キャンディ

コノチャ♀
https://www.pixiv.net/novel/series/12007385
色々なプロット切り貼り詰め合わせの話。
時系列としては新AA完成直前くらいで、C.E.76の一月とか。付き合いはじめて半年経ってないくらいのまだ初々しい時。



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 ラミアスとの通信を終え、チャンドラにメッセージを送った。出来れば会って謝らせて欲しい。顔を見たくないならせめて短時間でよいから通話に応じて欲しい。
 今更何を言ってもダメなのかもしれないが、コノエが罪に問われないように医官とラミアスを説得してくれたと言うから一縷の望みを捨てきれない。
 メッセージの返事は五分も経たずに来て、確認すると、今から会いに行ってもいいですか。と書かれていた。
 艦長室に居る。と返信したらすぐに来客を告げるブザーが鳴った。チャンドラが通路で端末を操作していたのは明らかだった。
 急いでドアのところまで行き、深呼吸してからロックを解除する。
 ドアを開けると端末を握りしめた軍服姿のチャンドラが立っていて、「入っても?」と聞いてきた。
 無言で一歩脇に避け、チャンドラを招き入れた。部屋に入ったチャンドラの左手の制服の袖口からは怪我させたところを軽く固定するための白いサポーターが見える。
 部屋の中に入ってデスクの前で立ち止まるチャンドラの後ろでコノエは床に膝をついて待った。
 振り返ったチャンドラが驚いた顔をする。
「えっ、コノエ大佐?」
「申し訳なかった」
 チャンドラを見上げて、謝罪する。
「あっ、ハイ」
「どうしたら償えるだろうか。何でも君の言うとおりにする」
「えぇ?」
 困惑している姿に、もうダメかと心が折れそうになったが、諦めるわけにはいかない。
「もちろん簡単に許せるようなことではないと理解している。君は、これまで私のような男の存在に苦しんできたんだ」
「いや、コノエ大佐みたいな人はいませんでしたが
 チャンドラの発言に絶望した。確かに腕を掴んだだけで骨を折るような暴力的な男がナチュラルに早々居るわけがない。そうか、もう本当にダメかもしれない。
 こんな形で破局を迎えるのかと気が遠くなりかけていたらチャンドラがコノエの手を取って言った。
「立ってください」
 しかもまさかチャンドラから触れてくれると思っていなかったので驚きに目を見開く。
「ダリダ?」
「え、なんすか」
「私に触れるのが嫌じゃないのか」
「は? なんでそうなるんですか」
「私は、君に酷い事を怒ってないのか」
「もう謝ってくれたし怒ってないです。てか、自分が風邪引いてるのに休まないって意地張ってたの心配して引き止めようとしてくれただけじゃないすか。ごめんなさい」
「は?」
 意味がわからない。本気で理解に苦しむ。
 明らかにコノエが悪いのに、何をどうしたら謝られる事態になるんだ。私が犯した罪はチャンドラの中で罪と認識されていないのか。
 促されるまま立ち上がると、チャンドラが怪我した手を後ろに隠しながらぶつぶつと告白した。
「そのぉ、仕事休んだら、あなたが触ってくれなくなっちゃうかなぁってその、下心があってぇ
「したごころ?」
 もじもじと床を向いてはちらっとコノエの表情を伺い見てくるチャンドラ。頬を赤らめ照れていて更に困惑した。
「せっかくミレニアムに乗ってるんだし、いっぱい抱いてほしいよなって
 コノエは両手で顔を覆って天を仰いだ。何を言ってるんだこの子は。
「アッ、お、こっちゃいました、よね? 仕事でミレニアムに来たのにエロいことばっか考えて引きますよね。あは、あははっあのすみません
 チャンドラの声は尻すぼみに小さくなっていって最終的に震え出した。
 顔を覆っていた手を外してチャンドラを見るとすっかり俯いて涙目になっている。
 演技っぽく無いのが困る。天然でこれを言ってるのか。かわいいな、クソッ!なんのつもりだ!今、金銭を要求されたらいくらでも払ってしまうかもしれない
「ちゃんと休みの申請しますので今回はそれで許してもらえませんか」
 何故かチャンドラの方が悪いような言い回しに危機感を覚えた。
「待ちなさい」
「えっ」
「色々と訂正させてもらう」
「なにを」
「今回の件、全面的に悪いのは私の方だ」
「コノエ大佐がですか」
 初めて知ったと言わんばかりだ。心からそう思っていそうでタチが悪い。こんな考え方をしていたらコノエの認知まで歪みそうだ。真実のみを共通認識にしておく必要がある。
「そうだ。君に風邪をひかせたのも私のせい。過保護なまでに心配して休ませようとしたのも私の過干渉。君が恋人同士の時間を大切にしたいと思ってくれていたことに気づかなかったのも、怪我をさせたのも私のせいだ。全部私が悪い。君は全く悪くないからこれ以上謝らないように。むしろ怒るべきだ」
「風邪引いたのは大佐のせいではないと思いますが
「私のせいだ」
「はぁ。でも、自分、コノエ大佐とどうしてもエッチなことをしたくてそれで、上官に反抗的な態度を取ったのは良くなかったですよね」
「ンッ!」
 チャンドラの口から出た「エッチ」という単語に悶えそうになったがギリギリ堪えた。
「そ、れは別に悪いことではないよ。恋人同士なのだからあって然るべき感情だし、そう言うことならプライベートでのやりとりとして認識する」
「そうですか」
 あからさまにホッとしてほにゃっとわらうチャンドラの笑顔が刺さってもはや床を転がりまわりたい心境だがこれも耐えた。
「大佐も、したいと思ってくれてるんですか」
「そうだな」
「あの、じゃあ自分、今から二時間休憩で」
「今から」
「だめですよね! 流石に!」
「そんなことは言ってないが?」
「いいんですか?」
「私の方こそ尋ねたい。私が触っても良いのか? 怖くない?」
 チャンドラは顔を真っ赤にして頷き、無傷の方の手をコノエに伸ばしてきた。軍服の袖の生地をちょっとだけ摘んだかと思うとぽつりと言った。
「怖くないですよ。あんまり一緒に居られないですし、大佐にいっぱい触って欲しい、です」
 あまりの可愛さに理性崩壊の危機だったが、今日は流石に自制心が勝った。
「わかった。その前に一ついいかな?」
「え?」
「手洗いうがいではなくて、シャワーを浴びていいかな。五分以内に済ませる。ベッドで待っていてもらえるかな?」
はい?」
 ラミアスの助言は聞き入れるべきである。チャンドラに了承を得たコノエはシャワー室に飛び込んだ。