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えぬを
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rsmv_20240906公開
マヴのブラックタイシチュ三部作
①マヴ、コルセット似合いそう…からのシチュ考えて、バックレスのウェストコートかカマーベストで腰キュッ!ってルスに結んでもらう妄想を書きました。癖詰めボックス!ウェストコートやカマーベストの画像とか見ながら一緒に妄想していただけたら嬉しいです。
②ブラックタイ着るマヴの小話から数年後の、デキてるルスマヴェ。今度は息子の結婚式でスピーチすることになったマヴを迎えに行くルスと、バイトのmob君視点。
③ルスの膝に靴乗せて、ルスに靴紐結ばれる自ネタ、絵面想像して最高に激ってしまったので小話書きました。めちゃめちゃ甘めのルスマヴェです時系列としては、mob君視点の前。
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ブラックタイは着る機会が減ったからと、マーヴェリックはレンタルを利用している。その中で、マーヴェリック自身の私物は少ない。フルセットのフォーマルの中、マーヴェリックの私物はアンダーウェアとソックスにハンカチ、そして靴だけだ。
年季の入ったストレートチップを初めて見た時は、歴史の詰まった遺物を見ているかのような畏怖の念と共に、単純に『格好いい』というのがルースターの感想だ。
雑そうに見えてマーヴェリックは存外に物持ちが良く、一つのものを大切にする主義のようであった。一般的に人は加齢と共に体型変化に悩むことが多い。マーヴェリックも例に漏れず、恋人という関係になる前から、太りやすい体質であることを若い頃から悩んでいたと酒の肴に聞いた。今の年齢でマーヴェリックが体型維持をし、しかも一般的な還暦を迎える人々とは一線を画すほどに鍛え上げられたいるという事実は、マーヴェリックの職務に係る。最新鋭の試作戦闘機のパイロットを務める還暦は世界中どこを探してもマーヴェリックぐらいしかいないだろう。
つまりは若い頃から着用していた革のジャケットやデニムについて、マーヴェリックは今なお着用し続けられる点で、彼の努力の程が持ち物から窺えるというものだ。相対的にものを大事にする感性は、モハヴェの倉庫内の愛機群からして一目瞭然だ。
とはいえ、服に関しては流行り廃りがあるため、Tシャツにデニムという定番化したマーヴェリックの私服の中で、あまり着用しないブラックタイが早々にレンタルとなったのは自明の理だ。
そんな中、唯一大きさが変わらないものといえば靴である。足のサイズが変わる人間は殆どいないだろう。
若い頃に購入したという定番ブランドのストレートチップは、数回買い換えてはいるらしいが、物持ちの良いマーヴェリックの手ずから数ヶ月おきにリムーバーで磨かれ、浅い年月では決して得られない独特の色味と経年で、唯一無二の姿形に仕上がっている。
それはマーヴェリック自身の渋みや燻されたセクシーさにも似ていて、ルースターは幼い少年が名品に憧れるかの如く、マーヴェリックのストレートチップを着用する姿が一等の気に入りだ。
久しぶりにブラックタイを着用するマーヴェリックの装いに対し、恋人の特権としてルースターはそれを手伝った。手伝いという名の前戯に近い戯れだ。
もちろんあからさまな触れ合いではなく、それは脱衣をも含んだセックスに対しての暗黙の手段である。
堅苦しい場はあまり好まないマーヴェリックは、知り合いの息子が結婚する場でのスピーチを頼まれているという。聞けば数年前にその姉が結婚した時にも同様に招ばれたという話しで、言われてみれば、記憶のどこかでブラックタイをレンタルしたマーヴェリックの着用に、手を貸したことがあることを思い出す。
ーーあれ?確かあの辺りでマーヴェリックとこういう仲になったんじゃなかったっけ?
キューピッドを担うブラックタイのレンタルのエピソードに思いを馳せている間に、バックレスのウェストコートを着用するマーヴェリックが、自ら後ろのベルトを嵌めてしまって、ルースターは自分の慎重さを呪った。
式場はモハヴェから遠く、ルースターは運転手を担い、マーヴェリックと共に式場近くのホテルの一室を借りている。マーヴェリックは持参した荷物の中から箱をシューケースを取り出した。ルースターは、マーヴェリックがそれを開けるのを、バースディのケーキが箱から取り出されるのを待つ子供のような心地で見守る。
現れたのは、スモークされたかのような光沢を放つストレートチップだ。それ自体は定番中の定番だけれど、経年により唯一無二となったスモーキーブラックは得難い魅力に満ちている。固く足に馴染まないままの新品の光沢とは異なる、マーヴェリックの歴史が詰まった逸品だ。
ホテルのベッドに腰掛け、マーヴェリックが靴を履こうと室内履きを脱ぐ。ルースターはそこに片膝をついて屈んだ。
「ねぇマーヴ」
「うん?なんだ?」
「俺に結ばせて」
「
……
はぁ?」
イエスを待たずに、ルースターは片膝をついた腿の上に、ソックスを履いたマーヴェリックの足を乗せた。素早くストレートチップを手に取り、マーヴェリックの足に履かせようと足首の裏に手を添える、と。猛烈な反撃にあった。
「いだだだだマーヴ、マーヴェリック、ピート!ちょっと何すんの首もげる!!」
「何すんのはこっちの台詞だ!何してる!」
