木蔦(キヅタ)
2023-02-04 12:19:22
2604文字
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居もしないイマジナリー本歌に嫉妬する長義の話【ちょぎくに】




他の者に聞くが「気にしないで」「そのうち忘れるんじゃないかな」と言われる。まんばの憧れが強すぎて当事者には言いづらい。

本丸には一振り目がいる気配がないため、長義は思う。

まさか一振目は折れたのでは?

そしてふつふつと怒りが湧いてきた。
長義は気づいてないが、それは嫉妬だった。

まんばを捕まえて責め立てる。
「お前が、その本歌のことをどう思ってるか知らないが、今の本歌は俺だろ!良い加減にしろ!」
まんばは怯えたように言う。
「俺の本歌は言っていた。本歌たる者、無闇に怒鳴るべきじゃないと」
「いや、それは怒鳴ってなど!」
「本歌なのだから写しの話に耳を傾けるのは普通だと」
「き、聞いてるじゃないか!」
「本歌は俺を追いかけ回さないし、自分の意見も押し付けない」
「う……
「本歌は写しを慈しむのが普通だ。それなのに俺の本歌だと言えるのか?」
「そ、そういう意見もあるかもしれないが
「本歌は写しの保護者みたいなもんだろ。写しを蔑ろにするなんて最早本歌ではない。他人だ」
……
「本歌の責務を全うしない本歌は本歌じゃないと言っていた。だから慕わなくていいと
「あーもう!俺が悪かった!わかった、そこまで言うならお前に与えてやる!俺は持てるものだからね!!」
イマジナリー本歌に負けるのはなんとなく悔しいと、まんばをめちゃくちゃ甘やかして懐かせたところで、ようやくそれが架空の人物だと知るのだった。