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残りの夜が来た
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ジュリエットの亡霊
映司とアンク
初出・同人誌(個人)「ジュリエットの亡霊」2021
書き込み感想もらえて嬉しかった
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「ダウンは脱いだ方がいいですよね。浮いちゃう」
《そうですね。でもできるだけ服を着てた方がいいです。寒いので》
実体験なのか他人の証言の引用なのか定かではないが、説得力はあった。長年の経験に基づくアドバイスに従ってダウンだけ脱いで柵に引っかける。ちなみにメダルは防寒用のボトムの内側、ジッパーのついたポケットだ。アンクは黙って浮いている。
わかってはいたけれど、一枚脱いだだけで這いあがってくる寒気が厚みを増した。この後あの湖に飛び込むのだと思うと、その想像上の寒さでさらに震えが走る。何か青いメダルを使って変身できたらもう少し気が楽だったかもしれないが、青いメダルは一枚も、いや、アンク以外にメダルなんて一枚もない、それどころかドライバーすら手元にない。今使えるのは己の身体とアンクと、そしてこの幽霊だけだ。
「あの、最短距離でお願いしますね」
《約束します。いいですか? 行きますよ》
という言葉の途中くらいから俺は文字通り意識を飛ばされ、
目を覚ましたのは真っ暗な水の中だった。無事目覚めたということは、アンクは俺に憑かずに済んだようだ。
昨日体験済みとはいえ慣れているわけもなく、容赦ない水温に心臓を掴まれる。衣類と皮膚の間で少しだけ温まった水が身体を包んでいるが、それもほとんど保冷剤のような冷たさで、じわじわと体温を蝕んだ。
《
……
起きたか》
アンクの声にうなずき、すべての空気を吐き出しそうになってしまうのを何とかこらえる。
少しずつ気泡を吐き出すが、どうやら耳抜きをしていないようで、痛みに目玉が飛び出そうになった。まあ、してくれないだろうなと思ってたけど、と鼻をつまみ、耳抜きを試みながらライトを点ける。暗闇の中に浮き上がったのは、ゆらゆら舞う白い布だった。女性の衣類のように見える。
本当にあったと思って近づくと、
「
……
ッ、」
驚愕した喉がひきつった。
《
……
むちゃくちゃだが、嘘は吐いてなかったみたいだな》
俺は、良くて水に揺れる白骨を想像していた。
ロミオが嘘を吐いているというより、白骨、でなければその残骸、あるいは別の何かに、ロミオの目がジュリエットの美しい肉体を上書きしているのだろうと考えていたのだ。ミイラのように防腐処理を施したわけでもなく、そしてせめて氷の中ならともかく、水の中だ。四十年水の中にあって生前のままの姿を保つ死体はないだろう。それが何かに引っかかっているとか、見えない対流に巻き込まれて水底に繋ぎ留められているとか、そういうことを想像していた、のだが。
しかし目の前で揺れているのは、白い肌と金の髪。肩を叩いたらあくびをしながら開きそうな薄い瞼、今から歌いだしそうな半開きの唇、
……
それから《見せてあげたい》と微笑む血塗れの男の顔。
どうなっているのかわからないが、考えている時間はない。
死体が揚がらない原因が見えない対流だとしたら俺も道連れになってしまうが、確かめるためにちぎって放してみた紙切れは、何の力も加わらずにただふわふわと漂っている。
地形的にも対流は起こらないように見えたので、俺は水を蹴って進み、失礼しますと断ってから死体の腰に手を回した。引っかかっているのなら、引っ張って足が取れたりしなければいいけれど。
試してみるくらいのつもりでほんの少しだけ引っ張ってみて、俺は焦った。動きそうになかったからではなくて、何の抵抗もなく、すぐに彼女が浮いてきたからだ。
あまりのあっけなさに、俺はほんの少しだけロミオに同情してしまった。あと少しだけ稼働距離が長ければ、こんなに長い時間はかからなかっただろうに。
抱きかかえ直したジュリエットに四十年分の重みはなく、むしろ大きなぬいぐるみのように軽くて心もとなかった。なんとなく不安な気持ちになっていると、アンクがゆらりと横切った。
《とっとと上がれ。時間が経ってる》
(わかってる)
片手で水を掻きながら上を目指す。十数えたくらいでぼんやりと声が聞こえはじめた。
《ああ! ありがとう、ああ
……
本当にありがとう》
言葉とともに、水の中でも散らない血をつけた男の姿が浮かび上がった。その顔が本当に感極まっていたので、俺は簡潔に、よかった、と思った。複雑な思考はできなかった。息が続かなくなりそうだ。
(このまま上がります。上で待ってて)
《ね、綺麗なままでしょう。
……
ああ、ごめん。ずっと寒かっただろう。待たせてごめん》
《おい、後にしろ》
《本当にごめん、何十年もごめん、
……
ごめん、本当に》
彼の声の途中で、俺の身体の動きが止まった。
(
……
、)
俺の意思ではない。
《映司何してんだ早く、》
わかってる。呼吸が限界に近い。薄い氷で乱反射する月明かりが見えるから、もう少しで水面のはずだが、
《オイ!?》
目の前を大量の銀の球がよぎった。
俺の肺から出た息の残骸だというのに気づいたのは、それらがスタジアムの風船のように昇っていく様を見てからだ。
《すみません、また身体お借りします。返せないけど》
俺、の両腕が勝手に、ジュリエットを抱きしめた。白い腕の肘から先だけがふわりと揺れる。《俺やっぱりここで彼女と一緒にいます。この身体と一緒に》
《
……
ッ》
だからほっとけって言ったんだ、というアンクの声を遠くにぼんやり訊きながら、身体の中にまだこんなに空気があったのかという気持ちで、自分の口から舞い上がる泡を見上げている。
《映司寝んな!!
