Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
みたむら
2024-09-13 21:42:52
13246文字
Public
呪術夢:呪術廻戦の世界に飛んだ異世界人
Clear cache
Customize name
738559
Customize name
呪術廻戦の世界に飛んだ異世界人と分かったので帰ろうと思います。(仮)1
五条夢。続くか続かないか分からないけど、この日に投稿したかった。
あと、名前変換機能をテストで使ってみたかった。
※名前変換なしだとデフォ名(藤森沙奈)になります。
あと、分かる人に分かってくれたらいいです。「五条、誕生日おめでとう」
1
2
3
4
目を覚ますと、最初に見えたのは独特の薬のにおいを漂いつつ、白い壁と天井、カーテンが視界に広がった。
何か違和感があるなと腕の方を見れば、包帯に軽く巻かれていた。少しだけ血が滲んでいた痕跡が残っていた。
少し離れた場所でゴソゴソと物音がしており、それがやがてこちらに歩いてくる。
家入硝子
――
同級生であり、珍しい反転術式で治療ができる呪術師だ。
綺麗に整った硝子ちゃんが私の姿を見るなり、足早に近寄ってきて口を開く。
「
沙奈
! 体は大丈夫か? どこか痛むところある?」
「うん、大丈夫。治してくれてありがとう」
「これくらい、いいんだよ。けど、あんまり怪我してくれるなよ? 五条や夏油はともかく、
沙奈
は頑丈じゃないんだから」
「う、うん
……
気を、つけます」
できる限り平常心で応える。だけど、この世界の人間じゃないと覚醒してしまった今、どう彼女たちと接していたか逆に曖昧になっていた。それがまた、私はこの世界の人間じゃないのだと改めて認識させられる。
「私も見てたけどさ、何か考え事してた? 普段ならガード固めてたよね?」
「あー
……
ちょっと考え事してて」
「あのクズでさえびっくり仰天だったぞ。見せてやりたかったな」
「はは
……
面目ない」
「
……
やっぱり、どこか悪いか? 怪我じゃなくても体調とかは?」
そう言って硝子ちゃんは頬に手を添えてそう尋ねる。
美しい顔がそこに。って言うのは一瞬だけ思ったけど彼女にとっては医者として診ていることは分かっているため、「大丈夫」と無難に答えておいた。
しばらくして、医務室のドアが開く音が聞こえた。足音を聞く限り、二人分だろうか。
こちらに歩いてくるのが分かり、カーテンがパッと開けられる。
「
沙奈
、大丈夫? 派手にやられたみたいだけど」
「い、言っておくけどな! 俺は前もってパンチするって言ってからやったからな?!」
「悟、今言う言葉はそういう言い訳じゃなくて、謝罪だろ?」
「
……
ごめん」
「大丈夫だから。私の方こそ考え事してたのが悪かったし」
同級生の夏油君と五条君が心配そうに私を見ている。
まぁ、怪我をさせてしまったわけだから当たり前といえば当たり前なのだけど、漫画の中での彼らはどちらかというと自信満々というか勝ち誇っていたりどこか達観しているような態度の方が印象が強いため、少し驚く。
最強とは言えども、人間らしさもそれなりにあるらしい。
ちなみに、五条君がパンチするからって言った、と言うのは私に対してだけだ。と言うのも、呪力はあんまりないし、かといって体術もあんまよろしくない。本当に呪霊が見えるだけの窓レベル。人手不足だからと夜蛾先生はひよっこの中のひよっこである私を高専に招き入れるほどだ。よっぽど人がいないのだろう。
あれやこれやと試験をやってみたのだけど、運動能力もダメ、学力もあんまよろしくないというなんかもう何のために人間やってるんですかっていうレベルの低脳レベルだった。
そういう試験結果だったため、三人も私に対してのみまずは分かりやすいように訓練するようになった。守備でも、初めから相手がこうやってくると告げてから自分がどう守備するか、避けるかを慣れるまで練習する。そんな呪術界の幼稚園児レベルのようなところからスタートしたのだった。
(ま、呪術廻戦のような世界とは無縁で生きてきたから仕方ないよね)
争いのない、たまに事故が起こったり自然災害が起こるくらいで大体が平和な私の生きている世界線の日本は、そんな能力とは無縁なのだ。せめて本やドラマの世界くらいだ。
ただし、これまでは何も分からない状態で呪術廻戦の世界を過ごしていた。今は元の世界のことを思い出した、覚醒した私はどうなのかは、分からない。
「今日、何日だったっけ?」
「ん? 七月十六日だけど?」
そうだったか。そりゃあ暑いはずだ。
三人は怪訝そうに私を見る。
「本当に、大丈夫? 実は何か思い出せないとかあるんじゃないか?」
「おい! 何最悪なこと言ってんだよ!」
「いや、私からも言わせてもらうよ。いくら何でも女子に顔面パンチは冗談でもあり得ない」
「うっ
