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Hizuki
2016-02-22 21:16:58
9440文字
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FF14
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竜眼の誓い 異説
【FF14】エス光。3.xどこかで来るであろうエスティニアン救出を捏造した話その2。1ページ目の注意書きをご覧のうえでどうぞ。
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ーもし、彼と戻ることが叶わないのなら、その時は
…
神殿騎士団の作戦卓にアジス・ラーの地形図が広げられている。
デルタ管区の地形図の上には説明用に色を付けたピースが幾つか置かれていた。
白のドラグーンが一つ、神殿騎士団を示すテンプルナイトが複数、黒のドラゴンが一つ、地形図から外れた卓上に黒のドラグーンが一つ。
そのピースをヤ・シュトラの手が動かした。
ドラゴンが白のドラグーンで倒される。
「彼を助けるには、邪竜のエーテルを消滅させること」
続けてテンプルナイトのピースがドラゴンの周りを囲んだ。
「そして、幻想図書館の本を参考に構成した特殊な陣を展開して、彼のエーテルを留める」
ドラコンが取り除かれ、その位置に黒のドラグーンが置かれる。
「それから、ニーズヘッグの体内に残っているはずの彼の肉体にエーテルを戻す。簡単に言えば、これが今回の作戦よ」
アイメリク卿をはじめ、今この場にいる全員が大きく頷いた。
ようやくエスティニアンを助けに行ける。
あとは、やるだけ。
「現地の指示はルキアとヤ・シュトラ殿に一任する」
「はっ」
「分かったわ」
「私も共に行ければよかったのだがな
…
」
苦々しそうにアイメリク卿が口にした。
立場上ぱっと皇都を離れられる人物ではないことはここにいる誰もが分かっている。
以前エスティニアンが話してくれた二人の間柄を思い出す。
「大丈夫です。エスティニアンは帰ってきます」
その分私が、とは言えないけれど、彼と戻ってくることを信じている。
言葉は自分に言い聞かせるものでもあった。
「
…
そうだな、ありがとう」
幾分かアイメリク卿の表情が和らいだ。
「決行は明朝、各自準備を整え、明日に備えよ!」
「はっ!」
ルキアさんの指示で解散となり、各々本部を後にしていく。
誰もが蒼の竜騎士の帰還を信じて疑わない。
けれど、私の心に暗い影がじわじわと差し込んでくる。
どうにか止めなければ。
表に出れば、夜のイシュガルドの寒さが少しばかり留めてくれるような気がした。
影を止めてくれるであろう相手を待つために聖バルロアイアン広場の像の側に腰を下ろす。
あえて騎士団本部の入口側ではなく、像で扉を遮る位置に。
騎士団の術師の人達と最後の打ち合わせをしているのだろうと、その人が出てくるのを待った。
「あら、まだ戻っていなかったの?」
10分ほどして左側から聞こえてきた、待っていた人の声に顔を上げる。
「ちょっとね、ヤ・シュトラを待ってたの」
「私を?」
こちらに歩いてくるのに合わせて、広場の腰掛けから立ち上がった。
「
…
聞きたいことがあって」
「ちょうどよかったわ。私もあなたに伝えたいことがあったから」
今回の作戦にあたって、フォルタン伯爵がヤ・シュトラの部屋も準備してくれたおかげで帰る場所は同じ。
彼女と並んでゆっくりと歩き出す。
足音が二つ、小さく響いた。
下層の階段を上がり、上層に抜ける。
「それで、聞きたいことというのは?」
自分から言い出したのだから、聞かれるのは当然のこと。
それでも口に出すのが怖くて、思わず足を止めた。
「
…
大丈夫、だよね?」
何が、とは言えなかった。
「
…
100%、とは言えないわね。不確定の要素が多すぎるもの」
「
…
だよね」
「あなたにこんなこと言いたくはないけれど、最悪の事態だって有り得る」
何を意味しているのか考えなくても分かった。
ぞくりと背中に寒気が走る。
「でも、彼のエーテルさえ無事なら、何とか避けられるかもしれない」
「え
…
?」
「あなたに伝えておきたかったのはそのことなの。最悪の事態を避けるための最後の手段
…
彼を人として戻せなかった時のためのね
…
」
それはつまり、人ではない『何か』として、ということ。
そして、その場にある『何か』というのは
…
。
「もしかして
…
」
「そう、邪竜のエーテルが消滅した竜の身体に、彼のエーテルを戻す」
人ではなく、竜として。
果たしてそれを彼が受け入れてくれるのだろうか。
竜を狩る竜騎士が、竜の身体に宿っているということ。
ましてや、故郷を滅ぼした竜の身体に自分の魂が宿っている、なんて。
「もし、その状況になった時、私達はいつでも対応できるように準備しているわ。でも、それを私達の判断でするつもりはない」
私の胸元にヤ・シュトラが手を添える。
「あなたが決めて」
「私が?」
「ええ」
迷う時間なんて必要なかった。
「どんな形であっても助けられるなら、あの人を助けたい。私は、エスティニアンと生きる道を選ぶよ」
私がイシュガルドで戦うことを決めた、最後の理由だから。
「
…
例えその選択で今と離れることになっても?」
問いかけにヤ・シュトラの気持ちが見え隠れする。
「
…
それでも。丸く収まればその心配はいらないよね」
「そうね。皆には明日の朝話しておくわ」
足をまた進め、ラストヴィジルに差し掛かった。
珍しく晴れている夜空に星が瞬いている。
「ヤ・シュトラ」
右に曲がり屋敷に向かおうとしたヤ・シュトラを呼び止めた。
「何かしら?」
振り返った彼女をぎゅっと抱き締める。
「ありがとう。エスティニアンを助けるのに協力してくれて」
私一人じゃここまで来られなかったかもしれない。
ヤ・シュトラがいて、マトーヤ様がいて、幻想図書館があって、今回のことに携わる全ての人がいたから、ここまで来られた。
「あなたにはたくさん助けられてきた。これくらいじゃまだ足りないほどにね。それに、その言葉は作戦が無事済んだら、でしょう?」
「それでも、だよ」
ヤ・シュトラからも力が返される
温かさに影が薄らいでいく気がした。
「
…
戻りましょう。明日は早いわ」
「うん」
あまりこういったことに慣れていないのか、顔がほんのり赤い。
二人で屋敷に戻り、自分の部屋に入った。
この時がいずれ来るだろう、とあらかじめ部屋に置かせてもらっていた甲冑に手を添える。
彼と対峙するのならば、相応の装備でなければ。
竜の血によって強化された、竜騎士だけが着ることを許された甲冑。
それを身に纏って行くのだと、彼がいなくなってしまった時からずっと決めていた。
ーもし、彼と戻ることが叶わないのなら、その時は
…
ー私は全てを捨てて、彼と共に生きることを選ぶでしょう
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