木蔦(キヅタ)
2020-05-11 00:00:15
8116文字
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女タラシの長義くんと生真面目なまんばちゃん【ちょぎくに】※女体化注意、現パロ





女の子はちょっと優しくすれば、長義にメロメロになる。何でも言うこと聞く、便利、という認識。
同じ学部に長義に靡かなそうな女がいる。まんば。
薄汚い服を来て、笑顔もない。講義も前の方に座っていて、終わったらすぐ帰る。友人もいなさそう。彼氏もいないに違いない。折角美人なのにもったいないなと思っている。

とにかく長義は好みのタイプじゃない。


ちょっとからかっただけで、まんばに平手打ちされた。痛い。
でもこんな美形(自画自賛)を殴るなんて、度胸のあるやつだなと思う。今までになかったタイプ。
何よりまんばの動かなかった表情を見れたので少し楽しい。

少しからかったら面白いかもしれない。そう思ってその日からまんばに絡む。(まんばのことが気になり始めている。まんばの気を引きたい)

「明日の講義後、空いてるか?」

ついにキター!!!と思う。やはり俺に靡かない女などいない、この女もちょろかったなと思う。
でもこんな女なんかと付き合ってやるほど長義は安くない。断ろうとしたが、まんばに強引に約束を取り付けられてしまう。
身一つで来いと言ったため、ラブホにでも誘う気かと思う。

しかしまんばに連れられて行って見ると、自分が飛んだ勘違いをしていたことに気づく。
デートなんかじゃなく、眼鏡の弁償のために誘っただけだった。ホテルでもなかった。
長義は心の中が乱される。
壊された眼鏡を女に奢ってもらうほど甲斐性なしではないし、物壊された程度で怒ってると思われるなんて心外。しかも落胆している自分がいる。かなり心待ちにしていたらしい。
それに気づいてしまうとどうすればいいのかわからなくて、まんばを置いて帰ってしまう。

こんな物いらないとオシャレ用に買ってある伊達眼鏡を捨てる。

そしてまんばに恋していると自覚。
そうと気付けば腹を括るのは早い。まんばを振り向かせるにはどうしたらいいか考える。
長義は女遊びが激しかったため、ある程度女性の気持ちがわかる。こうすれば喜ぶとかこうすれば気を引けるとか。だけどまんばは規格外。何をすれば好きになってもらえるかわからない。

とりあえずチャラ男だと思われてるだろうからそれを払拭しようと真面目な格好をして見る。
スーツまではいかないながらもフォーマルさが滲み出てるデザインの方向で攻めてみる。
女の子の誘いもすべて断って、講義も真面目に出る。

講義中チラチラとまんばを見る。恋の欲目はすごいもので、まんばが可愛く見える。キラキラ。あんなにダサい服を着てるのに不思議。

講義後、勉強の誘いなら断らないだろうと目論んで、まんばを図書館に誘う。

「あんた、昨日もだったけど今日はマトモな格好なんだな」

この方向性で正解だったらしい。少し嬉しくなる。
まんばと始終二人きりでご機嫌。

徐々にまんばとの距離を詰めていく。
毎日一緒に帰るようになり、講義の移動とか一緒にするようになり、昼食を一緒に取るようになり
まんばはかなり気を許してくれているように見える。いろんな表情も見せてくれるようになった。それが自分だけの特権みたいで嬉しい。

脈がある、と感じ、そろそろ交際を申し出てもいいのではと考えるようになる。

「あのさ、堀川さん、その、そろそろ
俺達付き合ってもいいんじゃないかな!と言おうとしたが、まんばに遮られた。
「ん?そうだな、そろそろ他のやつの所へ行ったらどうだ?」
チュドーン
長義の戦闘機が爆撃された。

「は?」

「毎回俺にくっついてくる事ないんだぞ。ほら、あんたは頭良いから俺なんかと課題をしても何の役にも立たないし、話しててもつまらないだろ。お昼くらい他のやつと食べたらどうだ?」
「他の!?」
なぜ他の子を自ら勧めるんだ!と怒りに似た疑問が湧く。
「ほ、堀川さんは俺が他の子の所に行ってもいいのか!?」
「いいぞ」
ドゴォォォォォォン
長義の軍隊基地が木端微塵に消し去られた。

