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豆炭々炬燵
9237文字
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訳アリ心霊マンション
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【カグ東・カミ東】逆さまあべこべ真っ逆さま【東ツヅ】
「お前が私の地獄を分からないように、私もお前の地獄が分かりやしないさ」
捏造過多。ノリと勢いでどうぞ。
※44話までの要素含みますご注意。
2025/3/11 45話読了。45話読む前にこの妄想幻覚の類を出力できて本当に良かった(真顔。
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眩しい太陽。輝く白浜。寄せては引く波打ち際。肌が焼ける暑さもなんのその、もといこの暑さこそが夏の醍醐味たる所以といっても過言ではない。
手際よく即興で誂えられたビーチバレーのコートに入る今日の対戦カード。
首、手首、足首。とにかく首から先しか肌の露出のない濃紺と黒に統一されたラッシュガードに身を包む日下部カグラと日下部スズ。
その二人に半歩遅れてコートに進む東雲薫は露出度の高い黒色の紐ビキニと白いTシャツを羽織りその片裾を引き結び、彼女の横を歩く日下部ツヅミは彼女の可憐さを際立たせる淡い桃色のフリルビキニを着用していた。
そのままコートに入るかと思われた二人組がスズが東雲陣営に、ツヅミがカグラ陣営に交差する形で足を踏み入れるや否やコートを囲む東雲マンション住人たちが一斉にどよめいた。
ぐっぐっと腕を伸ばし敵意たっぷりな眼光で相手チームの一人を射抜く東雲薫のスレンダーな体から蜃気楼化した闘志が放たれ、その隣で屈伸運動を行う日下部スズはコート上に存在している二体のフィジカル
お化け
人間
に苦笑し額に滲む冷や汗を拭った。
片やネットを挟んだ向こう側。余すところなく曝け出した恵体全身で東雲の最初っから最後まで敵意に満ちた眼光を受け止め興奮で打ち震えている日下部カグラが、自分の傍で黙々と準備運動をしている日下部ツヅミを一瞥することなく「私の命令通りに動け」と冷たく言い放ちツヅミもまた小さく頷き東雲が打つサーブに構えた。
浜辺に響くワクワクが止まらない有希が吹いたホイッスルを合図にバーレーボール越しに東雲がカグラをねめつける。
「ツヅミに危害加えたらぶん殴る
…
ひでェこと言ったらぶん殴る
…
」
「(後ろでぶつくさ言って丑の刻参りかっての。ま、東雲薫が一番このチーム分けに反対したもんな)」
無理もない。胸中呟くスズの脳裏に先の出来事が甦る。
当初東雲とツヅミ対カグラとスズだったのを自分とスズを交換してくれと申し出たのは他でもないツヅミだ。
そんなツヅミの提案を大いに狼狽し如何にか説得を試みる東雲を見て「面白そ♡」と単純に楽しむ気満々二つ返事をしたカグラもカグラだが、カグラの顔色を終始伺い怯えていたツヅミの何処か晴れ晴れとした面持ちを見てしまってはスズとて反対する気には到底出来なかった。
「まずは、──1本ッ!」
ともあれ真剣勝負。東雲の気合いが入った獣染みた声を背中で受け、サーブされたボールが巻き起こす風圧にスズの髪が前方に押し出される。音はなんかもうビーチバレーで聞くことのない類のものを興奮した面持ちで難なくレシーブするカグラの俊敏な動きにスズは突っ込むのを止め──、敵チームの観察に切り替えた。
鍛えられた腕に弾かれ頭上高く上がるビーチボールを東雲が目で追いコート内後方に陣取る。この流れはツヅミが体制を整えたカグラにトスを上げ鋭いスパイクを打ち込む、そう誰もが疑わないありきたりで無意識のうちに自分の中で勝手に決めつけている展開に他ならない。
ゆえに、燦々と降り注ぐ太陽とボールが重なり東雲とスズが目を眇めた隙を狙い小柄な影がボール目掛けて飛び上がり。
「もらったアッ!!」
眼鏡をキラリと白く光らせたツヅミのスパイクがコートぎりぎりを撃ち抜いた。
「な
…
は
…
?」
「くそっ、
…
やられた」
唖然と砂浜に出来た先制点を奪われた痕からスパイクをキメた相手に視線を移す東雲の目と口があんぐり開く。
傍から見ても現状を把握しきれていない様子にスズは、無邪気にはしゃいでいた自分を諫め気合いを入れ直すツヅミから目を逸らさずに言葉を投げかける。
「カグラ姉様、ツヅミ姉ぇのこと唾棄するくらい嫌いだけど、しっかり適材適所相手の能力を加味した指示を的確に出せる人だぜ」
「
……
あー、気に食わねェけど分かったわ」
「どの面が!? どう見ても気に食わないし分かりたくもないって顔じゃんかっ!! っんとにテメェはツヅミ姉ぇのこと──、うぷっ。言うのやめやめ」
苦虫を嚙み潰したような顔で見据える東雲。咄嗟に口元を押さえ息を整えるスズ。
そして、自分に対して完全に恐怖心が無くなった訳ではないがそこそこ我を出してきたツヅミを一巡したカグラは顎下を撫で、彼女にしてみれば些か小さすぎるボールを片手で掴みコート端に向かう。
「(
…
妹その壱が私の指示通りに動いただけじゃなく自分自身で考えてアレンジするなんてねェ
……
)」
カグラがツヅミに命令した内容は至ってシンプル。ごり押しパワープレイする自分が得点を決めると見せかけ警戒されていない補佐役に徹するであろう彼女が得点を決める事。これがまあ引っ掛かり易く見抜かれ易い表裏一体な初歩中の初歩の作戦だが対戦相手の力量を推し量るには申し分ない。
無論、ツヅミに合わせ超優しくお膳立てしなければ得点に繋がらないのを考慮してスパイクし易いボールを上げたが、よもや太陽を利用するとは少々見くびっていた。
「(お荷物はお荷物なりに”軽く”なったわけか。しかし、小指の爪ほど認識を改めたところでお荷物には変わらん)」
最低限の身のこなしで振り返ったカグラの蔑んだ細い目がツヅミの背中を舐めれば、言葉に出していないにも拘らずツヅミを侮辱したと憤る東雲の面貌にカグラが夏の暑さ由来ではない熱に侵された唇をボールに当て間髪入れず相手コートへ撃ち込んだ。
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