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ベコ
2024-11-11 23:39:56
2744文字
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マンギャメ
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短文まとめ
練習がてらちょこちょこ書いてた短文のまとめ
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【暖をとる】
北国の夜は寒い。至極当然の話である。
防寒具の支給はされているが、どうしたって寒いものは寒い。この極寒のバストリアスに住む獣人の中にも寒さで凍えそうだと語る者がいるくらいなのだから、毛皮を持たないただの人間なら尚のことだろう。
少しでも寒さを凌ごうと、ギャメルは寝具の中で自身を抱きかかえるように小さく縮こまっていた。そうしているうちにうつらうつらとしてきて、ようやく眠りにつけると安心した矢先。
「なあギャメル、寒すぎて全然寝れねぇんだけどよ」
背後から飛んできたマンドランの一声で、せっかくやって来た眠気がどこかへ逃げてしまった。
「うるせぇなぁ、雪国なんだから仕方ねぇだろ。さっさと慣れろ」
寝入りを妨げられた怒りで知らず知らず声が尖る。
クソ、もう少しで眠れそうだったのに。堪え性の無い奴め。こっちだって寒い中なんとか寝ようとしてんだよ。
ギャメルは己の体を抱え直して目を閉じ、眠気の再訪を静かに待った。
「いや、俺もう無理だ。耐えらんねぇ」
ごそごそ身じろぐ音が聞こえたかと思うと毛布がふわりと浮き上がり、冷えた空気と共にマンドランの体がギャメルの隣に滑り込んできた。
「おい、なに勝手に入ってきてんだよお前」
「別々に寝るより、こうしてくっついてた方がいいだろ。毛布だって重ねて掛けりゃもっとあったけぇし」
マンドランは自分の毛布を上から重ねると、ギャメルの背中にぴったり張り付いた。一度起き上がって冷気を浴びたせいか、その体はひんやりとしている。
「いや冷てぇよ、逆に寒いわ」
「お前の体だって冷えてんだろ。こうしてりゃそのうちあったまってくる」
背後から長い手足が伸びてきて、抱き枕でも抱えるかのようにギャメルの体に絡みつく。ギャメルはマンドランの腕の中にすっかり閉じ込められてしまった。
「
……
狭っ苦しいんだがよぉ」
「あ〜〜〜、あったけぇ
……
これで眠れる
……
」
ギャメルの抗議などお構いなしだ。マンドランはまどろみながら、はっきりしない声で何やらむにゃむにゃ呟いている。
相変わらず人の話聞きやしねえ。
だがマンドランの言う通り、じんわりと体が温まってくるのを確かに感じていた。一人で寒さに耐えていた時とは比べ物にならない暖かさと安心感。人の体温とはこんなに心地良いものだったか。
(
……
あったけぇな)
頭のすぐ後ろからすやすやと安らかな寝息が聞こえてくる。その規則正しい呼吸音に誘われるように、ギャメルの意識も次第に遠のいていった。
寒夜のなか穏やかな温もりに包まれながら、朝の光が射し込むまで二人は揃って快眠をむさぼった。
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