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豆炭々炬燵
4308文字
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訳アリ心霊マンション
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【サリ東】距離の詰め方はお化け其々【カミ東】
原作者様に齎されたイラストのお姫様抱っこと養われている発言で無事脳が焼かれました。サリーさんvsカミキリ様からの和平合意。突貫作業。後半匂わせ&捏造ご注意。
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日に日に心蝕む不安感と恐怖心が執着心と独占欲──、屈託のない『愛』を糧に勢力拡大の一途を辿る。
警戒されないのを逆手に取って招き入れた101号室。何も疑わないで足を踏み入れる東雲に募る罪悪感が胸を小さく痛ませ、それ以上に”取られたくない”という極めて単純な衝動に身を委ね壁に寄り掛かっている人間に夜の帳を降ろす。
きょとんとする夜明けを告げる瞳と対照的に熱帯夜と化した瞳が踏鞴を踏む。冷たさを忘れた童の手で両頬を包み込み、触り心地の良い肌の上をすべらせ両耳を掌で覆う。
今尚、不思議に思えど強張らないどころか振り払わない東雲にカミキリの胸の奥が歓喜に打ち震える。名状し難いこそばゆさ。愛おしい瞳に映り込む己が姿に浸り酔いしれた。
「──東雲さん」
直向きに反らされない視線。
もう二度と前の関係に戻れない、そう思いとどまらせ怯える見知った誰かを斬り伏せ両掌の口角をつり上げる。
東雲の返事を待たずして夜の底に引きずり落とすべく、往々にして敏感に反応する形のよい耳の外側を舌先でなぞり薄暗い穴に潜り込んだ。
遅すぎると言っても過言ではない。漸く身に降り掛かった至極苦手な行為から東雲が脱出を試みる。成長途中の少年の肩を掴み引き剥がそうにも上手く力が入らない。
カミキリの名を呼び、制止の言葉を紡ぎ、目で懸命に訴えかける。
されど、カミキリの小さな口からは「大丈夫、大丈夫だカら」「東雲サん
…
東雲さん
……
」と鸚鵡のように同じ言葉を繰り返すばかり。
何時しか引き剥がしにかかっていた東雲の手はカミキリの肩にしがみ付き、暴れ逃げようとしていた意識に薄靄が立ち込める。
「(
…
な、んで
……
)」
頭蓋裏を満遍なく舐め尽す粘着質な音に遮られ呟いた疑問の言葉。
意識が朦朧している東雲を恍惚な表情で見詰めカミキリの薄い唇が瑞々しい唇を塞ぎ水っぽい音を頭蓋裏に増やした。
三方向の栓が抜かれ滴り落ちる唾液が照明を受け厭らしく存在感を際立たせる。
焦点定まらない虚ろな朝焼けの瞳。浅く上下する慎ましい胸。口端から垂れている混ざり合った体液を恭しく親指の腹で拭うカミキリの顔は喜色満面に彩られ、不規則に体を跳ねさせている東雲を割れ物でも扱うかのように押し倒し馬乗りになった。
「これデ、アナタは
……
」
主張している喉仏がゴクリと鳴り、不完全な身に宿る熱が爆発しそうなのを宥め賺した指先で自分の意思で好きになった洋菓子色の前髪を優しく払う。
賑やかを通り越して喧しい心臓の音を疎ましく思う寸前──。
随分勇み足だナ
弾かれたように声がした方へカミキリが振り返れば、ズボンのポケットに手を入れ佇んでいるサリーと目が合った。
何故、如何して。神域には誰も入れない、許しを出すまで出さない結界を張っているのに。
「そう、思っている顔ダ」
睥睨する黄昏が興味薄に、されど雄弁に狼狽えている宵闇へ物語る。
「私は”ダレ”の武勇伝から産まれたと思ってイる」
ハッと息を飲む音が静寂満ちる部屋に響き、得も言われぬ違和感を目で追えば愛おしい温もりが消えていた事にカミキリの目が瞠られた。
記憶から消し去るにはまだ色濃いデジャヴ。ぐったりしている東雲を抱きかかえるサリーにカミキリが強い否定と拒絶の慟哭を叫ぶ間もなく。
それデは失礼
一言を残して霧のようにサリーは東雲と共に姿を消した。
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