紫輝
2024-03-03 10:26:21
5015文字
Public しょくんば(刀剣乱舞)
 

【しょくんば】しょくんば詰め合わせ・7【刀剣乱舞】

ツイ…Xに放流してからずっっっとまとめてなかったしょくんばまとめました。ちょっとサボりすぎました。
目次置いていくのでお好きなところから、お好きなところだけどうぞ。お気に召すものがあれば幸いです。



*なりゆき彼シャツ事件

 寝起きのあんちゃんはちょっとばかりふわふわしている。
 どのくらいかと言うと、ちょっとした事件に俺とはしゃいでくれるくらいだ。色々あるけれど、一番多いのは『取り違え事件』だろう。
 この本丸に暮らす刀も増えてきた。装束は個性的なものが多いが、シャツや靴下は案外似通っているのだと、ここ最近気づいた。さすがに揃いの装束と括っても差し支えない粟田口の面々は自らの持ち物に名を記しているようだが、脇差以上の仲間たちはサイズ感や微妙な見た目の差異で自らの持ち物を判断していることがほとんどだ。そして洗濯は往々にしてまとめて行われる。取り込んで、仕分けて、迷子を持ち主の元へ帰すまでが最近の『お約束』になりつつあった。流石にこれ以上増えたら方策を考える必要があるかもしれないと、主と話しているところだ。
 さて、本日の『迷子』はワイシャツだった。一見なんの変哲もないが恐ろしく仕立てが良く、広げてみれば襟の形が独特な一品だ。ワイシャツを広げていたあんちゃんが迷子だな、と呟くのに頷いて、襟元をつつく。
「一番上のボタンないし、開襟して着るデザインって感じだな。この肩幅だと太刀の人っぽい」
「同感だ」
 さわさわと布地を撫でながら何でできているんだろうなと口にするあんちゃんの目は珍しく煌めいている。確かに他人の装束にこんな風に触れる機会はあまりない。加えて覚醒前のふわふわ状態なので興味が先に立っているのだろう。なんか猫っぽくて可愛い、などと普段なら思わないだろうし絶対言えないことを考えつつ倣って触れた布はなるほど高級な手触りで、サイズとデザインを加味して持ち主の姿が像を結ぶ。
「これみっちゃんのだな、多分」
「そうか。見覚えがあると思った」
 ぱちりと湖面の瞳をまたたいたあんちゃんが納得したようにうなずく。長船の祖であり伊達の気質を継ぐあの太刀の装束であれば、なるほど仕立ても良くデザインも洒落ていよう、と。
 常であれば後で返そうで終わるのだが、今日のあんちゃんはどうも輪をかけてふわふわのようだった。何を思ったか手にしたシャツに腕を通し、ひらひらと袖を揺らす。
「見ろ、貞宗。凄く余るぞ。クラゲみたいだな」
「ホントだヤバい。一緒に写真撮っていい?」
「ん」
 なんて、きゃらきゃら笑いながら撮ったそれを見たみっちゃんが声にならない叫びを上げて悶絶する様が伊達男をかなぐり捨てていて本当に面白かった――というのは、みっちゃんの名誉のために内緒にしておこうと思う。

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なお国広君に寝起きの記憶はない模様。


お粗末様でした!