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sunny_seven224
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HQ【佐久日】ログ
HQ
佐久日のSSまとめです
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25.8.31ワンドロ「ベランダ」
…
あついな
隣で眠る臣さんを起こさないようにそっとベッドを抜け出した。
クーラーをつけっぱなしにするのを嫌う臣さんは、いつもタイマーを設定して自動で切れるようにしてる。そして今、切れて暑さが戻ってきてる状態なんだろう。サーキュレーターも回ってない。そりゃあつい。
俺がいる時はちゃんと設定し直してくれるけど、昨日は久しぶりすぎてお互い忘れていた。そんなことより1分でも1秒でも早く繋がりたかった。
「
…
恋人じゃないのに」
スマホの明かりを頼りに寝室を抜けてリビングへ向かう。眩しいから電気は最低限にして冷蔵庫を開けた。臣さんが気に入っている強炭酸のペットボトルを取り出し慎重にふたを回す。
シューと気が抜けていく。強いのは苦手だ。
臣さんは、俺もだけどアルコールは付き合い程度にしか飲まない。けど、強炭酸は好きらしい。無糖で、炭酸が抜けてしまえばただの水なのに何がいいのかわからない。でも、好きな人の好きなものは共有したい。
「
…
恋人じゃないのに」
外の方が涼しいかなとベランダに出てみたけど全然涼しくなかった。
日本の夏は過酷だ。こういう時だけサンパウロの気候が恋しい。ここには臣さんがいるのに。
ペットボトルに口をつける。しゅわ、と舌が痺れた。臣さんとのキスみたい。
後ろから戸が開く音がして、振り向こうとしたができなかった。臣さんが覆い被さったからだ。
「
…
びっくりしました?」
「ああ、帰ったのかと思った」
「黙って帰りませんよ」
辺りはしんと静まり返っていて、俺たちの声しか聞こえない。まるで、小さな箱に閉じ込められているみたいだった。
「悪い、クーラーの設定変えてなかった」
ペットボトルを持つ手に臣さんのが重なった。ひと回りもふた回りも大きい手。あれだけ繋いでいるのに何故か遠い。
「このあとも眠れそうか?」
「キスしてくれれば」
身をよじって臣さんを見上げる。真っ黒な目はきっと俺を見ていない。
綺麗な顔が近づいてきたので目を閉じた。閉じる前、首筋に汗がつたっているのを見つけた。クーラーを、つけっぱなしを嫌うのは、多分臣さんじゃない。
間もなく唇が重なる。重ねながら体を向き合わせて、ペットボトルを落とさないようにゆっくりと背中に腕を回した。結露で濡れたそれは臣さんの背中も濡らす。ちょっとでもひんやりできたらいいな、なんて。
くちゅ、と静かな空間に舌が絡まる音で先ほどまでの情事を思い出し、腕の中の腰が揺れた。それに気付いた臣さんはするりと服の中に手を差し入れて地肌に這わせた。
「んっ
…
ふ、ぁ
…
おみ、さっ
…
」
「声、寝室まで我慢して」
「っ
…
離れたくない」
「離れていくのはお前の方だろ」
もつれたまま、小さな箱から吐き出された俺たちは寝室までの道のりがもどかしくてその場に倒れ込んだ。
ペットボトルが転がっていく。手をめいいっぱい伸ばしても届かない。
「
…
臣さんみたい」
「なにが?」
「離れていくのは、臣さんの方でしょ」
しばし見つめ合う。臣さんは何も言わない。
そして俺を丁寧に抱き上げて、リビングを後にした。
ここのベランダは、朝がくると新鮮な光が降りそそぐ。
まだ真っ暗のそこを臣さんの肩越しに見つめながら、
朝なんてこなければいいと願った。
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