和泉 小夜
2021-10-26 04:33:21
3126文字
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大海嘯に沈む(光忠が長谷部を探しに行くパターン)

大体タイトルと注意書きに集約されてる気がする。お供はコレ→https://www.youtube.com/watch?v=0KpXr0YaoA8

彼に教えてもらった道を行くと、確かに喫茶店があった。
そこの店員さんは、髪も黒くて醜くて、どうにも彼には似ていなかったけれど。
何だかすごく気になって、その喫茶店に通うことにした。
その店員さんとは気が合って、でも話は合わなくて。何だか彼と話してるみたいだなぁと。
何となく思ってしまった。
あの店員さんのことをもっと知りたい。
もっとこういう道具があれば店員さんと仲良くなれるのではと、思ってしまった。

そんな頃に、貞宗くんが一人で喫茶店に来た。
『最近の調子は如何かな、お兄さん』
『そのブレスレット素敵でしょう、もっと欲しくない?』
『彼の店員さんが気になるのでしょう。だったら素敵な商品が在るんだけれど』
『次はピアスにしようかな。シンプルなデザインなんだけれどね』
『其のピアスは、相手の声が好く聞こえるようになるんだよ。其れに貴方は何を賭ける?』

何が良いかな。今付けている指輪と交換で大丈夫かな。

『勿論さ。それじゃあ、俺がピアスを付けてあげるね』
『痛くないよ、一瞬だからね。屹度、貴方に好く似合うと思うんだ』
『そういえば貴方から貰った此のネックレス。気に入って毎日付けてるんだよ』
『此の指輪も大切にするね。毎日付けるよ』

そう言われて、ピアスを開けられた。彼の言う通り、全く痛くなかった。

『嗚呼、そうだ。此れは魔法の道具だからね。入れ込みが過ぎて、身を滅ぼさないように』
『俺は貴方の願いを幾らでも叶えてあげられるし、叶えてあげたいと思っているよ』
『でも努々忘れないでね。使い所にも、俺との取引も、全て疑ってね』
『俺は、完全な善人じゃないから。俺も利己的な理由で動いているからさ』
と、不思議なことを言って貞宗くんは店員さんと入れ違いに去ってしまった。

店員さんと話していると、声とは違うものが聞こえるようになった。
それはどうやら人の本心のようで。耳を塞いでも聞こえるらしい。
しかし、店員さんは喋っている声と本心の声は、随分と声質が違うんだなと思った。
他の人は声色の違いはあれど、声質は同じものなのに。