……
呪霊がそうしてくるかもしれないだろ?!」
「だからと言って鍛錬開始直後に顔面はないよ。ボクシングさえあり得ない」
「いや、ボクシングは人によると思うけどな」
三人は漫才でも組めるんじゃないかというくらい賑やかに騒ぐ。それをじっと見守っていた。
目を覚ましてしまったなら、私は元の世界に帰らなくてはならない。
異世界人が居座って何かが起こってもおかしくない。いや、これまで何事もなく過ごせたことが奇跡だろう。
(七月十六日か
……
どうにか帰れたらいいんだけど)
できれば、懐玉・玉折編が始まる前には帰りたい。というか巻き込まれたくないというのが本音だ。もし巻き込まれたら問答無用で私が即死する。多分硝子ちゃんの方が生きられるし、呪術界も放っておけないだろう。それに比べてヒヨコよりも弱い私なんて誰も気にも留めないだろう。
(懐玉・玉折編の記憶
――
薄らと思い出せる。覚醒したら力が得られることはないけど、元の世界で得たシナリオが分かる)
正直言うと、懐玉・玉折編って巷では好きなファンが多いようだが、私は普通だ。五条悟も高専時代よりは先生時代の方が好きな方だ。
ふと、五条君を盗み見る。
(これがあの五条先生だったらな
……
よりにもよって何で学生バージョンなんだ)
どう考えても先生の方が
まだ
・・
信用できる。なんたって最強だから。
学生バージョンということは実力は申し分ないけど、硝子ちゃんが言うとおり性格とかその他諸々が彼女の言葉を借りるとすれば〝クズ〟なのだ。
それに、覚醒した私はどうやら社会人のままのようだ。つまり、同年代に装った精神年齢うんと彼らより年上ということになる。
(大人だからか分からないけど、彼らのボケツッコミに付いていけない)
これが大人と子どもの差なのだろうか。ああ、駄目だまだ頭がパンクしているようだ。
私は体を起こすと、硝子ちゃんが慌てて肩を支えて立たせてくれる。
「今日はここで寝た方がいいんじゃないか? ベッド空いてるし」
「ううん、一回寮に戻るよ」
「
……
そうか。少しでも違和感があればすぐに連絡して」
そう言って、硝子ちゃんが持って来てくれたらしい鞄を渡す。
「悟、罰として彼女を送ってあげな?」
「な! 何で俺が!」
「誰のせいで怪我したのかな?」
「
……
はい」
夏油君のジロリと睨みつけに負けた五条君は小さく舌打ちして「わーったよ」と頷いた。
「そーだ、怪我が完治するまで五条が
沙奈
の世話をしてあげるってのはどう?」
「えっ」
硝子ちゃんのにやりと企んでいる微笑みを向けられ、私と五条君がほぼ同時に声を上げた。夏油君は「なるほど、それも悪くないね」と硝子ちゃんの意見に賛成らしい。
「お前らなぁ
……
!」
「そこまでしなくても大丈夫だよ。五条君も任務とかで忙しいだろうし
――
」
「
沙奈
」
硝子ちゃんが小声で私を呼ぶ。耳を貸してというので近づくとそっと囁いてきた。
「
……
五条のこと好きなんだろ? これを機に告白してみたらどうだ?」
「な、ななななな
――――
?!」
私は思わず声を荒げてしまう。男子二人は何だ何だと私を見る。直ぐに「何でもないです」と二人に告げる。そんな私たちを硝子ちゃんだけがクスクスと笑う。
私が五条君を? ああ、いや。好きか嫌いかと言えば好きなんだろう。ただし、〝先生〟の方だけど。
(覚醒前の私、硝子ちゃんと何の話をしてるんだ
……
)
覚醒前の記憶を思い出したいけど、すっかり消えてしまって分からない。まさかと思うが、告白してあわよくば付き合いたいとでも思っていたんだろうか。住む世界が違うというのに。
――
呪術廻戦にハマったきっかけは、五条先生だった。
勿論主人公の虎杖君の生き様を最後まで見てみたいと思ってコミックを買うくらいだけども、それ以上に好きになったのは五条先生が呪術を披露している回
――
五条対漏瑚戦だ。初めこそ何だこのアイマスク男は。明らかに怪しい
……
これが教師? 大丈夫なのかと読んでて不安だった
――
が、ところがどっこい、すごく強い。それはアニメもやっていたのでアニメも見てみたら圧倒的な演出で五条悟が現代呪術師最強というのに相応しかった。
私は、そういうギャップがあるキャラが好きになる傾向にあるようだ。普段馬鹿っぽいと思っていたら実はそれは策士でキッチリやる真面目なキャラとか。五条悟はそれにドストライク。
(特に、アイマスクを外すところは魅力的なんだけど、高専時代はサングラスだから少し魅力半減なんだよね、私的萌えパラメーターとしては)
世間では裸眼かサングラスの方がいいようだが、私はアイマスク姿の方が好みだ。せっかく迷い込んだのだからアイマスクを外すところ見てみたいと思ったけど、叶わない。残念だ。
「じゃ、塗り薬とガーゼ、包帯を渡しとく。足りなくなったら私か、医務室から勝手に持って行っていいよ」
「勝手にっていいの?」
