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アヤ↑30
2023-12-27 13:37:18
8975文字
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その嫁、怪物につき。
きみのまちサンドロックのドクターファン×うちビルダー(ナギサ)の話。ファン先生の様々なトラウマの元凶であろう、継母と義兄がサンドロックに来たら…なif話。
・トラウマに苦しむファン先生がいます。
・ナギサの口悪い、ブチギレ状態
・ファンナギ結婚済み。
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ナギサは静かに継母と義兄を尾行する。
辿り着いた先は水問題を解決したおかげで川ができ、その影響で日中は美しい虹が見える渓谷。今は夜のため虹は見えないがそれでも美しい岩の山々が連なる美しいスポットだ。
継母・・・リタはその景色と月をバックに自撮りを始め、義兄のタスクは側にいたトゲジャンパーを蹴飛ばして遊んでいる。
下品かつ幼稚な姿に心底不愉快な表情を浮かべたナギサだったがすぐに「親切な」ビルダーの表情をして二人に近づいた。「どうですか?サンドロックは??」
何気なしに話しかけられた二人はナギサの姿を見て一瞬警戒する。
「・・・貴方誰よ?」
「初めまして、あたしはナギサ。この街のビルダーです」
リタはふーん、と興味なさそうに返事をするとカバンからコンパクトミラーを取り出して化粧直しを始める。
「あ、そう。ビルダーとかよく分からないけど、貴方もよくこんな街に住めるわね。砂埃は酷いし暑いしで最悪よ!おかげですぐ私のメイクも崩れるし、服も汚れるし!!」
その言葉を聞いてナギサはニコニコ嗤った。
「ははは、おかしな事言いますね。汚れてるのはアンタの方でしょ」
「は???」
街の悪口を言われ、ぼそっとこぼしたナギサの言葉にリタは一瞬で顔を歪める。
その顔はまるで鬼婆だった。
「なんですって??」
「あー、ごめんなさい。大好きな街をアンタみたいなクズ人間に貶されたのがムカついちゃって。アンタなんかよりこのサンドロックの方が何千倍も美しいし立派ですよ」
「貴方さっきからなんなの!?!?」
リタは怒りで顔を真っ赤にし、鼻息を荒くしながらナギサに近づく。タスクも母の悪口を言われたのが許せないのか彼女の胸ぐらを掴み上げる。
「おいお前!!さっきからママに失礼だろ!!謝れよ!!謝れ!!!」
「ギャーギャー五月蝿いなぁ
…
夜なんだから静かにしたら??大声出してみっともない。・・・ほんっと不愉快」
「このっ・・・」
タスクは拳を振り上げてナギサに殴りかかろうとした。しかしその拳は止められ、逆にタスクはその手首を捻りあげられる。
「なにすんだこのアマっ!!・・・い、いてぇ!!いててて!!!!!!」
「坊や!!ちょっと貴方!!私の坊やに何するのよ!!??」
「・・・ある意味似たもの同士の親子だね。本当に気持ち悪い。・・・あたし、アンタらの事知ってるよ」
「はあ!?何よ、私たちの何を知ってるっての!?」
リタがそう喚くとナギサの瞳が鋭くなる。
「・・・アンタ、随分ファンの事痛めつけてくれたね。あたし聞いてるんだよ??彼からアンタとこのクソ兄貴がどんな仕打ちをしてきたかを」
「だから何??」
リタはハッと鼻で笑うと次の瞬間にはヒステリックに再び喚き始める。
「どこの誰だか知らないけど他人が人の家庭にギャーギャー首突っ込んでくるんじゃないわよ!!!!!!それに私はあいつの親なんだからあれは躾よ!!しーつーけー!!!!!!!」
「はぁ。躾」
「そーだそーだ!!あいつ生意気だからよ、俺も兄として躾してやったんだ!!!さっきも愚図の分際で俺とお母さんに楯突いてきたから一発殴ってーーーー」
ーーーーーゴッッッ
意気揚々と語っていたリタとタスクの話はそこまでだった。
二人の顔に鈍い音を立てながらナギサの拳がめり込み、思い切り吹っ飛ばされる。
普段ビルダーとして働いてる故か、細腕でありながらその力は強く、殴られた本人たちはもんどりをうって倒れた。
「ぶっ・・・が、な、なにふんのよおおおお!?!?!?!?」
「てんめえ!!!!!!」
リタは鼻血を出しながら血走った目でナギサに金切り声をあげ、タスクは殴られた衝撃でふらつきながらも殴りかかってくる。
するとタスクは視界の隅に銀色の何かを捉えたと思うと何か良からぬ気配を感じ、反射で交わした。
避けた瞬間に感じた頬の鋭い痛み。
タスクのニキビとそばかすだらけででっぷりと肥えた頬に一筋赤い線が走るとそこから血がゆっくり流れた。
目の前には槍の穂先をこちらに向けたナギサ。無表情だが完全に激怒しており、彼女の飴色の猛禽類の様な瞳はギラギラとして今すぐにでも首を刎ねてきそうな勢いだった。
静かになった二人を見てナギサは静かに口を開く。
「殴られたぐらいで何ビービー喚いてんだ??アンタらはこれをファンにしてきたんでしょ???なあ。おい、どうなんだ!?!?!?!?」
「ひいっ」
ナギサの怒声にタスクは完全に戦意喪失で尻餅をついてしまう。
「な、なんであんたにこんな事されなきゃなんないの・・・!?!?あんたっ、何者なのよ・・・!!!!!」
「なんでこんな事されなきゃなんないかだぁ??何被害者ぶってんの???こっちは愛する夫傷つけた張本人たち前にして死ぬほど腹立ってんだよ!!!!」
「はぇ??夫・・・??」
「ああどうも。あたし、ファンの妻です」
さらっと告げられたナギサの言葉にリタとタスクは一気に真っ青になった。
しかしナギサはお構いなく話し続ける。
「彼からアンタらの話聞いて、正直ぶっ殺してやりたいくらい腹立ちました。本当はぶん殴るだけじゃ足りないよ。そんぐらい腹立ってんのこっちは」
ナギサはそこまで言って一呼吸置くとあはは、と嬉しそうに笑った。
だがその目は笑ってはおらず、二人を蔑むように見つめ、激しい殺意に満ちている。
「いやー、まさか獲物二人がノコノコとサンドロックに来てくれて探す手間が省けたって言うね。さーて、どうしてやろうかな??あ、丁度いいや。槍持ってるし・・・。」
ナギサは手に持っていた槍をくるりと回して二人に切先を構えた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!?」
「悪いけど、やられたらやり返すがあたしのモットーなのでね。アンタらだっていつかやり返されるの覚悟でやってきたんだよね???なら今がその時って事で。・・・死ねばいいなんて、よくもあたしの夫にそんな言葉言ってくれたもんだな。でも残念だったね、死ぬのはアンタらだよ」
そんじゃ、さようなら。
ナギサは槍を持つと二人めがけてその矛先を振り下ろす。
ーーーーーーーーぎゃあああああああ!!!!????
サンドロックに男女の悲鳴が響き渡った。
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