ベコ
2024-11-11 23:39:56
2744文字
Public マンギャメ
 

短文まとめ

練習がてらちょこちょこ書いてた短文のまとめ


【少年のたわ言】

どこまでも青く澄み渡る広い空にうららかな陽の光。
草花の香りを乗せたそよ風が、原っぱに寝転がる少年たちの頬をくすぐった。
ゼノイラ軍の台頭で混乱を極める世界情勢なんてまるで嘘のように、今このひと時だけは穏やかな時間が流れている。

「俺、いっそ盗賊にでもなっちまおうかな」

ふと頭に浮かび上がった思考がそのまま口をついて出た。

「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ、マンドラン」

ギャメルは勢いよく起き上がり、隣に寝そべるマンドランを咎めるような目で睨みつける。

「ンなことしたら、俺が思いっきりぶん殴ってでも目ぇ覚まさせてやる。大体、お前みたいなボケッとしたヤツに盗賊なんか務まるかっての」
「別に、本気じゃねぇよ。そんな怒るなって」

少し嘘だ。半分は本気だった。
ただでさえ生き延びるだけで精一杯の暮らしをしているというのに、そのうえ突如として現れたわけのわからない軍勢にそこら中の土地を荒らされて、この先まともに生きていける保証なんてどこにもない。それならばいっそ……などと、つい邪な考えが頭をよぎってしまったのだ。

(でも、俺にはギャメル達がいる)

友のために真剣に怒るギャメルの姿を見て、マンドランは思い直した。
大切な親友とその妹を悲しませるようなことはしたくない。生活は苦しくとも、彼らと共に過ごす中でささやかな幸せを得られればそれでいい。
盗賊になってやろうなどという愚考は清風に流され、いつの間にかすっかり消え去っていた。