かがみ込んだルースターの額に手のひらを押し当てて、マーヴェリックは勢いよくルースターを押し返した。お陰でルースターの頭はあらぬ方を向いた。
「いや、だから、俺に靴紐結ばせてよ」
「なぜ!?そんなもの自分でやる!ていうかブラッドリー、立て!易々と膝をつくな!」
「なんで!?靴紐結ぶくらいいいじゃん!俺がやりたくてやってんのに!」
「君の膝に足を乗せて靴の紐を結ばせる?靴を履いた足を君の膝に!?僕は地獄に落ちる
……
」
「えー超大袈裟。俺は単純に恋人の着飾る姿に酔ってるだけの恋する愚かな男だよ。地獄に落ちても大丈夫。式終わったら迎えに行ってここで全部脱がせてあげるからね。天国に引き上げてあげる」
マーヴェリックがすごい目をしてルースターを見つめてくる。珍獣を見る目だった。
「ていうかマーヴ、オーラルん時より恥ずかしがってねぇ?いってぇ!」
カートゥーンのアニメのように口髭を思い切り引っ張られて、ルースターは痛みに悶絶する。
「セックスと着替えを一緒にするな、ブラッドショー少佐!」
「イエスサー、キャプテン・ミッチェル、いでで、ねぇほら、時間ないんだから早く諦めて」
「おっまえ
……
」
やがて押し切られたマーヴェリックは、渋々ルースターの手ずから靴を履かせられることに許可を出した。
ストレートチップを履いたマーヴェリックの足を、ルースターは機嫌良く膝に乗せて、鼻歌を歌う勢いで靴紐を結んでいく。ルースターの膝に靴を乗せた瞬間、一瞬だけマーヴェリックの眉が顰められた。
「ブラックタイのマーヴエロいなぁとか、バックレスのウェストコート脱がすの超楽しみだなって思ってるんだけどさ」
「おい」
ルースターの言葉にマーヴェリックが低い声で突っ込む。
「そういうの抜きにしても、マーヴのこの靴格好いいよね」
「そうか?」
「うん。大事にしてきたのがわかる。クラシカルなものって格好いいよなぁって。そういえばマーヴのレイザー、あれも格好いい」
「これは礼に倣った格好、レイザーは単純に手に馴染んでるだけだぞ」
「あんま馴染みないからさ、俺、そういうの。古いものだけど真新しく感じる」
そういうものかとマーヴェリックは頭を傾げる。その新旧が混ざる自分達の年齢差を考え、幼いブラッド少年が成長した末に、正に今、自分の革靴の紐を、息子にも等しく、また、部下でもある青年に結ばせているという状況に、マーヴェリックは眩暈がする心地がして、思わず足を引いた。
既に紐を結び終えていたルースターは、マーヴェリックの動揺を悟った上で、満面の笑みを浮かべ、『はいじゃあ次反対』と宣った。
「馬鹿者、こっちは自分でやるからな」
「
……
プレゼントの包みがっつり結んどいて、後で俺が解くの最高じゃん。だからこれはご褒美だってば」
「うわ、ブラッドリー!」
ルースターはマーヴェリックの隙をついて、反対の足を持ち上げる。そのまま膝裏に手を差し込んで、セックスを思わせるような対位にもつれ込めば、マーヴェリックの背がベッドに沈む。
「ブラッドリー!」
「時間ないんだからさ、大人しくしてってば」
そう言ってルースターは持ち上げた足のパンツ越し、マーヴェリックの膝にキスをした。そのままマーヴェリックに覆いかぶさる。そうしてルースターは、マーヴェリックが大きく口を開いて怒鳴り声を上げる前に、その肩を掴んで、マーヴェリック諸共身を起こす。そのまま降ろした足を、自然な仕草で自分の膝上に乗せると、もう一足のストレートチップを履かせる。
あまりにも鮮やかな手腕に、振り回されるマーヴェリックは体幹が強いせいで、楽しげなルースターの笑顔にちらちらと見える雄の顔に、結局のところ絆されていた。数年前、カマーバンドやベストを結ぶのに動揺し、頬を染めていた青年はどこにもいない。
ーーそうだ、元からこの子は腹が据われば大胆不敵の象徴のような子だった。
マーヴェリックは、ルースターの手ずから器用に結ばれていく靴紐を、仕方なし黙って見つめた。
そうして完成した完璧なストレートチップを床に下ろし、揃えた足を見てルースターが満足げに笑う。マーヴェリックは苦笑して、謝意を述べた。
しかし、ルースターは跪いたままだ。マーヴェリックが怪訝な顔をして、ルースターの顔を覗き込もうとすれば、ルースターは膝をついたまま、マーヴェリックの揃えた足の膝の上に、顎を乗せてきた。
「る、」
見えない位置で伸ばされた手が、マーヴェリックのパンツの裾を引き上げる。不埒な指が、ガーターソックスのベルト部分をなぞり、ソックスと肌の間に指が差し込まれた。悪戯げに擽られる。
「マーヴを地獄から引き上げて、天国に連れて行ってあげるから、俺も一緒に連れて行ってね」
それがセックスの暗喩なのか、はたまた実体験として共に互いの命を救い救われしたことに係るのか。大人の男に成長してしまった元かわいい少年に向かって、マーヴェリックは片頬だけで笑ってみせる。
「こんなのどこで覚えたんだ、クソガキめ」
「教官がいい見本なもので」
皮肉るルースターに顔を近づければ、ルースターは察してキスを待ち、目を閉じた。それを確認してから、マーヴェリックは敢えてルースターの鼻にキスをした。
「はぁ?この流れでノーズキス?」
「君が跪いているせいで届かなかったから。もう時間だしな」
そう嘯いて、マーヴェリックは勢いよく立ち上がるとジャケットを羽織った。
「そういうとこですよ、サー」
戻ったら覚えてとけよ、というルースターの独り言を聞かないふりで、マーヴェリックはドアに向かった。
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