本歌さんはどんな格好でもカッコいいんだからね!Vol.2
~吊り橋効果編~
ちょぎくに
まんばと本歌さんは両片想い。
ある日、まんばは審神者に呼び出される。まんばに見合いの話が来てるとのこと。まんばに恋仲の者がいるなら断るが、審神者のお世話になった方からの依頼で、なるべく断りたくないと事情を話された。まんばはこれ以上長義を想っていても報われないとわかっているため、審神者にその話を受けると言う。
皆には話してないが、話はそれとなく伝わるもので、みんな何も言わずそっとしている。長義が物言いたげにまんばを見ているが、まんばは気のせいだと思う。
日取りもすぐに決まり、先方と会う。審神者も同席し、4人で。和やかな雰囲気で進んた。しかしまんばの気持ちは長義から動かない。
形ばかりのお見合いが終わり、すぐさま祝言を挙げる話が出る。まんばは構わない、審神者に任すと伝える。
審神者は先方と連絡を取りながら、準備を進めていく。
結納も済み、ついにまんばは他所の本丸に嫁ぐことになった。皆が送別会と称して、宴を開いてくれる。
さすがに明日に響くからとまんばはこっそり抜け出し、自室に戻る。自室は片付いていて、最低限の物しかない。他は段ボールにまとめてしまった。
そこに長義が訪ねて来る。
「その、なんだ、あの、」
「
……」
「俺は、お前が、」
「もう、決めた事だ」
まんばがそう言うと、長義が押し黙る。まんばは無駄な希望を持ちたくなくて長義を追い出す。ズルズルと畳にしゃがみ込んだ。
夜中、人の気配がする。まんばは誰なのかとそっと障子を開けた。そこには婚約者がいた。
婚約関係を結んでから本丸間を自由に行き来できるように繋いである。そのため彼がここに来れたのは不思議ではない。しかしこんな夜中にどうしたのかと疑問に思う。
申し訳ないが急用で少し来て欲しい、と彼に言われる。まんばは夜着のまま連れ出される。本体を持ってくる暇はなかった。主はと聞いたが、そんな余裕はないと言われる。
まんばは何か胸騒ぎを感じる。漠然とした不安。
連れてこられたのは門付近。まずいことになったとまんばはすぐに理解する。
そこにいたのは彼の審神者と時間遡行軍。
時間遡行軍はすぐさままんばを取り押さえ、手首を縄で縛る。まんばは本体がないから抵抗できない。
「な、なんでこんなことを
…!あんた審神者だろ
…!?」
審神者は黙ってまんばを見てる。
「なんで時間遡行軍なんかを連れてるんだ
…!それにあんたも、刀なのになんで、付き従って
…!」
「ここの山姥切国広は美しいと有名。さぞ高値が付くだろうな」
「は
…?な、なに言って
…」
審神者が注射器を取り出す。
「抵抗されて商品に傷でもついたら大変だ、しばらく大人しくしてもらおう」
遡行軍に後ろから髪を引っ張られ、強引に首元を肌蹴させられる。
「ちょっと依存性が強いやつだが、一回程度なら商品価値は下がらないだろう」
先方の審神者は実は歴史修正主義者に寝返っていたのだとわかる。そして今のひとりごとから、刀を闇で売買してるのだろうと推測。
注射針がまんばに迫るが、成す術がない。時間遡行軍によって強い力で押さえ込まれている。
まんばはガクガク震えてる。怖い。何の薬かわからないがヤバそうなのは確かだった。でも腕も封じられてて、本体もない。どうしようもない。
針をそっと首元に添えられ、もうだめだ、と思ったその時だった。
注射器は真っ二つに割れ、液体が地面へと零れ落ちた。それは刀で斬られたようだった。まんばは突然のことに驚き、目を見開く。
まんばの目の前には刀を構える長義がいた。
――全裸に腰蓑を付けた格好で。
↓東線さんが描いてくださいました!
すぐさま長義はまんばを押さえ付けていた時間遡行軍も蹴り上げ、まんばを解放する。腕に付いた縄も切る。
「本歌、どうして
…」
「風呂に入っていたら、嫌な気配がしてね」
「その格好は
…?」
「タオルを取りに行く暇もなかったから、敵の笠を拝借した。」
良く見ればぽたぽたと水が滴っている。
「それよりも何もされてないか?痛い所は?」
「な、ない」
「そうか、良かった
…」
長義の安堵した表情にまんばはドキドキしてしまう。そんな心底よかったという顔されたら、想われているのではないかと勘違いしてしまう。
(た、ただ仲間として、よかったって思ってるだけだ、落ち着け俺
…)
長義は遡行軍に向き直り、刀を振るう。瞬く間に、ここにいる遡行軍達は長義によって消滅させられた。
騒ぎに気づいたまんばたちの審神者が政府に通報し、相手方の審神者はお縄となる。
まんばは一言お礼を言いたくて、長義の部屋に訪れる。
「あの、本歌、あの時あんたが来てくれなかったら俺はどうなってたかわからない。だから、その、あ、ありがとう
……」
長義は困ったような顔をしてまんばを見てる。
「ほ、本歌
…?何か悪いことでも
……」
「いや、お前があと一歩で酷い目にあったかもしれないのに、こうなって心底ホッとしてる自分がいるって呆れただけだよ」
「こうなって
…?俺が助かって
…?」
「それもあるけど、破談になったことだよ」
まんばはどきりとする。長義はまんばの顔を両手で包み、覗き込むように見つめた。まるでキスされる直前みたいだと思ってしまいまんばは真っ赤になる。
「お前がここに残ることになって、本当によかった
……」
そういうと長義は腕の中にまんばを閉じ込めた。
あの時助けにきた長義の姿が、まんばの脳裏に過ぎる。腰蓑ひとつで刀を振るう姿は凛々しく、まんばの中ではキラキラと一等輝いていた。
恋すると贔屓目になるのは仕方ない。
彼を意識しないよう努めても、やはりドキドキしてしまう。
「や、やめてくれ、そんな風に言われたら勘違いしてしまう
…!」
「勘違い
…?」
「あんたが、その、
………おれをすきなんじゃ、ないか、って
……」
「してくれていい、勘違いじゃないから
…」
「な
……!」
長義は腕の中のまんばの首筋にキスを落とす。むず痒くて、んん
…!と声を上げてしまう。
暗転( * ॑꒳ ॑*)⸝⋆。✧♡
ちょぎくにハッピーエンドε=ε=ε=ヾ(´∀`*)ノ
お疲れ様でした!異色な話を立て続けに書いてすみませんでした!お付き合いありがとうございました!
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