……
クソ憑けねぇ、どうなってんだ》
《単純に俺のほうが強いからじゃないかな? あなたたちも仲良く一緒に沈んだら良いですよ》
《うるせえ、オイ起きろ映司!! とっとと締め出せ!!》
締め出す。
……
締め出す。俺の身体はどういうふうに支配されているのだろう。それが呼吸のように自然すぎて、俺にはロミオを締め出す方法が、わからない、アンク、
《死んだ俺たちは、生きてるものの知覚に隷属してるんですよ。知ってると見えるとか、気づかれると話せるとか。それが多ければ多いほどいい。だから有名人の俺は強いんだ。手のあなたは、最近まで誰にも気づいてもらえなかったんでしょう。この人は酸欠で意識を失っちゃいそうだし、俺のことを締め出すのは難しいと思う》
月明かりが遠くにかすむ。水をもう冷たいと感じないし、なんだか幻聴まできこえる。
……
貸して。
……
何を? 身体?
誰だろう。立ち入り禁止になる遥か昔に溺れた子供だろうか。肝試し中に運悪く足を滑らせた同伴者とか? どっちにしろ俺の身体は俺とロミオで取り合い中で、大入り、満員、
……
、
腕の中で金色のまつげが揺れているのを、俺はうっとりとみつめた。
彼女を花にたとえるなら雛菊だが、別に、雛菊だから好きだったわけじゃない。きっとダリアでもひまわりでも彼女が好きだった。だってお互い、好きになってはいけないのに、こんなに惹かれあったのだから。片時も離れてはいけなかったのだ。
それなのに俺はあの日、彼女を先に行かせてしまった。追いかけた彼女は水の中で待っていてくれたのに、俺は失敗してしまったのだ。だから、謝らなくては。ずっと一人にしてごめん。こんなに長い間、こんなに寒い場所に残してごめん。
着ぐるみみたいな身体をもどかしく思いながらそれでも彼女を抱きしめて、俺は息を呑んだ。
俺の背に、その細い腕が回ったからだ。
《
……
まさか、》
彼女の顔がゆっくり持ち上がる。開いた薄い瞼から現れたのはガラス玉のような菫色の瞳、それが、俺をじっとまなざしている。この世界の誰よりも美しいその瞳が、意思をもって、俺を見つめている。
《
……
そうか、君の魂も身体と一緒にここにいたのか》
額を寄せて頬に手を当てると、彼女は俺と同じようにこちらの顔に手を伸ばした。
……
こうしなければ彼女に触れられないとはいえ、ああ、こんなにも借り物の身体でいることを悔やんだことはない!
俺の悲しみをなだめるように彼女の柔らかい手が頬を滑り、耳に触れ、首筋を這った。
―
大丈夫だ、出してやるから。
《
……
え?》
その手は俺の首を包むと、ゆっくりと締め上げた。
もう気泡のひとかけらも出ない口がぱくりと開く。搾り上げられるように締まる喉から、剥がされた俺が、引きずり出される。《
……
っ!?》
とっさに彼女の腕を掴み返したが少しの抵抗にもならなかった。借りた身体から見える視界と俺自身の視界がずれて二重になり、やがて片側に収束する。彼女とあの男、浮上していく二つの身体を呆然と眺めながら、俺は叫んだ。《お前、誰だ!?》
《ずいぶんな言い草だな》
彼女の身体から聞こえたのは、腕の声だった。動揺と怒りで目の前が白む。《おま、なんでっ
……
》
《お前の恋人だろう》
《彼女の身体から出ろ!! すぐ出ろ!!》
叫んでいる間にも、俺は容赦なく彼女の身体から遠ざけられていく。借りた身体はとっくに首を解放されて彼女に抱かれているのに、水底へ引きずり込まれる俺の首は、誰かに締められたままだ。《誰、誰が俺のことを、
……
やめろやめてくれ、なあ! その身体で俺以外に触らないで》
《今更何言ってんだ。それに俺は許可をもらってる、お前と違って》
俺はそんなこと許可していない。誰の許可だ。一体誰の、
……
俺を引きずり込んでいるのは誰だ。俺を身体から引っ張り出したのは誰だ。
あの腕にそんなことができるはずがない。
《この辺で有名なのは、お前よりもその女の方らしいじゃないか》
なんで?
