので難しいところですが、私なりに考えをめぐらせてみています。私は頑固に固執してしまう悪癖があり、そして重たく厭世観があるので、ふだん、ネット上ではあれこれ喋ることはしないようにしていますが、本書においてはなるべく「主観的」になるように(つまり、世間一般の意見でなく自分の価値観として)触れています。私の主なスタンスは、旅行先にとっては異人であること、世の理には真理はないがその時代に求められるふさわしいふるまいがあること、です。
なるべく事実をもとにした客観と私の考えを主軸にした主観にわけて書きましたが、成功しているかどうかは微妙なところです。旅行記と呼ぶには愉快な一面は少ないでしょう。面白くても、そうでなくても、ある日本人の眼を通した旅行の風景、それらをまとめた個人の手記とみていただけたら幸いでございます。

オリジナル扱い個人的手記ということもあり、ぎりぎりの数+余分で刷ってましたが、イベントと通販合わせてめずらしくその日に完売しました。なんでかはわからない。面白がってもらえた……のだろうか……
今回は100%自分のために書き、そのため内容が小難しいものになったので、価格を抑え目にしています。普通はこの価格設定にはしないもんだと思ってください……。次があるとしたら価格上げる。
読んでみてほしかった相手の一人、私の祖母は「面白くてあっという間に読むのがもったいない」と最初の20pを読んで評してくれたので、多少は救われた気持ちです。




氷旅行手記
タイトル:北の果てにある島
印刷所:ワンブックス
使用ソフト:Word

〈カバー〉
用紙 b7トラネクスト86.0kg
カラー フルカラー印刷
PP加工 クリアPP

〈表紙〉
用紙 上質紙(しらおい)180kg
カラー フルカラー
サイズ A5
製本 無線とじ製本、左綴じ(横書き)

〈本文〉 
用紙 ソリストミルキー56.0kg
カラー フルカラー印刷
遊び紙 紀州の色上質最厚口あじさい

文字方向 横書き
段数 1段
文字数 41字(字送り7.95pt)
行数 32行(行送り13.8pt)
余白 上21mm、下36mm、内15mm、外15mm、とじしろ7mm
ヘッダー 11mm
行間 固定値、16pt
※用紙サイズ 154mm×216mm(塗り足しあり)で作成

〈フォント〉
カバー 07ロゴたいぷゴシックCondense(タイトル)、Freestyle Script(英字)、りいクッキーお試しL(日付)
表紙 バナナスリップplus plus(タイトル)、07ロゴたいぷゴシックCondense
もくじ・小タイトル アプリ明朝
日程表・短い挿入文 游ゴシック Medium
本文 源瑛こぶり明朝v6(日本語、英語)、夜永オールド明朝 Bold(一部日本語)、Shippori Mincho B1 Medium(アイスランド語など他外国語)
文字の大きさ 8.5pt(本文)


初!写真表紙!すべて私が撮っています。
写真ページは最初だけか、中に差し込むかを考えて、「ワンブックスはフルカラー印刷とモノクロ印刷同じ値段だったな?」と思い出して、ワンブックスで印刷することを念頭に装丁を組み立てました。
カバーは最初から料金込み、帯もつけられたのですが文章を考えるのが面倒で棄却。
ワンブックスは他にない紙がたくさんあり、どれがいいか好みを添えて問い合わせすると過去例を参考にしつつ二~三種類を理由を添えて挙げてくれました。とてもやさしい。
表紙のデザインはとりあえず固まったものの、タイトルが決まらず、タイトル字の入れ方も決まらず、なところ、ふっと他の方の旅行本の表紙を見かけて、「枠のなかに白抜きの文字をぎりぎりに詰める」をやりたかったことを思い出して今の形になりました。
タイトルはかつてアイスランドはヨーロッパの果てと呼ばれていたことから。西の果てなのか北の果てなのか文献に当たれなかったのですが、いまでも北の果てなのは間違いない。

