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木蔦(キヅタ)
2022-07-22 14:47:15
7154文字
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えーぶいに出ることになったまんばの話【ちょぎくに】
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長義は写しに片恋していた。しかし軋轢もあり、それを隠していた。
だが日々の欲求は溜まるもので、ついDVDを買ってしまった。
(ネットで噂になってた偽物くんのひとりxxxもの
……
!)
写しのDVDなど滅多に出回らない。
元々まんば固有の性格で映像に映ることを嫌う上、モンペ(審神者と兄弟)も多いためそう言った内容は事前に回避されてしまう。だから滅多にない。
このDVDは長義界隈で『まさか非合意で連れてきたのではないか?』と疑惑があるものだ。
(不正の物じゃないか確認する必要がある。元監査官としてな)
誰にするでもない言い訳をして、DVDを入れる。
わくわくと期待に胸を膨らませつつ、画面を見つめた。
結果として、このDVDは長義の地雷だった。
恥ずかしがる仕草、嫌がる素振り、カメラアングル、イク時の表情、すべて良かった。自分の性癖どストライクだった。
しかしそれにはカメラマンの音声が入っていた。
「そこ擦って」とか「そう、上手」とか「こっち見て」とか
……
こういう行為に慣れていない写しを指導するものだった。
(別個体に写しがりょーじょくされてる感じが地雷だ
……
っ!)
例え同位体であっても見てられないからひとりxxxものを選んだのに、と思う。
長義界隈でも話題になっていたが、評価は両極端だった。絶賛するものもいれば、地雷だというものも。
同位体の声以外は完璧に長義にクリティカルヒットした。良い評価を付けたものは別個体の出演を気にしないやつらなのだろう。
(低評価をつけたやつは、十中八九、俺と同じ地雷だったんだろうな
…
!評価の理由くらい書いといてくれ
…
!)
はぁ、とDVDを出し、ケースに仕舞う。
そしてDVDの存在を忘れ去った。
「⭐️⚔の映画を見てないやつは人生損してるよ。見る目がないね。」
ある非番の日、世間話から映画の話になった。政府にいた頃に色々な映画を見ていた長義はみんなから感心され、話をしていた。
「そんなに面白いのか?」
「そりゃね!なんだ、偽物くんは観てないのか。それだからお前は
…
」
「本歌がそこまで言うなら観てみようかな」
「なら字幕の方がいい。やっぱりハン・ソ口が冷凍されるシーンは英語じゃないと
…
。あと、あれは
……
ああもう、一緒に観た方が早いな。お前今から俺の部屋に来い!」
そんなこんなで映画鑑賞することになった。仲が悪い写しと部屋でふたりきりになれるなんて、しかもスマートな誘い方だった、と自分の手腕を褒め称えつつ、DVDを入れる。
ピッと再生して長義は立ち上がる。
「飲み物を用意してくるから先に観ててくれ」
「ああ、すまない」
長義は厨へ。
写しは大食漢だから、鑑賞中にたくさんおやつを食べるだろうと色々用意する。
アレもコレも用意していた所為で少し遅くなってしまった。
でもまあ自分は何度も観てるし、と思いながら飲み物とおやつを持って自室に戻る。
部屋に入ると写しが食い入るようにじっと画面を見つめている。
口元に手を当てて震えていた。そんな初っ端で感動のシーンなんかあったか?と思いながら机に持ってきた物を乗せる。
「ん!?」
画面を覗き込むとそこには写しが映っていた。乱れた服で真っ赤な顔をしてベッドにいる。
そして『あの』DVDの存在を思い出した。
(しまった
…
!)
パッケージがやばいから早々に捨てて、別のDVDケースに入れておいたんだった。
まさかこんなことになるなんて。過去の自分を殴りたい。
「ほ、ほんか
……
」
同じく真っ赤な顔をした写しが振り向く。こういうことに耐性がないらしく、オロオロしている。
入れるDVDを間違えた。
よりによって『あの』DVDを写しに見せるとは
…
!
