sousakuyamamusume
2025-03-09 21:31:52
3552文字
Public 一次創作
 

悪役令息

悪役令嬢(男):アトラス・フォン・ノックス(アトラス=耐える者。ノックス=夜)
親友くん:ザイン・メンシス(ザイン=存在する。メンシス=月)


友とは

「貴様、何が目的だ。」
「え、俺?」
 何回か昼飯食べてたときに唐突にアトラスが言う。
「何の目的もなしに私に近づいたわけでもあるまい。金か?爵位か?それとも、なんだ?」
「友達になりたくて。」
「友だと?」
「うん。」
 あれ、なんかさっきよりさらに警戒された。なんで?というか、まーた食堂静まりかえっちゃった。なんだろうな、そういうの俺好きじゃないぞ。ひそひそしてるのも嫌だし。
……何の見返りもなしにそんなことを言う馬鹿がいるとは。」
「え、あー……んー……じゃー、そうだなー。」

 虚空を彷徨っていた奴の視線が、まっすぐに私の目を捉えた。
「お前の隣で昼飯食う権利がほしいかな。」
 彼の言葉に嘘はないだろう。何度か話してみたが、こいつは嘘というのをつけない人種だ。貴族社会に来てはいけない人種とも言う。
 そして、今の彼の言葉は彼の言いたい全てではない。こいつは相手の顔色を読むのが得意だ。私の警戒心は見抜かれているとみていい。その上でこいつが選んだ言葉が、『隣で昼飯を食う権利』とやら。まぁ、そうだな。
……それぐらいは勝手にしろ。」
「やりぃ!じゃ、よろしくー。」
 今後これを超える要求をされることぐらいわかっている。それがいつになるかまでは、私にもわかりかねるが。