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mishiadd
2024-10-28 22:40:50
12342文字
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ダンス・マカブル・ハロウィーン
2000年代アメリカ・ニューオーリンズの聖杯戦争で日系アメリカ人のイオリ・ミヤモトに召喚されたセイバー・ヤマトタケルが現地主催の怪しげな仮面舞踏会に潜入する。90年代価値観丸出しのゴシックホラー風怖くない話。
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階段を上がって地上に出ると、イオリが待ち構えていた。
「急に誰かに腕を掴まれたと思ったら会場の外に放り出されて締め出されたのだ。おまえは一向に出てこないし、とても心配した」
「
――
きみ、心配したのか? 私を?」
「そりゃあするだろう。おまえに何もなくてよかった」
「
……
そうか」
会場の中で何があったのかも訊かず、イオリが歩き出す。
――
それから、「そうだ」とぽつりと言った。
「あの後、俺も調べてな。
――
ほら、俺のミドルネームが
セイバー
Saber
だという話だ。その名前の由来について、何か一族に伝わっていないか屋根裏部屋を漁ってみたのだ」
うん、と後ろをついて歩いていたセイバーが顔をあげる。足を止めたイオリが、振り返って言った。
「『セイバー』の名をつけるようになったのは、
祖先の霊
のお告げだったらしい。
ハワイ王国に渡ることになった
第一世代
イッセイ
が、航海の途中で怪異に襲われたそうだ。それを
祖先の霊
に助けられたのだという。
その礼に何をすればいいか尋ねると、こう言われたそうだ」
――
かの地に渡り、もうひとつ名を加えられるのならば『セイバー』と。かの地では、『友』の名に因んで名付けをするというから。
「『
忘れぬように
』
――
と」
イオリが何でもないことのように語る。それから、妙に感慨深げに言った。
「きっと、その
祖先の霊
というのは今もこの名を持つ者を見守ってくださっているのだろう。心強いことだ」
うんうんとひとりで満足げに頷き、イオリが再び歩き出す。
数歩うしろを歩きながら、セイバーが夜空を仰いだ。ぽっかりと浮かぶ満月。
この地であっても、地球の裏側であっても。
――
いつの時代、どの国にいようと、変わらぬ顔で、見下ろしている。
「しっかり頑張るんだぞ」の優しい声が、耳元に響いた気がした。
『ダンス・マカブル・ハロウィーン』・了
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