【サリ東】距離の詰め方はお化け其々【カミ東】

原作者様に齎されたイラストのお姫様抱っこと養われている発言で無事脳が焼かれました。サリーさんvsカミキリ様からの和平合意。突貫作業。後半匂わせ&捏造ご注意。

生まれてはじめて出来た帰る場所。
身を委ねる他ない重みを抱え203号室に帰宅したサリーが白い霧の中から姿を現し迷うことなくベッドに歩み寄る。

「こ、こは?」
「私の部屋」
未だ覇気の戻らない東雲を寝かせベッドの縁に凭れ掛り頬杖をつく肩で溜息を吐いた。
しおれた向日葵を労わるサリーの細くしなやかな指先に込められた皆まで言わなくても思い遣りに彩られ見下ろす夕暮れ色に朝焼け色を眇め仰ぎ見る。
「もしかして、今までのって今回のを見越してか」
「それハ買い被り」
……っか」
お伺いを立てないで指を絡ませ握れば、それは呆気なく握り返し絡ませ合ってくれる。
握った手を見える位置まで掲げ、相当堪えているらしい意気消沈気味の暁に微笑んだ。だが、それは決して気遣った笑みではない。



 お前は一度
  何を招き誰ヲ集め

   愛さレているノか自覚した方が良イ

冷や水を浴びせられたような面持ちで見るしかない東雲の視界からおもむろにサリーが身をズラす。
果たして其処に居たのはつい先ほど自分を組み敷こうとしていた少年が熱に魘された表情で佇んでいた。
「この世ハ全て早い者勝ち」
ふらつき距離を狭めるカミキリに半身を上げ反射的にサリーの背に隠れる東雲の手がぎゅうっと握り締める力を強める。
「特に根が深けレば深いほど……、お前を隠し連れ去りたくなル」
意図せず怖がる東雲の頭をひと撫でするサリー。
その手付きに東雲が安堵の溜息を吐くする暇すら与えてもらえずに、安心感を得たくて握り続けている東雲の手をサリーは呆気なく解いた。
本日二度目の裏切られた気分を味わい、言葉にならない声を漏らすくらいしか出来ない東雲を余所にサリーとカミキリが対面する。
「結果は如何でアレ神さんの方が早かっタ。先輩の顔を立てルのも含め一番はじめハ譲る」
……大家サん連れ去った理由教えテ」
「あの場で交渉しても耳を傾けてくレ無さソうだった、それだケ」
「そう
話は終わったと云わんばかりに東雲を抱きかかえるカミキリに一瞬固まるもすぐさま近くにいたサリーに東雲が手を伸ばす。
まさに藁にも縋る勢い。東雲が焦り口走った”あまり聞かない”言葉を聞き、サリーは伸ばされた東雲の手を誘い触れさせた。涼やかで端正な顔の裏側、隠しきれない異常な高揚感がグラグラ溶岩のように煮えたぎっている。
当初意味が分からずに眉根を顰めていた東雲の顔が見る見るうちに青褪め認めたくなくて首を弱々しく横に振う。



 私ハお前の武勇伝の数々が噂となっテ生まレた存在
  近しクテ遠い、似て非ナる存在

   無いものだってアル

血の気が引くとはまさにこの事。自らサリーから手を離した東雲にカミキリは大きな目を細め音もなく203号室を後にしたのだった。














散々ダイナミック不法侵入してされてから鳴らすインターホンの違和感。
程なくして101号室のドアが開き、力なく気を失っている東雲を抱えたカミキリが出迎える。
「随分派手に愛でたナ」
「うん。……東雲さん、可愛くテ」
伏せ目がちに頬を染める姿は淡い初恋を覚えたてた思春期を迎えている少年そのもの。
だが、眠る太陽を見詰める夜空は何処までも深く夥しい執着と偏った『愛』に満ち溢れていた。
目視で確認できる範囲に散りばめられた赤い花々。皮膚が薄い箇所はもっと咲き乱れているのだろう。目視で確認できない衣服の下、容易く想像できるほどに東雲から漂う淫らな色香にサリーの艶めいた唇から熱を孕んだ吐息が漏れる。
未だ意識戻らない東雲を受け取ったサリーは汗ばんでいる彼女のこめかみに唇を寄せ、これからする抗いがたい依存性に溢れた行為に胸が高鳴った。