ぎぎぎと鳴りそうな首をひねって後ろを見る。《お前よりずっと強いみたいだな》
揺れる金髪、菫色の瞳。
……
濁った白目。ぶよぶよと膨れた、青白く、おぞましい、変わり果てた、
《な、な、なんで、そんな姿、》
《あなたと違ってここで死んだから》
《あの身体は、なんで、》
《あんなのハリボテだよ。すぐ崩れちゃうから忘れよう》
《
……
なあ聞いてくれ、愛してるんだでも、》
《私も愛してる。あなたがここに来るのをずっと待ってた》
言葉を切ったそれは、少し笑って言った。《なんであの時引き返したの?》
四十年前、
人目を憚った俺たちは、この湖で待ち合わせをした。時刻に間に合わなければお互い先に行こうと約束するくらい、俺たちは愛し合っていた。遅れた俺は当然、先に行った彼女を追いかけた。でも引き返した。このおぞましい姿を見たからだ。俺は美しい彼女を喪ったことに絶望して自死した。だから、美しいままの君に会えて、嬉しかったのに、どうして、
《やめろ、やめてくれ、俺は、聞いて、あ、あ、ああ、》
あんなに愛した美しい身体は、知らない男を抱いて遠ざかっていく。俺は水底に、暗くて寒くて冷たい水底に、吸い込まれていく。変わり果てた女とともに。
「
……
起きろ映司!!」
目を開ける。
ジュリエットの身体に抱きかかえられた俺は、ちょうど水面に出たところだった。岸まであと十メートルくらいだろうか。
意識が戻ると知覚も戻る。咳込みながら水を吐き出し、それがひと段落すると今度は寒さに喉の奥がひきつった。不規則に弾む呼吸と勝手にぶつかる上下の奥歯の間に、俺はなんとか言葉を乗せる。
「
……
アンク、お前えらい、」
「
……
馬鹿が馬鹿な真似するせいで、身体がいくつあっても足りない」
「
……
ホントだな」
「何でできてるのか知らないが、この身体はハリボテだ。たぶん陸の重力に耐えられない。上がったら、」
「わかった。自力で戻れる」
アンクは少し言葉を切ってから、「お前とっとと俺の、」と言った。しかし、ジュリエットの声帯が細いのかそれがハリボテだからなのか、俺の、の後が水音に紛れてしまって聞こえない。
泳ぎながらの会話も難儀だ。後で訊こうと思いながら、俺はまだどこか霧のかかったような頭の中で、過去のことを思い出していた。昨日どころか、今までずっと、何度も何度もこうやって、俺はアンクに引っ張り上げられていた。
なんで忘れていたんだろう。
なんであんな夢を見ていたんだろう。
「火野さん! 火野さーん!! 起きて!!」
「ちょちょ、ちょっと待ってください!」
Cさんがドアを叩く音にはだいぶ前から気づいていたし、それを無視するつもりも全くない。ただ、昨晩宿中からかき集めてもらった毛布で俺はほぼ簀巻き状態になっていて、そこから抜け出すのに時間がかかっていた。
「待って! 今行きますから!」
昨晩は二人とも疲弊していた。とりあえず顛末だけを確認しながらずぶ濡れの身体を引きずり、宿に戻ったのが五時前だった。ガンガンに焚いた暖房のおかげで窓はだいぶ結露していたが、その外側がすっかり明るくなっているのはわかる。ここの日の出は十時前くらいだから、睡眠は取れている。実際頭もすっきりしているし、身体にもおかしなところはなかった。
そのせいか、はじめに溺れた時と同じように、昨夜のことを夢みたいだな、と思う。
「なあアンク、」
振り返るがしかし、この短期間ですっかり見慣れてしまった姿が見当たらない。「アンク?」
「火野さーん!!」
先にCさんだ。
急いで服を着てドアを開け、おはようございますと俺が言う前に、彼は紅潮した顔で叫んだ。
「出たんですよ!!」
ぎょっとして問い返す。「
……
幽霊?」
「や、もう火野さん、違います! 遺跡! 崩落したところを掘り進めたら、人の手の加わった空間が出てきたって、さっき先発隊から連絡が」
今度は胸の底が揺れた。何かあるかもしれない。
……
おいアンク、聞いてるか?
