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Hizuki
2016-02-22 21:16:58
9440文字
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FF14
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竜眼の誓い 異説
【FF14】エス光。3.xどこかで来るであろうエスティニアン救出を捏造した話その2。1ページ目の注意書きをご覧のうえでどうぞ。
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首で背を示され、荷物を彼の身体に括りつけてその背中に跨がった。
ゆっくりと羽ばたき、行くあてのない空へと舞い上がる。
竜の背にそのまま乗っている分、乗り心地はあまりよくはない。
それでも、彼の鼓動が感じられることが、ただ嬉しかった。
「
…
お前が止めてくれるんだろうとは思っていた」
風の音だけが聞こえる中、エスティニアンが口を開いた。
「声が聞こえたからな」
うん、と小さく頷く。
「その時にはもう俺の命はないものだと覚悟を決めていたんだが、こうやって生きてる」
背中から表情は窺い知れない。
ただ、彼の言葉の続きを待った。
「左目と元の身体はなくなっちまったけどな」
身体が、手が震え出すのが分かった。
邪竜の眼に槍を突き立てた時の生々しい感触が蘇る。
私が、彼の左目を奪ったのだ。
「
…
ごめん」
それが最善の手だと思った。
けれど、結果としてその傷が彼に返ることになってしまった。
「気にするな。眼を狙ったのは正しい選択だったんだ。魔力も大分減った。早々ニーズヘッグが暴れることはないだろう」
「でも
…
!」
「
…
俺を選んだこと、後悔しないか」
私の言葉を遮り、確かめるようにエスティニアンが問う。
今ならまだ戻れる、と言われているような気がした。
「後悔ならあの人の時に散々した
…
何で助けられなかったんだろう、って」
魔大陸の周囲を離れ、肌を刺すピリピリとした空気が消えていた。
代わりに傾いてきた太陽が心に刺さる。
私を友と呼んでくれた人を失った日と同じ黄昏の空。
今度は私がエスティニアンを助けることができた。
彼が私を助けてくれたから、今こうしてエスティニアンと共にいられる。
「
…
私は私の意思でエスティニアンを選んだの。だからひとつを除いて後悔はしない」
「ひとつ?」
自分が今身体を預けている背中を撫でる。
かつて自分の背中を預けていた、彼の背中を。
「
…
エスティニアンを、人として助けられなかったこと」
故郷を滅ぼした竜の身体に魂を宿して、今、何を思うのだろう。
心に引っ掛かっている。
「元はといえばニーズヘッグに飲まれた俺が原因だ。何度も言うが、お前が気にすることじゃない」
言わば自業自得だ、とエスティニアンが呟いた。
もう少し早く助けに行けたら、彼は人に戻れたのだろう。
「命さえあればお前の側にいてやれる。むしろ今の姿の方が他の誰も寄り付かなくて都合がいいくらいだ」
「何言ってるの
…
全く」
エスティニアンらしくない。
強張っていた顔がふっと緩んだ。
思わず笑ってしまう。
寄り付かないんじゃなくて、寄り付けない、の間違いだろうに。
「
…
どんな姿であれ、お前のおかげで俺は生きてるんだ」
流れる景色が止まったかと思うと、エスティニアンの顔がすぐ側にあった。
その顔を両手で包み込んで、自分の顔を寄せる。
「
…
おかえり、エスティニアン」
「
…
ただいま」
ずっと言おうと思っていた言葉。
ずっと待ち望んでいた言葉。
添えていた手を離すと、再び景色が流れ始める。
周囲の見回すと、どうやら雲海に出ているようだった。
宙に浮く白い綿毛がその場所を知らせている。
「ドラヴァニア雲海、か」
「ここなら眠る場所は気にしなくてよさそうだな」
「え?」
「中の雑魚は以前来た時にお前が倒してるだろ。もし残っていれば俺が焼き払う」
以前来た時、そこでエスティニアンが考えている場所が分かった。
「
…
まさか、ドラゴンズエアリー?」
「あぁ」
邪竜を倒すために訪れた場所に、また二人で降り立った。
あの戦いで多少崩れたところはあるものの、敵が残っている様子はない。
特に大きな問題はなさそうだった。
「お前の鎧も変わってしまったな」
「そういえば、そうだね」
立ち止まって自分の鎧を改めて見直す。
紫闇の鎧が竜の血を浴びて、かつてのエスティニアンの鎧のように赤黒く変質している。
「いいでしょ?世界でたった一つ、蒼の竜騎士の血で染められた鎧よ?」
「
…
言ってろ」
その声が嬉しそうなのは気のせいじゃないと思いたい。
かつて邪竜と対峙した広間も変わった様子はない。
階段を上がり、彼が結界を張った場所に立ってみる。
この景色をあの時エスティニアンが見ていたんだ。
広間の中央にいる竜を見た。
ニーズヘッグがいて、私もここにいて。
記憶を辿りながら広間をぐるりと一周。
歩いていると、エスティニアンが私の名前を呼んだ。
彼の方を向くと、赤い竜の眼が私を見据えている。
ゆっくりと中央に近付いていく。
彼に触れられる距離で立ち止まった。
「俺をこの世に留めてくれた左目の傷に誓おう。この命尽きるまで、お前と共に在ることを」
もう二度と離れることはない。
もしその時が来るとすれば、それはきっと私の命が尽きる時。
今は言葉もいらない。
エスティニアンが側にいてくれれば十分。
大きく頷いて、返事の代わりにそっと唇を寄せた。
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