シフォン
2022-06-05 23:20:43
1140文字
Public 小説
 

2022年秦兄弟誕生日小説

注意:現パロで少々ファンタジー気味。兄弟がスマホを使ってます。


重力に身を任せて、明るい地上を目指して。
重力に逆らって、明るい水面を目指して。
辺り一面真っ暗な中、懸命に進む。

空を裂くような雷鳴が響いて、雲に呑み込まれそうになっても。
気まぐれに潮の流れが速くなって、波に押し流されそうになっても。

それでも諦めずに、光を追い続けた。
そこにいると確信していたから。
あの光を追えば、必ず会える。


ようやく辿り着いて、目にしたのは。








「兄さん!」

「崇秀!」

光の先にいたのは、この世でたった一人のきょうだいだった。
嬉しくて嬉しくて仕方が無くて、互いを強く抱き締める。

「あの光が見えたとき、絶対に兄さんだって思ったんだ。
 海の中からはっきり見えたよ、本当に嬉しかった」

「俺も、崇秀がそこにいるって思った。
 何故かは分からない。けど絶対にお前だって。
 あれに追いつかなければ、もう二度と会えないって分かったから、だから……!」

……ずっと不安だったんだ。会えなくなるのが本当に怖かった。
 でも、やっと会えた。兄さん、ありがとう。僕を見つけてくれて……

「お前を手放すのが、恐ろしくてたまらなかった。
 これからもずっと、ずっと一緒だ。本当にありがとう、崇秀……