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木蔦(キヅタ)
2021-07-17 14:57:00
3139文字
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催眠術を掛けられるまんばの話 事例②【ちょぎくに】
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次の日、ドキドキしながらまんばに会う。果たして掛かっているか不安。
まんばは長義を見た途端、言葉を詰まらせるような反応をする。そしてバッと目を逸らす。
頬は少し赤みがさしているし、目がうるんできらめいている。いつもの態度と違う。
「な、なんだこっちをじろじろ見て
…
!」
怒ったようにまんばが言う。
こ れ は お れ に ほ れ て る の で は ?
信じられなくて、まんばをじっと観察する。まんばは「そ、そんなに見るなぁ!」と手で必死に隠そうとしている。かわいい。
まんばの一挙手一投足のすべてが長義に意識を向けている。長義がまんばに近づこうとするとびくんと肩をはねさせた。
これは俺に惚れてる!!そう考えると行動も大胆になれる。
まんばの顎を掬い、自分に顔を向けさせる。まんばの綺麗な翡翠の目が合う。
まんばはあれほど顔を背けたがっていたのに、目が合った途端、長義のことを見つめる。とろんとした眼差し。
これは惚れてる!!
「国広」
そう囁いてやるとびくんと反応した。
「ゃ
…
!いつも『偽物くん』って呼ぶのに」
「嬉しい?頬が緩んでるよ」
「恥ずかし
…
」
まんばが逃れようとするので壁際に追いやる。
見惚れるようにまんばは長義から目を離さない。
惚れてるなら両想いなんだから、手を出してもいいはずだ。そう思い、まんばにキスを
……
しようとしたところで日光に止められる。
「お前ら、ここは廊下だぞ」
「あ。」
まんばは恥ずかしそうに駆けていく。
「見て見ぬふりしてくれればいいだろ
…
!」
「短刀とかも通るだろう」
ぐっとなる。確かに。
でもあとちょっとだった!あとちょっとだった!
悔しく思う。
「国広の様子がおかしかったが、何かあったのか?」
「何も」
催眠術のことは言えない。はぐらかす。
その後もまんばを部屋に呼んでイチャイチャ。まんばは恥ずかしがりながらも、本気で長義を拒否しない。
まんばが期待するようにじっと見つめてくる。
これはキス待ち!!!
長義はまんばを引き寄せ、顔を近づけ、目を瞑り、キス
……
しようとしたが、止めた。
ふといつものまんばの顔が頭を過ぎった。不快に顔を歪めた顔。
このままで良いのだろうか、と思う。まんばは自分に惚れているのにそれは架空。
それはとても悲しい。まるでひとり芝居をしているよう。
気持ちが伴わないのに、キスするなんて虚しくなるだけだ、と考え直す。
「本歌?」
まんばが不思議そうに小首を傾げる。心配そうに長義を見つめてくる。
それで催眠を解く。まんばはハッと我に返ったような表情をする。べったりと長義にくっついていた身体を離し、真っ赤になっている。
「な、こんな
…
ちょっ
…
なんでこんなことに!」
やばい、悲しさのあまり催眠術を解いてしまったが、イチャイチャ中の記憶も消すべきだった。
慌てるがもう遅い。まんばの催眠は解けてしまった。再度掛けようと思っても興奮状態のまんばには掛けられない。
「そんな、今までずっと隠してたのに
…
!なんで俺急に抑えられなく
…
!」
「ん?」
まんばは長義のことが好きだったが、表面上に見せないようにしていたらしい。
両想い!!
はい、ちょぎくにハッピーエンドお疲れ様でした!お読み頂きありがとうございました!
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