あまりに短いので『興味はない』を選択した場合もやります。
興味はなかった。どうやら精鋭部隊で聚楽第へ出陣したらしい。
数日後、敵の部隊長を倒したと帰ってきた。
そしてさらに政府から配属されたという刀が来た。
それはまんばの本歌だった。
本歌はすぐに審神者に気に入られ、近侍に据えられる。
まんばは、本歌がいるなら自分はいらないだろ、雑用ばかりで何をしてるんだ、と惨めな思いをする。
毎日床の拭き掃除をして、風呂をブラシで洗い、みんなの服を手洗いする。
なぜ顕現したのかわからない。
本歌は顕現したばかりだと言うのにしっかりしてて、皆をまとめる素質もあって、まんばはかっこよすぎて近づけないと思う。
結局本歌を遠目で見るだけで、話すどころか、顔を合わせたこともなかった。
本歌もまんばの事は存在すら把握してないのではないかと思う。
ある日、本歌の提案で花見の宴会が行われることになる。
夜に庭でシートを引いて酒を飲んだり、食べたりする。
まんばは専ら雑用で、ゴミを片付けたり、料理を運んだりしている。
いつも料理は自分たちで作るのだが、刀全員参加のため、今回は買ってきたものを出していた。
ポテトやからあげ、お寿司やピザ、さきいかなどつまみもある。
全員参加と言いつつまんばだけは冷遇されているので、こんな日でも雑用をしている。
空の皿を回収して厨に運ぶ。
まんばはシンクいっぱいの皿を見て思う。
まだ、片付けがあるから諦めるしかない。
しょんぼりと皿を洗っている。そこに本歌が来る。
「酒が足らなくなったから取りに来たんだが、お前は?」
「え?あ、す、すまない
…すぐ持っていく
…!」
「全員参加と言ったのに、なぜここにいる?」
「え、いや、俺は
……」
言葉に詰まる。
みんなに雑用を押し付けられたと言うのも言いつけてるみたいで気がひけるし、それに誰かに今日強制されたわけじゃない、言ってしまえばまんばが自主的にいつもの仕事をしてるだけ。
しかし宴会に参加しようものなら、なんでお前がいるんだと言われることもわかってる。
「そ、それよりも酒はいいのか?待ってるんだろ?」
「ん?ああ」
上手くまんばははぐらかす。
本歌は酒瓶を抱え、まんばを見て言う。
「手伝ってくれないか、俺一人では持ちきれない」
次郎太刀とか日本号とかガバガバ飲むやつらがいるので、すぐになくなってしまう。
まんばもよく宴会場と厨を酒瓶持って往復するのでよくわかる。
まんばは酒を持ち本歌と共に外へ向かう。
「お前、見ない顔だが新入りか?」
「いや、前からいる」
「前から?」
本歌はしばらく黙った後、練度は?と聞いてくる。
「5」
「ご
…」
「戦場には殆ど出たことがない」
酒を置くと、本歌がまんばをじっと見てくる。
まんばは居たたまれなくて、厨に戻ろうとするが、本歌が引き止め、自分の隣に座らせる。
「酒は飲めるか?」
「え、いや、飲んだことがない
…」
猪口を持たされて酒を注がれる。
「一度試してごらん」
まんばは初めてのお酒を一口呑んでみる。
美味しい。
まんばは猪口を全部飲み干す。
「まだあるよ」
本歌がさらに注ぐ。
まんば再びコクコクと飲み干す。
「でも、そろそろ戻らないと
…」
「わかった、じゃあ最後にこれを呑んでもらいたい。美味しいんだ」
別の瓶を引き寄せ、本歌が注ぐ。
まんばは美味しいと聞き、わくわくしながら口をつける。
美味しい。これも一気に飲んでしまう。
まんばは、
厨に戻ろうとした。
しかし足腰に上手く力が入らない。
「?」
「どうかしたのかな?」
立てないと言うのはなんだか恥ずかしい気がして、黙って俯く。
本歌は察してくれたようで、優しく耳元で「肩を貸してあげるから、そっと戻ろう」と言ってくれる。
まんばは有難いと思う。
そして本歌に支えられながら屋内に戻る。
頭がくらくらして、真っ直ぐ歩けない。
本歌がいなければ柱や壁に激突していた。
部屋に着き、倒れこむ。
もうこのまま寝てしまいたいと思った。
本歌にお礼だけは言わなくては、と顔を上げる。
「あれ?俺の部屋じゃない
…」
歩く事に必死だった所為で部屋を間違えたようだった。
起き上がろうとしても腕に力が入らない。
「?」
「後で部屋には送ってあげるから」
「本歌?」
暗転エンド。
お付き合いありがとうございました。お疲れ様でした。
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