やたらと用語が多いので、最初から本文に注釈をつけるつもりでの余白です。ここに枠を挿入するといういつもの荒業。書式設定は手持ちの『サンソン家回顧録』を参考にみています(自費出版で同人印刷所での印刷なのでそこも参考にしやすかった)。ふだん横書きにするときには行間を14~15ptに設定することが多いですが、文字だらけで見づらかったので16pt。A5サイズで本当は文字の大きさを9ptにしたいところどうしてもページ数が多くなってしまい8.5ptに設定しています。
下の余白をページごとにあったりなかったりができたらよかったんですがやり方がわからぬ。
横書きなのはアルファベット表記が多くなってしまったため。翻訳できたらもっと読みやすいかと思うのですが、外国のことだし、発音がわからない単語が多数あったのでそのままです。一応、英語は源暎こぶり明朝 v6、アイスランド語含むその他言語Shippori Mincho B1 Medium。アイスランド語の一部文字が源暎こぶり明朝 v6に入ってなかったので……。游ゴシック Mediumが意外にもすべての字を体裁整えつつカバーできたので多用しています。

紙の種類は色々選べたので最後まで迷いつつ、カバー紙と表紙は写真の印刷がきれいに出るものを、本文紙はクリーム系にしました。写真は白系の方が色が良く見えるのですが(紙の色が反映されてしまうので黄色味がかかる)、今回は文章が圧倒的に多かったのと、写真はおまけのつもりだったので。
問い合わせで印刷所に嵩高紙で何があるか訊いたら、ソリストのシリーズをオススメいただいた。触ってみても私好みの紙です。
本文紙がやはり薄かったので、もっと厚いタイプにすると色うつりがすくなく安定するかもしれない。でも背表紙がこれでも1cm以上あるのでこれ以上は……

本文データが重すぎて何度か読み込みがフリーズしつつ、二度の完全フリーズ→再起動をしつつの編集作業でした。1~4ページずつデータをつなぎ合わせているので写真の読み込みとPDF書き出しだけで一週間かかっていましたね……
私がWordオンリーの環境なので写真データもむりやりいじくっていますが、Wordに画像データを挿入する際は「jpeg保存される」「最初から劣化して埋め込まれてしまうデフォルト(高解像度でも避けられない)」「画像データを多数挿入するとフリーズする」という致命的な設定になっているので、オススメはしないです。もともと文章ソフトとしても日本語縦書きにすると結構な頻度でバグるんですけど……(英語ソフトなので)。PDF書き出しでCubePDFを使うと多少改善されるのですがこっちはこっちで変形データを受け付けない(致命的)。

実物は会場で確認。
本文用紙はシリーズで一番薄いのもあって、思ったよりやわらかく仕上がりました。とにかく厚みがあるのと、カバーをつけているので気にならない程度。それに軽い。
背表紙の引き攣れ(背割れ)が目立つものが多いです。カバーかけるのでさほど目立ちませんが……。もう一冊のだんしこ本はきれいだったので、厚みに対して表紙用紙が合わなかったのか、PP加工でなんとかなるのか、次は気にしてみたいところ。
遊び紙がアイスランドの空色に似ていて満足度高し。クリアPPをかけているので丈夫な反面、反りはたしかにありますがそのうち収まると思われ。
写真の解像度が始終不安でしたが、個人が作る同人誌としては悪くないと思いました。そこまで私がこだわらないのもありますが。少なくとも本文のカラーは非常に画面に近い色味で出ています。すこし暗いように見えるのは写真がもともと暗めです。PPをかけたぶん、カバー写真と本文写真は色味が異なるものもあります(カバーの方が濃いめ)。
奥行きが深めで、ぐっと開くのですごい。そのせいで余白を開けた写真がやや外側に寄っているように見えますが……。文章は初めて横書きにしたわりに好みにできました。縦横の余白も悪くない。
読み返していたら注釈が飛んでいる(画面上で見えなくなってしまっている現象)、誤字、とすでに頭を抱えたくなりますが、いまの私ができる精一杯だったことは確かです。