河童の皿箱
2025-04-02 08:54:45
9909文字
Public 遊戯王:短め(2024年度)
 

お題2024

2024年にいろんな方がからお題を頂いて書いたお話4つ


水晶機巧グリオンガンド

 水晶が煌めくのは、その水晶に差し込む光のいたずら。一筋の光が黒き翼に差し込み、無数の面に反射しては、何もかもを吸い込むかのような黒を、黄金のごとき輝きに変えていく。深く、さらに深くを目指す光は乱反射の末に、数多の色を分解しては、その体を透き通る黄色に染め上げた。
 硬き体は前を向く。水晶の竜と見紛うそれは立ち上がる。内に疼く小さなふたつの力に呼応しては、余剰光を動力へと変換し、翼に力を宿す。水晶は理解した。今こそ、目覚めるときなのだと。

 自らは、世界を取り巻き、世界を守るもの。故に、小さな小さな水晶のかけらたちは、力を合わせ、この身を呼び覚ました。ならば、飛び立たねば。

 黄水晶は欠片たちの煌めきと、遥か彼方より聞こえる剣の輝きに耳を澄まし、地を蹴る。蹴る。蹴る。



 それは、繰り返される起動の、初めの記録だった。