和泉 小夜
2018-12-20 22:36:08
2155文字
Public
 

雨の日(秋田藤四郎+太鼓鐘貞宗)

お題箱に「秋田藤四郎がどう動くか見てみたい」と頂いていたので書いた代物。
ひっどい。


庭で景趣を眺める。
俺の今居る本丸は年中、十五夜の景趣だ。
此処は全く変えていないらしい。

遠くから、秋田藤四郎と、その兄弟たちの声が聞こえる。
声のする方へ向かうと、秋田藤四郎が兄弟たちに虐められていた。

「秋田!こんなところにいたのか!」
「此処の案内を頼んだのに、兄弟と遊んでいるのか?」
「早く案内してくれ。な?」
そう言うと、秋田藤四郎も察したらしく、俺の手を引き兄弟たちから離れた。

『あ、あの!助けてくれて、ありがとうございます!』
……別に、助けたわけじゃない」
見捨てたら後々、面倒なことになるから声をかけた。それだけだ。

『で、でも、僕は助かりました。ありがとうございます』
「別に。礼なんて要らないよ。それより帰りたいから出口まで案内してくれ」
……やっぱり、帰っちゃうんですか?』
「連れが待っているんだ。連れは心配性でね、帰らないと迷惑をかける」
『じゃあ、その人たちも今コッチに連れてきましょう!そうしたら、』
「秋田藤四郎」
「俺はね、此処に居たくないんだよ」
「兄弟を平気で虐める奴等や、それを見捨てる奴等と同じ場所に居たくない」
「もう、帰りたいんだ」
「案内してくれないなら、それで構わない。出口は自分で探すから」
そう言い捨て、庭から出る。