「早くお知らせをと思ったんですけど、電話が通じなくて」
言いながらCさんは我に返ってしまったようだ。トーンダウンした口調で頭を下げる。
「すみません、起こして」
「いやいや俺が寝坊しちゃって! こちらこそすみません、ご連絡ありがとうございます。鴻上さんには」
「一報入れてます。火野さんがこの後どうするかも含めて連絡するって。もう来てるかも」
「確認します。
……
あのCさん、つかぬことをお伺いしますが」
「はい」
「お身体何ともありませんか?」
「
……
? はい」
「よかった、何よりです」
「どうも」
内心で胸をなでおろしながら、俺は「いったん鴻上さんに連絡を取ります」と踵を返した。
のだが、「オイ映司」
肩を掴まれ、再びCさんに向き直る。Cさんというか、「アンクお前、何してるんだよ」
俺はこいつがふざけているのだと思った。でなければ何か緊急事態だ。
人の身体を勝手に使うのは良くないけれど、前者であればいいと思った。
……
聞いてただろアンク。今から一緒に遺跡に行こう。帰国はいったん見送らせてもらおう。すぐに復活っていうのは難しいかもしれないけど、でもお前はいきなり来たからな。もしかしたら、蘇るときもいきなりかも。
あらゆる言葉を形にする前に、俺は前者ではないと悟ってしまっていた。
「お前がまた鈍くなったせいだ。こいつにはお前が謝っとけ、お前のせいなんだから」
「
……
一応聞くけど、何かしたら戻ったりする?」
「知るか」
「だよな」
「それになんだか知らないが、えっ何これ、こうして憑くのも難しくなってる、えっ?
……
今朝から急に、」
挟まる声は紛れもなくCさん本人の意思の元にあった。俺はどこか冷静に、混線したラジオのようなその音を聞く。
人々を湖に向かわせていたのは、本当にジュリエットだったのかもしれない。彼女は彼を手繰り寄せるために、たくさんの糸を仕掛け続けていたのかもしれない。俺もアンクも、もしかしたら鴻上さんも、それに引っ張られて駆り出されてしまったのかもしれない。
そうだとしても、結果は一緒だ。この部屋、「本当にサプライズプレゼントだったんだ」
「あァ?
……
オイ映司、鴻上に礼なんか言うんじゃねぇぞ! えっ、火野さんこれ、出てきてやったのは俺だ」
「
……
そうだな」
笑った俺に一歩近づいたアンクは、「それから映司」とこちらの眉間を指した。「忘れんなよ」
「貸し二のアイスだろ」
「馬鹿、昨日の入れて三だ」
「
……
しょうがないなあ」
分かればいいというようにアンクはにやりと笑い、うなずく。
姿かたちが変わってもどうしてもこいつとわかってしまうその笑みを目に焼き付けながら、それでも急速にCさんの支配下に戻っていく顔に、俺も「またな」と笑い返した。
「
……
約束だ、」
「
……
っうわ、わ、なんだ、」
がくんと肩を揺らしたCさんは、落ちる夢を見た後みたいに憔悴していた。
腕をさする彼に心の中で謝りながら、「どうかしたんですか」とすっとぼけると、Cさんは首をかしげ、
「え、いえ、何だろ、何でもないです」
そしてボロボロと涙をこぼした。
「何でもないんですけどなんで俺泣いてるんだろう」
「
……
大丈夫ですか」
気遣う俺の声も掠れてしまっている。
Cさんには本当に申し訳ないけれど、俺はそのことが少しおかしくて、かすかに息を震わせてしまった。
……
そう、おかしいからだ。鼻の奥がツンとなっているのもおかしいから。
俺に見えないだけでその辺をふわふわしているらしいアンクに、変な顔を見せたくなかった。後で何を言われるか分かったもんじゃない。
「すいません、あ~、またあれかな。私、こういうの引き寄せやすいんですよね、この間言いましたけど
……
。失礼しました。じゃあ、現場に戻りますので」
踵を返した彼に「Cさん俺も行きます!」と声をかけると、「車出して待ってますよ」と返事があった。それから、
「どうもありがとう。やっとせいせいしました」
なんとなく見覚えのある、しかし俺の知らない表情でゆるく微笑むCさん
―
の身体を借りたのであろう誰かは、それだけ言い残して階下に消えた。
窓を開けて首を突き出す。
真っ白なのは俺の息だけで、湖の霧は跡形もなく消え失せていた。凍って輝く湖面にはところどころ雪が積もっていて、集まり始めた観光客がいつもよりざわめいている気配がした。
「霧晴れたぞ。見えるか? アンク」
メダルに触れながらつぶやくと、冷たい風にふわりとカーテンが揺れる。
昨日の晩聞きそびれたことは、次に会ったときに聞くことにする。もしかしたら、その時にはもう要らない言葉かもしれないけれど。
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