sousakuyamamusume
2025-02-28 17:54:13
3469文字
Public 一次創作
 

赤と白(ごちゃまぜ、温度差で風邪引くと思う)

・睡眠薬的なのを飲まされたヴァイスと下手人にぶち切れしながら迎えに来るロッソ
・酔った勢いでロッソを模した人形買っちゃって頭を抱えるヴァイス
・土産物屋で剣のおもちゃ(キラキラでドラゴンなアレ)を真顔で買おうとするロッソとマジかよと思ってるヴァイス
・日本的な国に外交で行ったロッソとヴァイスに鯛焼きを食わせたい

赤き嵐

 部下の一人につがれた酒を一口飲んで、異変に気がついた。
 味に異常はないし、色もおかしなところはない。唯一おかしいのは、部下達の反応。僕を見て嗤っているような、そんな目をした。そして、身体の力がガクッと抜けかけた。
……睡眠薬か!」
「ええ、そうです。ただ、今更気がついたところで……おや、逃げるのですか?」
 回らない頭ともつれる足でどこまで逃げられるかなんてわかったものじゃない。というか、逃げることそのものが最適解かすらもわからない。ただ、少なくとも今の僕に、戦うだけの力はない。にげなければ、もっと、もっと、とおくに
 ……ロッソ、今、どこに

「若いくせに騎士団長になんてなるからだ。なぁ?」
 そんな下卑た声が聞こえてくる方向へ、決して走らずに急いで向かう。気配を悟られてはいけない。国際問題を回避するために必要なことだ。
「だからって、どうして……!」
 切羽詰まったヴァイスの声が近づいてくる。ああ、そうだ。それでいい。お前が望むならば、私は地獄にだって喜んで向かおう。
「っ、すまない、ちょっと」
「随分と躾のなっていない部下を持ったな、ヴァイス。」
……ロッ、ソ……?」
「ああ、私だ。安心しろ、命は取らん。」
 命『は』奪わない。社会的な死を与えないとは言っていない。まずは、そうだな。
「おうおうおう?ヘンな仮面の兄ちゃんよぉ、命が惜しけりゃその男をこっちによこしな。」
 ヴァイスを守れなかった自分自身への怒りの八つ当たりがてら、このふざけたことを言う輩の顎の骨を折るぐらいは許されるだろう。
 
 重い身体を無理矢理に起こす。ここは……あいつの家か。で、俺のそばに居るのが……
……ロッソ。」
「起きたか、ヴァイス。体調はどうだ?」
 彼の手元にある紙には、あの場に居た僕の部下の名前。ああ、こいつやる気か。止めもしないが。
……油断した。すまない、ロッソ。」
「何故お前が謝る。謝るべきはお前ではない。わかるな?私が来るまでの間に何かされたりはしなかったか?」
 矢継ぎ早に色々聞いてくるあたり本当に余裕ないんだなこいつ……
「その前にお前が迎えに来てくれた。だから大丈夫だった。どちらかというとお前の方が傷ついてる気がする。」
 そう。結果的に僕はただ睡眠薬を盛られただけでそれ以上はなにもされなかった。普段のこいつならすぐにその場を離れて色々根回しするだろうに、あんな豪快な蹴りをかますなんて。バレたらコトだぞ。
……あまり思い出したくない記憶だ。」
「無理に話す必要はないけど、話したけりゃいつでも聞くぞ。今回のこれのお礼だ。」
「お前というやつは……。まぁ、感謝はしておく。」
 感謝なら僕のほうがしたいんだけど。ああ、まだねむいなこれ。

 再び眠りについた彼の寝顔を撫でる。
……すまない、ヴァイス。」
 自分のこともわきに置いて心配してくれた彼に、全てを打ち明けることができない臆病な私を、どうか許してくれ。