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アヤ↑30
2023-12-27 13:37:18
8975文字
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その嫁、怪物につき。
きみのまちサンドロックのドクターファン×うちビルダー(ナギサ)の話。ファン先生の様々なトラウマの元凶であろう、継母と義兄がサンドロックに来たら…なif話。
・トラウマに苦しむファン先生がいます。
・ナギサの口悪い、ブチギレ状態
・ファンナギ結婚済み。
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砂漠の地、サンドロックは砂嵐問題も解決しデュボス帝国のいざこざも落ち着いて今は平和の一途を辿っていた。
サンドロックの平和と復興に携わった女ビルダー、ナギサも今依頼を受けつつその平穏を愛する夫・ドクターファンと共に謳歌している。
過去によって人間不信やトラウマを抱えていたファン。ナギサを中心にサンドロックの住民達と関わる事で少しずつ克服していき、様々な葛藤や困難を乗り越え晴れてナギサと恋人になり、そして結婚し夫婦になった。
お互いが歩み寄り、助け合いながら今日もファンとナギサの夫婦はこの街で平和に暮らしている。
「・・・へぇ。ここがサンドロックね。随分シケた街ですこと」
「ママ・・・いや、母さん。ほんとにあいつここにいるの??」
「ええ。確かに聞いたわ。それにしても、あの子ったらよくこんな街で医者なんかやってられるわね」
「やったー!!またあの陰湿なクソ弟の面が見れるぜ!またからかってやろう!!」
・・・あの悪魔達がサンドロックに来るまでは。
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その日は日曜日の早朝。晴れ間が続くサンドロックにしては珍しく、今にも雨が降りそうな曇天だった。
そんな天気にも関わらず、ファンは日課の墓場の掃除を行なっていた。
砂嵐は緑化活動により解消されたとは言えサンドロックは砂漠地帯である事と時折風が強く吹く為どうしても砂埃が積もったり、枯れ葉が散らばったりと汚れてしまう。
毎週日曜日、ファンは朝早くから診療所近くの墓場を訪れては箒でその汚れを取り除いていく。
虐げられていた自分を唯一信じ、愛し、常に味方してくれた今は亡き母・サーナイの墓を綺麗にし、美しい花を添えてから他の墓も掃除するのだ。
ファンの妻、ナギサは彼の習慣を尊重し、彼の邪魔をしないよう今はビルダーの仕事に取り組んでいる。
あらかた綺麗に片付いた墓場を見て、ファンは箒を動かす手を止めた。
ナギサとはお互いの用事が済んだら後は家でゆっくり過ごそうと話している。天気も悪く、雨が降りそうなので今日はここまでにしようと箒を片付けようと踵を返した時だった。
「あら、ファンじゃな〜い。久しぶりね」
「おーいノロマ!!元気してたかー??」
耳障りな甘ったるい女の声とダミ声。
ファンは全身から一気に血の気が引いていくのを感じた。
手入れはされているものの、ギラギラと目に不愉快なほど眩しい金髪に濃いめの化粧をしたキツい顔つきの女と同じく金髪だがどこか脂ぎっている、でっぷりと太った男。
忘れもしない、自分を虐げ苦しめてきた元凶達。
彼のトラウマ、忌むべき対象達。
ファンの継母リタと義兄のタスクだった。
「な、んで・・・」
なんでここにいる???????
器官が狭くなる。呼吸がしにくい。
一気に渇いていく喉の奥からやっと絞り出して出た言葉がそれだった。
彼の言葉にリタは意地の悪いニヤニヤとした笑みを浮かべながら答える。
「なんでって・・・あんたが家を出て行ってからかなり経つし、どうしてるのかな〜って見に来たのよ。仮にも私はあんたの母親だもの」
母親??????ふざけるな。
冷え切っていた体が今度は怒りで熱くなるのを感じた。
母親らしい事なんて全くしていない。
自分をずっと汚物の様に見下して扱ったくせに。
自分のペットであるカラスのXを苦しめ、挙げ句の果てに母サーナイを追い詰めて苦しめたくせに!!!!!!
「・・・ふざけるな」
「はあ???なんて言ったんだよ?聞こえねえよ!!」
今度はタスクが意地悪な笑みを浮かべる番だった。怒りを露わにするファンにずいっと詰め寄ってくる。
一瞬怯んだがそれでも母親面をするリタに対する怒りで、ファンは思わず怒声を発していた。
「ふざけるなと、言ったんだ・・・!!!私と母、Xを追い詰めたくせに・・・!!!母を死なせたくせに・・・!!!!!!」
怒りと過呼吸気味になっているせいで頭がくらくらする。
その瞬間、視界に入った影。
あ、と気づいた時にはファンは思い切り吹き飛ばされていた。
ザザッと地面を滑りながら転がり、遅れて頬に鈍い痛みが走る。
歪む視界にタスクが拳を振り下ろしているのが見え、自分が殴り飛ばされたのだと気づいた。
続けて見たのは先程まで笑みを浮かべていた継母の、般若の様な顔。
リタは顔を歪めてヒステリックに叫んだ。
「あの泥棒猫のガキの分際で私に口答えするんじゃないわよこの愚図!!家出して行方不明だと聞いた時はてっきりどこかで野垂れ死んだと思っていたのに!!!なんでまだ生きてんのよ!?!?!?」
リタの言葉に怒りが冷めて再び体が冷たくなっていく。
「あんたを見てるとあの女の影がチラついて心底不愉快なの!!!!私の夫を奪ったあの女!!!!あーやだやだ!!泥棒猫が移りそうだわ!!」
「お母さん!!泥棒猫だけじゃなくて根暗も移っちゃうよ!!!!」
「ぐっ・・・!?!?」
リタの暴言の勢いに便乗するかの様にタスクの思い拳がファンの頬を殴る。
彼も何も変わっていない。
笑いながらファンとXを痛めつけていた幼少期の頃と全く同じ。
思い出したくもない、あの頃の記憶が次々と掘り起こされて胸が苦しくなる。
リタの暴言も義兄の暴力も止まらない。
ヒステリーがヒートアップしたリタは真っ赤になり、悪魔の様な顔で言い放つ。
「あの女と一緒にあんたも死ねばよかったのよ!!!!!!!!」
義兄の嗤う顔が見えたと同時に頬に痛みが走り、意識が途絶えた。
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