草枕
2024-08-01 17:09:35
1889文字
Public PBD
 

PBD・海底列車探索一日目

二万点・ケレウスの海底列車探索パート一日目まとめ



薄らとした覚醒と、抗えない入眠を何度か繰り返したような気がする。「起きて」という声に、ケレウスは弾かれたように身体を起こした。頭の周りにたゆたう眠気が、群れの小魚を散らすように消えてゆく。天井が違う。ベッドが違う。部屋が違う。ここは、海底列車の中だ。居る筈がない。居る筈がないのだ。声の主を確かめようと、部屋を照らすため手を伸ばしたペンライトを撫ぜる。サンゴくんがこちらを見てニヤリと笑う。おう大将、ぐっすりオネンネしてたと思えば、初恋の女にキスで起こされる夢たぁ、ふてぇ野郎だ。──いやほんと、自分ながらお気楽過ぎて、流石にちょっと恥ずかしい。それでも、幻とは言え、焦がれた声で覚醒する起床が心地良いことを否定するような捻くれ方はしていない。嬉しいものは嬉しいのだ!
鼻歌とともにトランクを開く。荷解きが終わったら今度こそ、列車内を見て回ろう。さて、どこにいこうかな。