「こ、これはその
…
!」
「なんで、こんなものを
…
?」
「ち、違う!俺の趣味じゃない!地雷であって
…
!決して!」
「地雷
…
?こ、これは兵器だったのか
…
?爆発する
…
?」
「爆発した!」
こんな物を写し本人に見せるなんて、木っ端微塵に消し飛ぶ案件だ。
「したのか!?既に!?大丈夫なのか!?」
「大丈夫じゃない
…
大事故の大怪我だ
……
!」
「た、大変だ
…
!主を呼んでくる!」
「ま、待て!これ以上被害を広める気か!?やめろ!」
「し、しかし
…
!大怪我なんだろ
…
!?」
「そんなことになったらもう俺は生きていけない
……
お前に知られてただでさえタヒにそうなのに
…
」
「な
…
!し!?タヒぬな!ほんか!!」
〜しばらくお待ちください〜
「そ、そう言う意味か
…
すまない、早とちりしていた
……
」
どうも話が食い違っていたが、理解してくれたらしい。
「いや冗談の通じないお前にツイ廃の言葉を使った俺が悪い
……
」
「ついはい」
「忘れてくれ」
「ワカッタ
…
。それにしてもなんでDVDを持ってたんだ?」
「忘れてくれ」
「そう簡単に忘れられるもんじゃない衝撃だったぞ
…
。ましてや同位体が
…
」
真っ赤で黙り込んでしまう。
どうしよう、と微妙な空気が流れた後に、まんばが耐えきれなくなったのか、部屋を出てってしまう。
(失敗した
……
!)
いつもなら嘘でも何でも言い訳がスラスラ出てくるのに、今回は動揺のあまり何も言えなかった。『友人に無理矢理押し付けられた』とか『買った時に変なのが紛れ込んでた』とか苦しいながらも誤魔化しようがあった。でも頭がいっぱいで出てこなかった。本当のことがバレたらまずいと思うばかりで。
だって本当のことなんか言えない。
(お前が好きだから、これ見て抜こうと思ったなんて言えるわけないだろー!!)
………
ふて寝した。
次の日からあからさまに写しに避けられるようになった。
目が合ったら顔ごとぐるっとそっぽを向かれ、ばったり会えば回れ右して駆け足で去っていく。
(あからさますぎるだろ〜!_:(´ཀ`」 ∠):)
密かに恋心を抱いていたのに、今回の一件で打ち砕かれた。失恋だ、ショックすぎる。
件のDVDは地雷だったし、写しとの仲を決定的なものにしてしまった。(元々仲良くなかったが)
結局折角買ったのに、損したことばかりだった。
もう写しのことは諦めよう、そんなことを思いながらも、ずるずると気持ちを引きずり過ごしていた。
そんな時、写しが夜部屋に訪ねてきた。
一体何かと思ったら、土下座された。
(° - ° )ポカン
…
「すまない、その、変な態度を取ってしまって
…
」
いやそれはあんなもの見せられたら当然では
…
。
そう思うがその言葉は飲み込む。
「あんたを見ると、その、あのことを思い出して、平常心では、いられなくて
…
」
それはあんなものry
「いつまでもこんな態度じゃいけないと思って、ケジメとして謝りに来たんだ」
いや謝るのはこちらの方では?
すまない、と言った後、まんばが顔を上げて、真っ赤になり、また俯く。
ん゛ん゛
……
っ
恥じらい方が恋する乙女のよう。かわいい。
そりゃあんなもの見せられたら、ウブな写しは真っ赤になるだろう。自分だって他の男士が自分のえーぶい見てたら、ドン引きで青ざめ
………
( ´ ▽ ` )?
( ° ω ° )!?
反応がおかしいと気づく。
写しが慌てふためきながら「じゃあこれで!」と立ち上がったので思わずその手を握った。
「!」
ボッと赤くなる。その反応で確信する。
写しが手を引っ込めようとぐいぐい引くが離してやらない。
「ああいうの、俺が観てるって知って、嫌じゃないんだ?」
耳元で囁く。
「!」
プルプルしてる。かわいい。
これは!脈がある!?°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
写しも満更じゃない様子。アレのお陰で、男として意識され始めたのかも知れない。
テンションが上がる。叶わぬ片想いだと思っていたのに、もしかすると、もしかするかもしれない。
ふふっと笑って、さらに囁く。
「ああいうこと、されたい?」
ドコォ!!
右頬に衝撃。
宙を舞う感覚。
そしてズシャと床に落ちる。
「!?_:(´ཀ`」 ∠):」
「へ、変なこと言うな!」
ピューンと写しが走り去る。瀕死のまま、部屋で一晩転がっていた。
写しは照れると大暴走する、と知ったのは数回同じ事を繰り返し、ようやく両想いになった後だった。
ちょぎくにハッピーエンド!
お疲れ様でした!お読み頂きありがとうございました!
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