しかし長義は諦めない。初めて好きになった子だから、可能性がある限り頑張りたい。(※初恋)
まんばはなんで一緒に課題をするのかわからないようだった。一緒にいたいというのが理由じゃだめらしい。このままでは「あんたと一緒にいる意味がない」と図書館デートも断られてしまうかもしれない。
それを防ぐため長義はまんばに頼ってみることにした。わざとわからないフリをしてまんばに問題を聞く。

「ん?これはこの前の講義でやった公式にあてはめて……
自然にまんばが長義の方に身を寄せる。シャンプーの香りがふんわりする。
以前は女性との距離なんてこんなの近いうちに入らなかったが、まんば(本命)がこんなに傍に寄って来るなんてドキドキしてしまう。
「おい、聞いてるのか」
「え、あ、すまない、ちゃんと聞いてるよ」
「というかこれくらいの問題、あんたいつもなら解けるだろ。俺を試したのか?侮るのもいい加減にしろ」
怒らせてしまった。
「もしかして普段俺にくっついてくるのも何かからかってるのか?俺があまりにも惨めったらしく見えるから。あんたペチャパイとか処女とか馬鹿にしてたもんな」
「ち、違う!お前の事が好きだからに決まってるだろ!」
気づけば、立ち上がり大声を張り上げていた。

しかしまんばは信じてくれない。徐々に長義はイライラしてきた。
イライラしつつも、なんとか精一杯気持ちを伝えると、まんばはようやく真面にとらえてくれるようになった。これは気持ちを受け止めてくれるかもしれない。
長義は真摯に心からの想いを言う。

「お前が変わったやつだと思ってた、気になって仕方なくて、気を引こうとつい憎まれ口叩いて……。でもそんなんじゃダメだって気づいたから、お前の好きなタイプになろうと、お前のために他の女の子とは縁を切って、真面目に勉強してるんじゃないか!」

「待て待て、俺のためって、複数の女の子と付き合うのは不誠実だし、大学は勉強するのが当たり前の場所だぞ?どの辺りが俺のためなんだ?」

正論!

打ちのめされた。

今更当たり前のことをやっても、それは一般常識だから、評価されない。むしろ前が駄目すぎた。これで胸を張ってるようじゃ恥ずかしい。長義は思い直す。

「とにかく、お前のことが好きだ。付き合ってほしい!」
「すまない、俺はあんたのこと好きじゃない!」

玉砕!

再度打ちのめされた。取りつく島もない。
「うん……うん……そうでないとね他の子と違うお前だから好きになったんだ……。そういうお前だから……

一筋縄ではいかないとわかっていた。そんな性格を好いてしまったのだから仕方ない。

「これから毎日お前に告白するから、覚悟しておいてくれないかな」
「え、いやだ」

想いを伝えることすら拒否!

「他人の迷惑を省みず、自分の意思を通そうとするやつはどうかと思うぞ?」
正直ショックだった。まんばが長義の告白を迷惑に思ってるだなんて。
今まで長義を迷惑に思う女の子なんていなかったから、かなりショックだった。

「お前は俺の気持ちが迷惑なのか!?」
「あっ、いや、そうじゃなく!その!恥ずかしいから!」
そういうまんばは頬を染め、恥ずかしそうにそっぽを向いている。
「!?」

こ れ は 脈 あ り で は ・ ・ ・ ?
長義に一筋に光が差した。さらに問い詰めると、長義に見つめられると照れてしまうと言っていた。可愛い所があるじゃないかと思う。

これからも告白し続ければ、まんばはいずれ振り向いてくれるに違いない。
そう思った。


■補足
・まんばが恥ずかしがってるのは人の注目を浴びることであって、長義くんに気があるわけではありません。
・長義くんの猛烈な求愛にまんばは押し負けて、付き合うことになります。

蛇足にお付き合い頂きありがとうございました!


次ページに蛇足の蛇足。