「温かい物を出すから、座ってくれ!」
店長に内緒で、コーヒーをこっそり作り、長義に出してあげた。
「ありがとう」
長義に微笑まれ、まんばはドキドキした。刀であった頃はこんな風な表情を見せてくれたことなどない。しかし逆に言うと、長義に記憶はないんだなと思う。記憶がないから写しであるまんばにも他の人と同じような表情を見せてくれる。
「いや、別に」
まんばは恥ずかしくなって、素っ気なく言うと、顔を逸らす。客相手にNGな態度だった、後から反省する。それ以降は店の片付けで忙しいフリをして避ける。長義はしばらくしたら、「お金はここに置いておくよ」と帰って行った。
そして次の日から長義は店に来なくなった。
まんばはこの前の態度が気に食わなくて来なくなったのか、と考える。しかしまんばは長義を見るたびに昔の恋を思い出すので、もう縁が切れてよかったのではないかと思う。ずるずる昔の想いを引き摺るより、すっぱり諦めて気持ちを新たにした方がいいのでは、と考える。
しかし数日経って長義が再び店に現れた。どうやら風邪を引いていたらしい。まんばは温かい飲み物だけじゃ体が冷えてしまったのかと思い至る。
ただそれがキッカケでまんばと長義はポツポツと話すようになる。ただ単にコーヒーを渡す時に何気ない一言二言会話を交わすだけだったが、確実に距離は縮まっていた。
しかし、まんばはテスト週間に入ってしまう。学生なので親からは勉強しろと言われている。さすがにバイトは入れられない。
少しの間だけ我慢すればいいとまんばはその期間頑張った。
しかし、長義に一言も告げず、バイトを休んだせいで事件が起こった。
■解説
●長義が校門で待ち伏せしていた。
⇒ストーカー化です。
●長義が家に押しかけて来た。
⇒ストーカー化です。
●バイトでまんばの事をしつこく聞き、変質者扱いをされていた。
⇒ストーカー化です。
一貫して、長義くんはまんばに執着してます。
校門の場合は続きをご覧ください。
家の場合は外堀(親)が埋められます。
バイト先では皆からの誤解をまんばが解きますが、それ以降まんばに「ほら、その、アレ、変質者の(疑いだった)人来てるよ!」と言われるようになります。
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