「うん。夜蛾センが治療できるのは私だけだから医務室をどう使おうが任せるって入学式の時に言われたから
……
あれ、言ってなかったけ?」
「あ、ああ! そういえばそんなこと言ってたね! あはは」
首をかしげながら答える硝子ちゃんに、私は慌てて彼女に合わせる。
ヤバイ『もうあの頃と中身違うんだよ(中二病台詞)』って言いたいけど言ったら色々ややこしくなるから黙っておくのが無難だよね。
「夜蛾先生には私たちが伝えておくよ。まぁ、起きたら今日の授業は早退扱いでいいって言ってたけどね。あまり任務回ることはないだろうけど、それも私たちが受け持つから、
沙奈
はとにかく怪我を治すことを最優先に考えて」
「ありがとう、夏油君」
夏油君にお礼を言って、薬などが入った袋と学校用鞄を手に持つ。すると、すぐに手の重さが軽くなる。
気がついたら五条君が鞄を持って背にかけていた。
「んじゃ、行くぞ」
「悟、ちゃんと彼女を送り届けるんだよ」
「傑! どんだけ過保護なんだよ! それくらいできるっつーの」
「五条は呪術師としてはいいけど、それ以外がとんでもなくクズだからね。仕方ないね」
「何だと硝子?!」
こわーっと夏油君の背中に身を隠す硝子ちゃん。夏油はそんな二人に呆れる。私の元に近づいてきて、硝子ちゃんと同じように小声で言う。
「あの後、私がしっかり言っておいたから嫌みは言われないと思うよ」
「は? はぁ
……
どうも、ありがとうございます
……
?」
「あれ?
沙奈
は悟が苦手って言ってなかったけ。それとも私や硝子には知らない絆を築いていたのかな?」
こりゃ失敬、と夏油君は身を引いた。私は慌てて弁解する。
どうやら私は五条君に対してだけ苦手意識があるという設定みたいだ。まぁ確かに学生時代の五条って傍若無人というか、唯我独尊というか。とにかく言動が厳しいのだ。あまりにも傷つけるため夏油君と硝子ちゃんによる仲介や、以前の私は自然と五条君に対してだけ避けていたのだろう。
(だから、先生の方が好きなんだけどね)
あっちの方が柔らかい口調だ。そのきっかけは確か夏油君だったはずだけども。
「ちっ
……
沙奈
、さっさと行くぞ」
「はい」
またね、と二人に挨拶して医務室を出る。廊下で鞄を持ったまま、待ってくれていた。
五条君が私に気づくと、歩幅に合わせて歩いてくれている。これは夏油君にこっぴどく叱られたらしい。
私たちの間には静寂が続く。
靴に履き替え、校門を出ると少し前を歩いていた五条君が歩みを止めた。すると私は注意していなかったため、彼の背中に抱えられた私の学生鞄にぶつかってしまう。
「あのさ
……
ってどうした?」
「い、いいえ。何でもないです
……
そっちもどうかしたんですか? 急に止まって」
元場と言えば貴方が止まらなければぶつかることはなかったんですけどね、と触れた鼻を軽くさする。
五条君はポケットから携帯を取り出し(うわーガラケー懐かしい)、開けてはすぐに閉じた。
「これから時間ある?」
「え?」
「スイーツ食べに行かね? お詫びも兼ねてさ」
「え、でも
……
」
今授業中では、と言おうとするが「授業なんか聞いてられるか」と逆に怒られてしまった。あれ、何で私が怒られてるんですかね。
「お前が倒れてから散々なんだよ。夜蛾センに説教されるわ、傑にも嫌み言われるわ、硝子にまで馬鹿・クズ呼ばわりだし」
「うっ、すいません
……
」
「それ!」
「ん?」
五条君が振り返って指を私に向けられる。私は思わず体を震わせた。
「何で俺にだけ敬語なわけ? 倒れる前までは普通に話してたよな?」
「えっ?!」
そうだったのか覚醒前の私! じゃあさっきのやりとり全て不自然に見えていたはずだ。だからかもしれない。夏油君も硝子ちゃんも少しだけ疑問符を浮かべていたような気がしなくもない。
(苦手だってことで、敬語で話してたと思い込んでたんだよね。同い年だから敬語で話す必要ないんだよね、確かに)
とはいいつつも、まだ出てきてないけど伊地知さんと五条先生の会話を思い出す限り、ビクビクしていたような気がする。まぁ、伊地知さんからすれば五条先生は先輩だから仕方ないのかもしれないけど。
「えっと
……
私の不注意のせいとはいえ、迷惑かけてしまったので
……
えっと」
一応それっぽい理由をかけておく。確かに彼の立場からすればいい迷惑ポジションだ。彼自身には何の落ち度もない、なのに責められる理不尽。そのせいもあってか表情は険しい。
「そう思うならその敬語止めろ! んで、寄り道に付き合え!」
いいな、と有無を言わせない勢いで言うので私は頷くことしかできなかった。
頷いたのを見届けると、彼は「早速区内に出るぞ」と前を歩いて行く。私は少しだけ早足で彼の後を付いていくので精一杯だった。
1
2
3
4
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内